その日は寒かったけど
お風呂入っちゃってたし、どうせ車だし、暗いし
わからないだろうと素足でお迎えの車に。
あっと言う間にバレマシタ。
寒いだろうと暖房強くしてくれた。
この人そういえば気遣いの人だった。

何話したらいいかと思ってたけど
心配無用でした。
別に何話すってわけじゃないけれど話は尽きない。
お茶飲もうよってコンビニのコーヒーを買って
喋りながら街の中をぐるぐるまわってただけだけど
なんだか面白かった。
何が面白かったのかよくわかんないけど面白かった。

たぶん普段人間関係にびくびくしてるんだろうな。あたし。
嫌われるんじゃないか・・とか、嫌な気持ちにさせてるのかな・・とか。

いつものお店に行って
帰ってきたよのご報告。
年に何度も帰るので特に珍しいわけじゃない。
でも、昔は毎日みたいに仕事帰りに寄ってたからね。

すれ違いでお店に来た彼はお店で帰ってきていると聞いたみたい。
夕ご飯を食べ終わったころに電話が鳴った。
何も考えずに取ると彼だった。
「なんで帰ってくるときしらせねーの？」
だって、お知らせしたってねぇ・・・会うわけでもないし
そりゃ会ったら楽しいのはわかるけどさ
会いたいと思ってるかどーかもわかんないしな。

「時間があったらお茶でものもーぜ。迎えに行く」
う〜ん　会って何話す？緊張する。

私は地元を離れ
たまに帰って、いつものお店で
噂だけを聞いた。
それは私の知っているいつも通り変わらない話。

会うことはなかったけれど
お店にいるときにたまたまかかってきた電話で
ちょっとだけ話したことが二度。
その時になぜか電話番号だけ教えあった。
別にお互い電話して話すことなんか思いつかないのに。
今だって電話して何話したらいいのかわからないよ。

たくさんの人がやってくるそのお店で約束することもなく
たまに彼に会い、話をするのですが
その話はとてもバカバカしくて
お互いに自分のことを話すこともないけれど
やりとりはとても楽しかった。
色々とダメなところはあって、付き合うのは無理だと思っていたけれど
たぶんそれは言い訳で、だいぶ好きだったのだと思う。
何も知らないのに。

帰る時には「ダーリン先に帰ってるね」
「おう　風呂わかしておいてくれよ　ハニー」
と笑って挨拶してた。
違ううちに帰っていくし、この場所以外で会うことはないのに。

２０年前からずっと知っている人。
当時の遊び友達の友達でした。

そういえば、初めて会ったのはその遊び友達に連れられて
遊び友達の独身のお友達んちに行った時。
遊び友達は遊んでいる分には楽しい人だったし
見た目も良かったけど、他の人を見下したりする嫌な面のある人だったなぁ。
便利だから付き合ってたあたしも嫌なヤツだけど。

紹介してもらったお店に通うようになって再会。
いつの間にやらお店で話すようになりました。
会ったら２人でずうっとしゃべっているけれど
お店以外で会ったことはこの２０年間で一度。
それも彼の友達を私の友達に紹介するというミッションにて。
結局うまくいかなかったけどね。

ずいぶん昔のことだなぁ・・・歌じゃなけどあの頃私も若かった。