読書の日記 --- READING DIARY
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 秘めやかな約束/ローリ・フォスター

『秘めやかな約束』/ローリ・フォスター (著), Lori Foster (原著), 石原 未奈子 (翻訳)
文庫: 373 p ; サイズ(cm): 15 x 11
出版社: ソニーマガジンズ ; ISBN: 4789722457 ; (2004/04)

出版社/著者からの内容紹介
25歳のうぶな女性グレイスは、自分の雇い主である老婦人のハンサムな孫ノアに3年前からひそかに思いを寄せていた。ノアはもうじき、彼にふさわしい美女と結婚することになっていた。ところが、ある日、意外なことが起きた。突然、ノアが婚約を一方的に破棄したのだ。周囲から激しく非難される彼をグレイスはただひとり懸命にかばう。が、グレイスの思いを知ったノアが彼女に提案したのは、とても危険で官能的な契約だった……。アメリカの人気作家が描くあまりにも熱く甘いロマンスの世界。

2006年05月31日(水)
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 満月と血とキスと/シャーレイン・ハリス

『満月と血とキスと』/シャーレイン・ハリス (著), Charlaine Harris (原著), 林 啓恵 (翻訳)
文庫: 415 p ; サイズ(cm): 15 x 11
出版社: 集英社 ; ISBN: 4087604462 ; (2003/10)

内容(「BOOK」データベースより)
なかなかの美人なのに、人の心が読めてしまうという“障害”のせいで、これまで恋人ができなかったウエイトレスのスーキー。でも、ビルとならうまくいくかもしれない。青白く輝く肌、吸い込まれるような瞳、美しい鼻筋、すべてが魅力的。ただ、彼がヴァンパイアでさえなければ、完璧だった。そう、夜しか“命”を得られず、血に飢えるあまり、殺人さえ犯していなければ…。ヴァンパイアとの恋につきまとう連続殺人事件の驚くべき真相とは。アンソニー賞(世界最大のミステリー大会、バウチャーコン(Bouchercon)主催。アントニー・バウチャー(Anthony Boucher)の業績を称えての称号。ファンが投票で決めるというところが重要な賞のひとつ)受賞。

●【Anthony Award 2002 Best Paperback Original】
Winner : Dead Until Dark (Charlaine Harris)



シャーレイン・ハリスの<サザン・ヴァンパイア・ミステリーズ>シリーズの1作目を読み終えたが、ルイジアナ北部のボンタンという町が舞台というだけで、特に南部っぽいところもない。

「ニューオーリンズがヴァンパイアのメッカになっているのは、アン・ライス効果ってところだろう」

という文章が冒頭にあって、ニューオーリンズにはヴァンパイア専門のホテルがあったりという設定になっているが、南部らしい描写とかは、ほとんど皆無といってもいいくらい。がっかり。

内容はどうかというと、南部ということで期待しすぎていたため、これもちょっとがっかりなのだが、SFのようなミステリのような、それでいてロマンスっぽい小説だった。主人公がヴァンパイアと付き合ってるんだから、荒唐無稽と言えば荒唐無稽だが、全然ホラーではない。

でも、このあと2〜4作目までの原書を買ってあるから、登場人物とかをしっかり覚えているうちに読んだほうがいいかも・・・と思ったりして。でもイシグロも読みたいしなあ。

ところで、この翻訳がちょっと気にいらない。普通の文章はともかく、会話部分がどうもしっくりこないので、何度も引っかかってしまった。

2006年05月30日(火)
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 大いなる秘密「爬虫類人」(レプティリアン)〈上〉超長期的人類支配計画アジェンダ全暴露!!/デーヴィッド・アイク

『大いなる秘密「爬虫類人」(レプティリアン)〈上〉超長期的人類支配計画アジェンダ全暴露!!』/デーヴィッド・アイク (著), David Icke (原著), 太田 龍 (翻訳)
単行本(ソフトカバー): 588 p ; サイズ(cm): 19 x 13
出版社: 三交社 ; ISBN: 4879191450 ; 上 巻 (2000/08)

内容(「BOOK」データベースより)
ついに、人類を陰で操作する超巨悪の正体を掴まえた!!超長期的人類完全支配計画アジェンダ全暴露!!イルミナティ世界権力の本拠地、英米のド真ん中に出現した超々ラディカルな大著。驚嘆・感嘆・興奮させる掛け値なし血わき肉躍る「世界を変えてしまう著作」。

内容(「MARC」データベースより)
地球原人を操作して家畜人化した「爬虫類人」とは? そして彼らの代理人として人類支配を行う秘密結社の正体とは? 超長期的人類支配計画アジェンダの全貌を明らかにする。

2006年05月28日(日)
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 The Most Beautiful Woman in Town and Other Stories/Charles Bukowski

『The Most Beautiful Woman in Town and Other Stories』/Charles Bukowski (著)
ペーパーバック: 248 p ; 出版社: City Lights Books ; ISBN: 0872861562 ; (1983/06)

内容(「BOOK」データベースより)
酔っぱらうのが私の仕事だった。救いのない日々、私は悲しみの中に溺れながら性愛に耽っていた。倦怠や愚劣さから免れるために。私にとっての生とは、なにものも求めないことなのだ。卑猥で好色で下品な売女どもと酒を飲んでファックする、カリフォルニア1の狂人作家…それが私である。バーで、路地で、競馬場で絡まる淫靡な視線と刹那的な愛。伝説となったカルト作家の名短編集。


ブコウスキーは嫌いではない。下品な描写に辟易するところもあるけれど、なぜか憎めないオヤジで、結構笑えるところもあり、逆に身につまされて辛くなるところもあったりしてなかなか面白いし、ブコウスキーが好きと認めるのは少々恥ずかしいという気持ちもあるけれど、割と好きかもしれない。

とはいえ、これを一気に読むのは辛い。だから少しずつ読んでいたのだが、あとが迫ってきたので仕方がない。とにかく終わらせた。まあ、面白かった。いずれ読みたいとは思っていたものの、熱心に薦められなければなかなか手に取る機会もなかっただろう。なるほど、これがブコウスキーかという感じで、とりあえず満足。

2006年05月24日(水)
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 ハリー・ポッターと謎のプリンス(上・下)/J.K.ローリング

『ハリー・ポッターと謎のプリンス ハリー・ポッターシリーズ第六巻 上下巻2冊セット (6)』/J. K. ローリング (著), J. K. Rowling (著), 松岡 佑子 (翻訳)
単行本: 出版社: 静山社 ; ISBN: 4915512576 ; (2006/05/17)

BOOKSスタッフ レビュー
16才になったハリーポッター。ロンやハーマイオニーとの関係も、それぞれが大人に向かっていくなかで微妙に変化していく。一段と成長したハリーの新しい恋人は誰なのか? 「混血のプリンス」の存在を知るハリー。宿敵ヴォルデモートとの戦いで、裏切りによる悲しい別れがハリーを襲う。ハリーの運命を予言した第5巻に続き、第6巻では過去の謎が解き明かされる。

2006年05月20日(土)
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 米国同時多発テロの「謀略史観」解析―真犯人は国際イルミナティ三百人委員会だ!/週刊日本新聞 (編集)

『米国同時多発テロの「謀略史観」解析―真犯人は国際イルミナティ三百人委員会だ!』/週刊日本新聞 (編集)
単行本: 127 p ; サイズ(cm): 21 x 15
出版社: 三交社 ; ISBN: 4879195804 ; (2001/11)

内容(「BOOK」データベースより)
MI6(英国)元諜報員、元米軍関係者、共和党米大統領候補者リンドン・ラルーシュ、元英国テレビキャスターなど海外アナリストの、マスメディアでは絶対扱わない“危ない”最新・最深の情報を基に「週刊日本新聞」編集主幹太田龍が読み解く「911テロ」の全真相。



今日読み終えた『米国同時多発テロの「謀略史観」解析―真犯人は国際イルミナティ三百人委員会だ!』だが、ある意味で笑えるのだが、海外の文書の翻訳もひどいし、結局何を言いたいのか、どんどん焦点がずれていってしまって、なんともお粗末という感じ。

例えば、テロの真犯人はユダヤ人だと言うなら、徹底的にそれについて書かれていればいいのだが、ネタ本がいろいろあるせいか、ところどころで宇宙人になったり、わけがわからなくなったりして、だから何なの?となってしまう。ネタ本になったトンデモ本の寄せ集めの本でしかないといった感じ。確かに、こんな本ばかり読んでいたら気違いになってしまうだろう。

「ジョージ・ブッシュ(パパ)は幼児性愛者の連続殺人犯だ!」などと断言している割に、全く説得力に欠ける。まだ、これのネタ本になっているデーヴィッド・アイクの『大いなる秘密』のほうが、ストーリーが一貫していて説得力がある。

2006年05月17日(水)
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 夜明けのヴァンパイア/アン・ライス

『夜明けのヴァンパイア』/アン・ライス (著), 田村 隆一 (翻訳)
文庫: 554 p ; サイズ(cm): 15 x 11
出版社: 早川書房 ; ISBN: 415040464X ; (1987/09)

内容(「BOOK」データベースより)
「私がヴァンパイアとなったのは、25歳の時、1791年のことだ…」彼はそう語りはじめた。彼の前にはテープレコーダーが置かれ、一人の若者が熱心に彼の言葉に聞き入っている。彼は語る。アメリカからヨーロッパへ、歴史の闇を歩き続けた激動の200年間のことを。彼をヴァンパイアとした“主人”吸血鬼レスタトのこと、聖少女クロウディアとの生活、東欧の怪異、訪れた破局。―伝説の存在、吸血鬼への驚愕すべきインタヴュー。世界的ベストセラーとなった大作!
※画像は原書 『Interview With the Vampire』

2006年05月16日(火)
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 わが手に雨を/グレッグ・ルッカ

『わが手に雨を』/グレッグ・ルッカ (著), Greg Rucka (原著), 佐々田 雅子 (翻訳)
単行本: 427 p ; サイズ(cm): 19 x 13
出版社: 文藝春秋 ; ISBN: 4163233601 ; (2004/09)

内容(「BOOK」データベースより)
雨の夜。故郷ポートランドに帰りついたミム・ブラッカを待っていたのは何者かの襲撃だった。監禁され、数時間後に解放されたミム。敵の狙いは何か?バンドから一時帰宅を言い渡され、失意の底にあったミムは、敵が卑劣な罠を仕掛けていたことを知る。ネットに流された盗撮写真―それは地に落ちたミムの名誉に、さらなる汚泥を塗りたくるものだった。かつて母を轢き殺した父の帰還。愛してやまぬ養父母への思い。過去の苦い記億。アルコールに溺れる自分…。すべてを失ったミムは決意する―苦痛に満ちた過去と向き合い、見えざる敵に立ち向かおうと。もう自分には嘘はつくまいと。傷つき、孤独に震える女の苦闘。引き裂かれた親子の再生。タフでリリカルな筆致で描かれる、現代ハードボイルドの俊英の最新長篇。清新な感動をもたらすハードボイルド・サスペンス。


2006年05月11日(木)
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 王女グリンダ/茅田砂胡

『王女グリンダ』/茅田 砂胡 (著)
単行本(ソフトカバー): 509 p ; サイズ(cm): 17
出版社: 中央公論新社 ; ISBN: 4125006660 ; (2000/08)

出版社/著者からの内容紹介
全18 巻をもって完結した〈デルフィニア戦記〉には、幻のプレ・ストーリーが存在する……。一部のファンに囁かれ続けた『デルフィニアの姫将軍』と『グランディスの白騎士』を完全収録。


2006年05月10日(水)
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 龍のすむ家(2)氷の伝説/クリス・ダレーシー

『龍のすむ家(2)氷の伝説』/クリス・ダレーシー (著), Chris D’Lacey (原著), 三辺 律子 (翻訳)
単行本: 406 p ; サイズ(cm): 19 x 13
出版社: 竹書房 ; ISBN: 4812418429 ; 2 巻 (2004/10)

内容(「BOOK」データベースより)
コンカーをトチの木の下に埋めてから数週間―。小さな龍たちが暮らすペニーケトル家には平穏が戻ったかに思えた。ところが、ルーシーが願いの龍「ガレス」を作ったことからとんでもないことが起こり始める。願いの龍は、作り手と名付け親がひとつずつ願いを叶えてもらえる特別な龍だ。ルーシーは龍たちの大好きな雪を降らせて欲しいと願う。晴れていたはずの空からひらひらと小雪が舞う中、ガレスと命名した張本人のデービットは、不思議な思いで大学に向かう。最近やってきた極地研究の専門家・バーグストローム教授はなぜかガズークスのことを知っていて、とんでもない課題を出してきた。「龍は存在するか、否か」について、論文を書けと言うのだ!平和な日常の中、陶器の龍たちが生きていたのか、またもや信じがたい気分になっていたデービットは、ついにガレスにこう願う―龍伝説の真実を知りたい、と。その瞬間、運命の歯車がガタンと回り始めた。リズのおばさん・グウィネスが、霊薬をつかさどる龍「グレーテル」を連れて、家にやってくる。なぜか慌てるリズに、グウィネスはリズに子供ができると宣言。デービットは龍の涙を守り続けるシロクマの物語を夢に見始める。謎の教授バーグストローム、デービットに恋する同級生ザナ、新たな龍4匹が加わり、ますます物語は白熱。イギリス生まれの優しく心に残るファンタジー。

2006年05月06日(土)
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 ブロークバック・マウンテン/アニー・プルー

『ブロークバック・マウンテン』/E・アニー・プルー (著), 米塚 真治 (翻訳)
文庫: 95 p ; サイズ(cm): 15 x 11
出版社: 集英社 ; ISBN: 4087604977 ; (2006/02/17)

内容(「BOOK」データベースより)
1963年夏、ワイオミング州ブロークバック・マウンテンで出会ったイニスとジャック。野営しながら羊の移動牧畜の仕事をする間の芽生えた親密さは危険な一線を越えた。4年後、互いに募らせた思いは一気に噴出する。タブーを犯した真率な愛は世間や家族の目を逃れた大自然の奥深くに隠れ家を求める他ない。米西部を背景に同性愛の悲劇を描いた2006年ゴールデングローブ賞4部門受賞映画原作。


レイトショーで泣く

新宿武蔵野館にレイトショーを観に行った。アニー・プルー原作の 「ブロークバック・マウンテン」。内容うんぬんというより、カウボーイ映画というのに惹かれて観に行ったのだが、まさにカウボーイがいっぱい出て来て最高!脚本がラリー・マクマートリーというのもすごい。

というのは話半分として、実はこの映画はホモの映画で、怖いもの見たさみたいなところもあったんだけど、同性愛というのはさておいても、人間が人間を愛するということの喜びや苦しみが、ひしひしと伝わってくる素晴らしい映画だった。★5つです!

個人的にはストイックなイニス(ヒース・レジャー)が好き。言葉ではうまく言い表せないのだが、とにかく映画を見てもらえばわかる。「自分で解決できないことは我慢せよ」というアニー・プルーの信条が、そのままイニスに乗り移っているみたいだ。

映画の中のロッキー山脈の景色も素晴らしいし、音楽もいい。最後にウィリー・ネルソンの「He Was A Friend Of Mine」(http://www.wisepolicy.com/brokebackmountain/top.html のSOUNDTRACKページで聞けます!)を流すなんて、やられた!という感じ。もうこれだけで泣き!もちろんその他の曲もいい!

「He Was A Friend Of Mine」の「Was」に注目。過去形になっているのがなんとも悲しい。もう涙が止まらなくて、嗚咽をこらえるのに苦労したほど。性別を超えて、こんなに深く人を愛せるのかと、本当に感動した。

というか、これは男だったから良かったのかも。それも言葉少ない無学なカウボーイだったからこそ、言葉に表せないもどかしい気持ちが、少ない言葉の中から溢れてくるのが感動したのだと思う。これが饒舌な映画だったら、ちょっと白けたかもしれない。

それと、愛には関係ないんだけれど、イニスがずっと貧乏で、不器用で、自分はカウボーイしかできないみたいな、そんな生活を送っているのにもなんだかしみじみさせられて、それにも涙してしまった。

いい映画だったよ、本当に。劇場を出る時には、パンフレットはもちろんのこと、サントラのCDと原作本まで手にしていた。本のほうがいいんじゃないかな?と思っていたけれど、映画は映画で素晴らしかった。


原作 『ブロークバック・マウンテン』

映画「ブロークバック・マウンテン」の原作を読んだ。アニー・プルーは、これも映画になった『シッピング・ニュース』しか読んだことはないが、今回の作品を読んで、つくづく上手い作家だなあと思った。

この作品は量的には私の苦手な短編だが、長編を1冊読んだくらいの満足感があって、短編というものの意識が大きく変わった。優れた短編は、それだけの短さでも、十分に人生を語ることができるのだなと。

わざわざ映画と本を比較することもないが、泣きたい人は映画をどうぞという感じ。本も十分に感動できるけれど、プルーはもっと覚めた目で淡々と書いているので、じっくり読まないと、言外や行間で語っていることがわからないかもしれない。

つまりカウボーイと一緒で、余計なことはなにも言わない。書いていないのだ。私も映画を先に観ていなければ、細かい気持ちの動きなど、全然気づかなかったかもしれないなと思う。

米塚真治氏の翻訳に批判もあるようだが、個人的にはとても良かったと思う。淡々とした語りは直訳ではなくて、アニー・プルーの文体がそうだからだと思うし、会話もさりげなくて良かった。黒原敏行氏のコーマック・マッカーシーみたいで、私はとても好き。

もともと短編だから、100ページにも満たない薄い本で、紙質を厚くしたり、字を大きくしたりして、なんとかページ数を増やしているが、それでもこの本は大事にしたい1冊だ。ぜひアメリカの国立公園に持って行って、雄大な景色の中で読んでみたい。

2006年05月05日(金)
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 わがタイプライターの物語/ポール・オースター

『わがタイプライターの物語』/ポール・オースター (著), 柴田 元幸 (翻訳)
単行本: 96 p ; サイズ(cm): 19 x 13
出版社: 新潮社 ; ISBN: 4105217100 ; (2005/01/28)

内容(「MARC」データベースより)
誰もがデジタルに改宗するなかで、私は最後に1人残った異端の徒のようになっていった。でも気にしなかった…。オースターとオリンピア・タイプライターとの睦まじい関係を綴る本当の話。カラー挿画とスケッチ39点も収録。



『ナイト・ウォッチ』で煮詰まってしまったので、気分転換にオースターの『わがタイプライターの物語』を読んだ。ページ数も少ない上に、絵が多いので、あっという間に読み終えたが、これって、オースターの本というより、画家の画集でしょう。

たまたま絵の題材がオースターのタイプライターだっただけで、そこにオースターがちょっと文章をつけたといった体裁の本。柴田さんが翻訳するほどのものでもなく・・・という感じ。

この絵は面白いし好きだけど、本の作り方に疑問。オースターくらいに名前が売れると、ポール・オースターと名前をつけるだけで、こんな本でも(小説ではないといった意味だけど)売れてしまうのかな。なんだ、村上春樹みたいじゃないか。

最近のオースターは、売れるものは何でも出すといった感じがしなくもないので、あまり好みでなくなってしまった。やはりアーヴィングのように、しっかりした小説を書いてほしいなと思う。小説を出していないわけではないけれど。

また、「本当の話」というのが近頃オースターの売りっぽくて、これもまた気に入らないというのが正直なところ。だって、編集された「本当の話」を書いてるのはオースターじゃないんだもの。そういう話をオースターの感性で選んでいると言えば、まあいいんだろうけど、私は小説家のオースターが好きだったわけで・・・。


2006年05月01日(月)
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