空色の明日
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2001年05月29日(火) 男の本能

昨日のニュースで、満員電車で「奥につめてー」と言ったらそばにいた
男に殴り殺されちゃったっていう事件がありましたね。

亡くなったご本人も「え?なんで?なんで俺が死ななきゃならないの?」
ってわけもわからず息絶えてしまったでしょう。
ご家族もご本人も本当に納得のいかない事件だったと思います。

これを見てふと思ったこと。
これがもし被害者が20代の男性じゃなかったら・・・。

加害者も被害者と同じ20代の男子学生。
もし、おばちゃんが「ちょっとつめてー」と言ったらたぶん
「あー、おばはんがなんか言ってるよー」と思いながらもしぶしぶ
黙ってつめたんだろうし、若い女の子でもそうだと思う。

もしおっちゃんでも多少はムッとにらむもののここまでには
ならなかったんじゃないかと思うのです。

同年齢の男の人だったからやっちゃったんじゃないかと。

前に美輪明宏さんが「男の方が女よりずっと嫉妬心が強い」と
言っていました。
常に勝っていかないといけない立場でずっときてるからだそうです。

女は、前から美人が歩いてきたら「あの人美人だわ。でも性格悪そう。」
とかいろいろ理由をつけて自分を慰める力があるので
逃げ道を作るのがうまい。

でも男はそれが出来ないから闘っちゃう。

今回もそういうところからきたんじゃないかとふと思ったのです。
まあ、満員電車ってだけでも相当にストレスのたまる状況なだけに
悪条件が重なりすぎたと思います。


2001年05月21日(月) 美しきジジイ

私には物心ついたころから祖父がいなかった。
だからおじいちゃんという存在が全くわからない。

まあ、一番近いおじいちゃんは今「じいじ」と姪たちに呼ばれてる
父かもしれない。

今日は「ストレイト ストーリー」をみました。
はっきりいって「ツインピークス」もみてない私はデビッド・リンチの
作品だからとかそういうことは全然関係ありません(笑)

73歳の頑固ジジイがトラクターで遠い兄弟を訪ねていくという
話なんですが、これがジジイの魅力満載。

ババアの魅力が「ナビィの恋」なら、ジジイは絶対これ!!
ヨボヨボなんだけど、歳を重ねただけ言葉とか仕草が洗練されてて
実は全然無駄がないのだ。
思いやりとか気遣いとかそういうのが気取らず自然に表現されてて
とてもリアルなのです。

私は子供の時、父親が財布からお金を出す姿を見るとなんとなく
切ない気持ちになっていました。
毎日お買い物についていってたので母が財布を持つ姿は
見慣れてるのに、父は猫背でなんかその姿がわびしくかんじていやだった。
それを言うと「せっかくご馳走してるのになんでそんなこというんだ」と
父は困った顔で笑ってましたが。

男って言うのは現実味のない生き物だとはわかってましたが、
それは見た目にもそうなのかもしれません。
だから男にお金はなんとなく似合わなくて父のそんな姿がいやだったのかも。

この映画はジジイの中の男の美学・優しさ・意地そういったものが
凝縮されてる。
そしてジジイが父親の顔になったり、弟の顔になったり、
友の顔になったりといろんな表情を見せてくれる。
それは73年生きたから持っているたくさんの顔であり、
思い出なのかも。

見ていて「ああ、歳を重ねるってこういうことなんだ」と思います。
この映画に出てくるジジイはハリウッドのかっこいいジジイとは違う
そのへんにいそうな普通のジジイ。
だけどだからこそその仕草一つ一つにこめられた気持ちが
手に取るように伝わってくる。

私は見ている間中なんども自分の父の姿がそのジジイに重なった。
たぶん多かれ少なかれ見た人は自分の祖父や父に重なるところがあるはず。
だって、そこにいるのはごく普通のジジイ。
頑固できままで恥ずかしがり屋でちょっとカッコつけ屋(笑)

ジジイの旅を追いかけていると父と一緒に出かけた気持ちを思い出す。
雨の匂いや風の温度、静寂の圧迫感。
ジジイと旅をして思い出してください。


2001年05月16日(水) お金の使いみち

「人よりたぶんちょっとお金をかけすぎてるな」と思うモノ。
私の場合は食べ物と音楽。

食べ物は美味しいと聞けば必ず買いに行ってしまう(笑)
あとは映画とか音楽。
この頃はあんまり映画やお芝居を見に行くきっかけが少なくて
あんまり行ってませんがCDは結構買ってしまう。

もともとお勤めしてた頃もそうだった。
旅行・洋服・化粧品といったOLさんがお金をかけそうな所は
全然かけてなかったからその分が全てそっちへ費やされていた。

だってヨーロッパへ旅行・・30万円とするとそれでCDが100枚買えちゃう!
まあ、仕事柄自分の都合で長い休みをなかなかとれなかったことも
重なって旅行はほとんど行かなかった。
だからその分を贅沢にCDや映画やコンサートに。

雑誌を買うような感覚でCDを買ってた。
だから1〜2回しか聴いてないようなのも結構あったりする。
これってすごい無駄使いだと思うんだけど無駄遣いランキング1位が
CDだったらそれもOKになっちゃう。
これがコスメ好きの人だったら口紅買ったけどつけてみたら以外と
似合わなかったのでそのまま眠ってる口紅が何本もあるというのと同じ。

人から見たらものすごく無駄な事も本人にとってはたくさんある中の
「たまたまハズレ」なんだよね。

だからブランド好きの人とか、コレクションの趣味のある人の
考える事って私はわからないけど、自分のCDに置き換えて
「ああ、わからなくてもしかたないよな、これって」と思うのです(笑)

あなたは何に一番投資してますか?


2001年05月15日(火) 多羅葉

「たらよう」の葉っぱをご存知?

私も知らなかったんですが、先日お花の先生のところで見せてもらいました。
椿の葉っぱをもうちょっと長く大きくして、もう少し黄色みがかった
とても分厚くて硬いしっかりした葉っぱです。

GWに親戚の家に遊びに行った先生。
そのお家の玄関先に、この「たらよう」の樹があるんですって。

この葉っぱのすごいところ。
それは裏に字が書けるのです!!
棒切れで字を書くと書いたところの色がだんだん黒く濃くなって
まるでエンピツで書いたようにくっきりと浮き上がってくるんです。
「葉書」の語源はこの葉っぱらしいです。
もちろん書いた字は葉っぱが枯れるまでずっと残ります。

先生の親戚のお家は田舎にあって、大きなお庭にたくさんの果物を
植えてるそうです。
でも今は老夫婦2人きりで暮らしているのでお庭の手入れも
果物の収穫もできません。
だから近所の人に「勝手にとって行ってね」と言ってあるそうで
その代わりに、とりに来た人は庭の草引きとか、そのお家の分の収穫を
してあげるんですって。
なんか街育ちの私にはこういうのがとっても素敵に聞こえます。

そんなだから、もちろん鍵なんて開けっぱなしで自由に出入りできるの。
そしたら、わかってる人は収穫したものを玄関先に置いて、
その上に「たらよう」の葉っぱで「レモンもらいました。ありがとう」
なんてメッセージを残していくんです。
粋でしょ?

GWはこれまためずらしい「なんじゃもんじゃ」の花がそのお宅の庭で
咲いたそうで、いろんな所から大勢の人が見に来たそうです。
そして夕方ふと見ると玄関先に
「珍しいお花を見せていただきありがとうございました。」
と「たらよう」の葉っぱが一枚置いてあったそうです。
その人はその葉っぱを知ってたんですね。

そんなかっこいいことしてみたいと思うけど、きっとそのチャンスが
ある時にはこの葉っぱの事を忘れてたりするんだろうな(笑)


2001年05月11日(金) 大人の苺

もう苺もそろそろ終わりですね。
子供の時はすっぱいのが苦手であんまり好きじゃなかったんですが
この頃、ムショウに食べたくなる時があります。

苺ってお子様の食べ物ってイメージがなんとなくあったんですが
よく考えるとそれは苺を「苺ちゃん」なかんじにして食べるからです。
つまりヘタをとって小鉢に2〜3個のせてあったりする食べかた。
時にはおちょぼ口のお上品な方の為に半分に切ってあったり・・・。

あれはいけませーん!!!
あれはお子様の食べかたです。

大人に似合う苺はワイルドな苺です。
シャンパンにあわせてドレスアップしてるのに大皿から手で
一つまみしてカプッと齧る・・・。
ジュリアロバーツはワイルドでキュートでした!
大人はそんなかんじに苺を食べようじゃないか!

なんとなくこの数年そういうイメージが私の中の苺でして、
お昼に苺を買ってくると帰ってすぐ軽く洗って和風の大き目の
鉢に山盛りにします。
それをキッチンのカウンターの上に置いておいて、料理の合間にパクッ
横を通りすがりにパクッ、日記の合間にパクッ。
こうやって苺畑でつまむような感覚で食べます。

そして苺は絶対冷やさない。
(ほんとは洗ってもいけないそうですがさすがに農薬が気になるので…)
冷やすと味も香りも落ちてしまうし、常温の生ぬるさがまたワイルドな
感じでよろしい。

そうやって食べるようになってから苺が好きになりました。
だからデザートに苺は食べないのですよ。
苺様とテーブルで向き合うとなんとなく苺が恥ずかしがってすっぱくなりそうで。

今日買った苺は佐賀の「ほのか」という品種。
大きくて形もとっても素敵、おまけに味も甘すぎずすっぱすぎず
私の理想的な苺。
そして日記を書きながらつまみ、ミートソース作りながらつまみ、
お出かけ前につまみ、帰って来てまずつまむ。
これが私の「大人の苺」


2001年05月05日(土) 「毛皮のマリー」

ゴールデンウィーク気分満載の梅田へ。
美輪明宏&及川光博の「毛皮のマリー」を観に行きました。
お芝居はひさしぶりです。
それにしても私ってばほんとこういうオドロオドロしいのばっかり観るよなー。
もうちょっとフレッシュな劇団とかのやつ行けよと思うのですが、
どうも現実的なお芝居より、なるべく非現実の世界のやつを観たいと
思うのはやっぱり夢を舞台に求めるからでしょうか。

それにしてもこの「毛皮のマリー」は行ってよかった!!
キャッチコピーが
「さあ、さあ、お立ち会い!鬼が出るか、蛇が出るか…
何が出るかは、はいっ、見てのお楽しみ!」

まんまでした。
鬼より蛇より恐ろしいものが続々登場!

この作品は寺山修司が美輪明宏の為に書いた作品だけあって
やっぱり美輪さんにしか出来ない作品でした。
他のキャストもこの人にしか出来ないという難しい役を
見事に当てはめられてて1人1人がとっても生きてました。
一番素晴らしかったのは若松武史さんです。もう今回NO1です!!
この人はオカマ役やらせたら日本一です!!!

麿赤兒さんもさすが舞踏が専門だけあってあのイカツい顔からは
思いもよらないしなやかでキレのいい動きで舞台人を痛感!!

それから朝の連続テレビ小説「オードリー」でタイガーウォン役をしてた
菊地隆則さんが出てたのにはびっくりしました。
彼もぴったりのワイルドな役でした。

そしてそしてミッチー!!!!
はじめて生でみましたよ、ミッチーを!!
顔でかっ!!!
白塗りしてたので余計でしょうけど体が以外と小さくてその割に
顔が大きくてびっくりです(笑)
終わってからトイレで鏡に映る自分を見て「顔ちいさっ!!」って
思ったぐらいなので、やっぱり彼は顔大きいです。

少年のような役ですがあれもミッチーにしかできない役でした。
でもいつもはオーラを放ってるミッチーも美輪様の存在感には
やっぱりかないませんでしたね。

衣装もワダエミさんだったのですごく綺麗でしたよ。

とてもお子様連れではいけない内容でしたけど、ほんとに退屈しませんでした。
2時間半、休憩ナシでびっしりありましたけどずっとクギヅケでした。
できるならもう1回観たいくらいです。

チケットをとる時も結構苦労しただけあって、追加席まで出して満席でした。

やっぱり舞台を専門にやってる人のお芝居は付け焼刃の人とは全然違いますね。
自分を取り囲む空気をまとってお芝居してます。
そのまとった空気がだんだん大きくなって舞台いっぱいになり、
会場いっぱいになって見ている人はその人の息使いにまで集中するくらい
ひきずりこまれます。
それを強く感じたのは麿さんと若松さんでした。

お芝居って映画と違って予告もないから行くまでどんなのか全然わからないですね。
でもその代わり、自分の中でいらぬ想像を膨らませず素直に見れるので
よかった時には本当に震えるくらい感動します。
だからまた見に行きたくなるのよね。


2001年05月02日(水) 究極の通販

この頃ちょっとばかり通販にハマってた私。
先日も、「もう無駄買いはやめよう」と思っていたのに
その気持ちがちょっと薄れかけた頃を見計らったようにカタログを
送ってくる千趣会。
そしてまんまと、その手口に乗せられてまた注文してしまった。

今までは家からポストが遠かったり、FAX用紙を書き間違えたりと
断念するチャンスがいっぱいあったのにインターネットってやつは全く…。


ところで今日また別口で注文していた品が届いた。
こいつはいままでの通販とは訳がちがう。
なぜなら「私の歌のCD」だからだ。

そう、安藤は5年くらい前まで仕事の片手間に音楽活動をしていた。
一緒にやっていた岡野晶という人がこの頃インディーズ界で
ちょっとばかり名前が売れてきたらしく(有線のインディーズ部門で
最優秀賞をとったらしい)それに伴い、昔収録した彼の作品が
今頃になってCD化されたというわけ。
そしてその時、歌ってた私の声もその中に収められてると・・・。

もう7〜8年前のものなのだし、今はもう何の活動もしてない私にとって
なんだか他人の作品という感が強く(ま、実際彼の作品にゲストとして
10曲くらい歌ってるので私の作品とも言いきれないし)それでも
やっぱりCDからは、私の声が流れてくるわけでなんとも奇妙な気持ちです。

なぜこいつを購入しようかと思ったかと言うと、製作当時はまだCD-R
なんてものも普及していなかったのでカセットテープという形で
タワーレコードとかWAVEとかで売ってもらっていたんですが
テープというのはご存知の通り劣化します。
おまけにカセットデッキ自体がもう我が家にはありません。
ま、これも青春の1ページってやつなので折角だから買っとこうと。
っていうか私自身ものすごい彼のファンだったので欲しかったと…。

「己が歌ってるんだからもらえばいいじゃん!」なんですが、
あまりに参加ミュージシャンが多いので気の毒だし、はっきりいって安い!!
1枚たったの1200円です。しかも15曲くらい入ってるのに(笑)
その上、もともとほとんどがデジタル録音されてるものなので
インディーズと言えども音質はちゃんとしてるの。
で、謙虚な私はちゃんと自腹切りました。

しかしデジタルっちゅうのはすごいですね。
テープの時とは比べ物にならないくらい綺麗な音です。
テープに落とすとあれだけ音が劣化するということがよくわかりました。

それにしても、CDを作るにあたって、できるだけいっぱいいっぱいに
収録しようというサービス精神からか「カラオケ」なんてのも入ってるわけです。
で、1曲私が作詞した曲がカラオケで入ってて、もちろん歌詞カードも
入ってるわけですが、やっぱりあれを買って歌ってる人はいるんでしょうね。
自分の歌よりも、自分の歌詞を誰かが覚えて歌ってくれてるというコトに
ものすごくなんだか感動します。

テープで発売してた当初はなんかムリからに置いてもらってるっぽい
気がしてあんまり実感なかったですが、こうしてCDとして
しかもインディーズ系の通販ショップでネット販売してるってとこが
なんとなくインディーズデビュー気分にさせるじゃないですか。

ま、興味を示された方はご一報下さい。
販売してるサイトお教えします。(いないと思うけど)
でも私が言うのもなんだけどものすごい面白いCDです。


安藤みかげ