空色の明日
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2000年11月30日(木) 大人になったら

昨日「キッド」という映画を見に行きました。
ブルースウィルス扮する40歳のいけ好かない独身男。
性格はいじわるでお金持ちなのにいつもイライラして誰が
見ても『イヤなヤツ』。
そんな彼の前にある日8歳の自分が現れて言います。
『パイロットじゃないの?犬は飼ってないの?素敵な
奥さんはいないの?そんなの最低!こんな大人になるなんて』
この子役がまた小デブちゃんでめちゃくちゃかわいいのです。

ま、それはいいとしてこの映画を見て考えました。
もし今私の前に8歳の自分が現れたらなんというだろう。

8歳といえば小学生。
その頃の私は体が弱くて頭は嫌味にいい子だった。
近所にかの有名な進学校である灘中があるので、公立小学校
なのに中学受験する子もすごく多かった。
べつに受験するでもないのに勉強できる私はそういう
受験組の子に密かにライバル視されていたらしい。

一番近所に住む同級生の女の子はクラスでも中心的人物で、
ある日、親に「どうしてあんたはみかげちゃんみたいに
いい点がとれないの」と叱られた為に私へのいじめを開始した。
彼女がいじめれば他の子もいじめる。
この時の私は「子供ってバカだからほんとイヤんなっちゃう」
とやけに冷静だった。
もともと家で本を読んだりするような遊び方をしていたので
1人でいることは全然苦痛じゃなかった。
偶然に親の都合で引っ越す事になりこの状況からうまく
脱出できる事になったけど、このことがやっぱり後々、この
一匹狼な性格を生む大きな要因となったことは確かだと思う。

そんな子供だったから自分が大人になりたいというより
早く周りが大人になって欲しかった。
当時から日記をよく書いていた私は先生との日記での対話が
とても楽しかったので、自分が子供なのにもかかわらず
「周りはガキばっかりでつまんない」と思ってた。
だって子供は道理の通らないことを平気でごり押しする。
それが大嫌いだった。
そりゃ、そんな子供いじめられても仕方ないね(笑)
子供らしくない子供だったんだと思う。

大人になってとても暮らしやすい。
間違っても子供の頃になんて絶対戻りたくない。
言い方は悪いけど学校があがっていく度だんだん振るいに
かけられて少しづつだけど似通った人達が集まってくる。
だからごちゃまぜの小中学校が一番最悪だった。
だから高校にあがり短大に行き就職してどんどん状況は
よくなっていった。
今はいい友達といい家族といい環境で快適。
8歳の私にもし会ったら
「大人最高!せいぜい今のうちから自分を磨いて
大人になれる日に備えなさい。」といってやりたい。


2000年11月29日(水) マナーの基本

正座を10分も出来ない私がマナーを語るのもおかしな話。
お茶を習った事もないし親も全然厳しくなかった。
そんな私がエグゼクティブに対応する秘書をしていたなんて。

私のマナーの先生はすべてテレビ。
喋り方の先生はNHKのニュースキャスター。
テーブルマナーの先生は、小学生の頃欠かさず見ていた
『料理天国』(フランス料理を日本に広めた画期的な番組)の
竜虎さん(試食してた人)。
振舞い方の先生はいろんなドラマ(これはあまりあてにならない)。

なんとかなるもんだ。
面接だけで私を秘書配属にしたくらいだからね。
辞令を貰った時、耳を疑いました。

でもやってみれば出来るものです。
なりきればいいのです。
ある意味、女優です。

さて、昨日の夜「平成日本の夜明け」というTV番組で
元皇室料理人のだった人がゲストで出ていました。
やること、喋ることにひとつの無駄もありませんでした。
洗練されるということはそういうことです。
エグゼクティブは無駄がない。
言葉やしぐさの無駄は相手の気持ちや時間を無駄にする。
これこそ最大の失礼。
マナーの基本は全て相手を思いやる気持ちです。
相手を不快にさせないように美しく優しく行動する、これが
マナーなのです。

ジャケットやネクタイがないと入れてくれない店がある。
これって私もあまり納得してません。
別にどんな格好で行っても他のお客に迷惑をかけないような
振る舞いができればいいじゃないかと思います。
でもある日そのわけがちょっとだけわかりました。

その日、私と友達があるフレンチの店でランチをした時の事。
お客は私達の他に一組。
4人で明かに激しく酔っ払って騒いでいる。
その時、私はまずその客を恨んだ。
その次に何を恨んだかというと今日その店をセレクト
してしまった自分を恨んだのです。
「ああ、せっかく友達と久しぶりの食事なのになんて店を
選んでしまったのか」と。
友達に対して申し訳ないと思った。

つまりそれがお店が客を選ぶ理由なのです。
「この店なら大丈夫」と思って人を連れて来る客に
恥をかかせない為なのです。
(まあ、私が行ったのはカジュアルフレンチの店なので
そんな事を期待もしてなかったがそれでもランチタイムに
こんな目に遭うとは予想もしなかった。)

外見で人を判断するのもどうかと思うけれど、
言いたいことはたぶんそういう事だと思います。
「店の言いたいことに同意していただけるならネクタイを
してきてくれませんか?」というようなことだと。
紳氏淑女はいくら客と言えども今からすばらしい食事を
自分たちに提供してくれる人の希望する事は、聞き入れる
だけの広い心があるのだと思います。
だからそれの出来ない客を断る権利は店にあるのです。
本当は入り口に「紳氏淑女以外はお断り」と書きたいのでしょうね。


2000年11月27日(月) 痴漢撃退

高校からずっと電車で通勤通学していたので
やっぱり遭遇したことあります、痴漢。

はじめて遭遇した時はやっぱり怖くて気持ち悪くて
とにかく急いで車両を変えたりしたけど、その後
ムカムカと腹が立って「次はかならず仕返ししてやる」と
いろいろ作戦を練ったものです。

学生の時は電車も空いていたので遭遇しませんでしたが
会社に入ってから2回目に遭遇しました。
でもその日の私は強かった。
なぜなら私の乗っているその電車は私の勤めている会社の
電車だったのだから。

電車の痴漢は現行犯でないと逮捕できない。
いくら社員といえどもその権利はないのです。
だから、「痴漢つかまえました」と連れてこられても
とりあえず説教してそばにあった新聞でも女の人に握らせて
「これで、好きなだけどついてみたら?(女の人へ)
いいよね!(痴漢へ)」と言うぐらいしかできないのです。

わざわざ大勢いる女性の乗客の中からよりによって
社員の私を選んだ痴漢もマヌケである。
せいぜいこの大勢の中で恥をかいてもらいましょうと
まだまだ次の駅まである地点で「今だ!」と私のお尻に触っている
その手をグッとつかんで高々とチャンピオンポーズよろしく
掲げ大きな声で言いました。
「お客様!車内での迷惑行為はおやめください!!」

そのあとその痴漢は10分間満員のその密室で突き刺さる
周りの冷たい視線に殺されそうになりながら小さくなり
そして駅につくなりあわてて逃げる様に降りていきました。

それから2回ほど他社線でもこのチャンピオンポーズか
もしくは手を思いっきりつねるという作戦で撃退してきました。
(本当はカッターででも切りつけてやりたい気分ですが
服を血で汚されてもいやですし)

声を出すのはものすごく勇気がいります。
とりあえずこのチャンピオンポーズをすれば無言でも
みんなどう言う事かわかりますから、今度チャンスがあったら
是非トライしてください。


2000年11月26日(日) オヤジぃ

昨日の夜、山瀬まみの出てるニュース番組を見てたら
オヤジ評をやっていた。
覆面妻が自分の夫のオヤジ加減をぺちゃくちゃ喋っている。
やれ臭いだの汚いだの・・・。

ああいうのを見る度なさけなくなる。
オヤジがではない。妻たちが。

お父さんが絶対的存在でなくなってしまったのは
果たして本人達のせいだけなんだろうか。
働いてる姿を見てないからというけどそれで得た成果である
お給料は見てるじゃないの。
しかも握ってるじゃないの、妻たちが。

私の父は別に出来た人でも何でもなかったと思う。
デブでもハゲでもなかったけどガニ股だし、お風呂はカラスの
行水だし、チビだし・・・。
だけどバカにしなかったな。
なぜなら、それは母がいつも父を尊敬していたから。
上手に上手に「お父さん」をたてていた。
何か買ってもらって嬉しい時「お父さんに見せてきたら」と
母が言う。
嬉しそうに「お父さん、これ買ってもらった」と見せると
父もそれなりに嬉しい。
本当は「お父さん、これ買わせてもらいました。ありがとう」と
言えば最も優秀なんだろうが。

私が子供の時からそんなふうに母はいつも父を家の一番上に
押し上げていた。
彼女の父(私の祖父)は奔放な人で家を出て行ってしまった。
でも彼女はその分、夫を大切にしようと思ったらしい。

子供達が親を抜いてしまう時期がきて親が少しだけ子供に
頼ったりする様になってもやっぱり父はこそばゆそうにしながら
家の長に君臨させられている。

話は戻りますが、妻がバカにしたら誰がお父さんを尊敬するでしょう。
毎日働いてちゃんとお給料を家に持って帰ってくる、それ以上
何を望むのでしょう。
汚いとか臭いとか、そんな人を選んだ自分はどうだというのか。
ああやって公共の電波で自分の夫をけなしている人を見ると
「私はこんなにとんでもない人を選んだバカな女なの」と
言いふらしている様にしかみえないのです。


2000年11月12日(日) 万歳!歌謡曲

「好きな音楽ジャンル」を書く欄に、私はいつも「歌謡曲」と書く。
子供の頃からクラシック、テクノ、ニューウェイブ、パンク、ブルース、等々
かなりいろんなジャンルを聴いているけれど私の音楽のルーツは
ピンクレディーなのだ!

当時のピンクレディーは当時最高の作詞家、作曲家、振り付け師によって
作りあげられていた。
今聴いても曲の中に「捨てる部分」や「聞き流す部分」が一切ない。
1食3万円の豪華フルコースみたいな出来だ。

歌謡曲というのはミュージシャン中心でなく売れる事中心に作られる。
つまりバンドなんかだと自分で作って自分で演奏するようなところに
重点を置かれるので弱点もそのままひきずっていく事が多い。
それが歌謡曲はプロデューサーも曲を作る人も演奏する人も全部、その時々に寄せ集めるので毎回「旬」を売れる。
そう言う意味ではそのアーティストのベストを常に見聞きできるわけです。

「誰々だから」って名前でCDを買うよりは「この曲が好きだから」と
買うほうなので常においしいものが欲しい。
そんな私は歌謡曲が一番おもしろい。

私が小泉今日子さんを好きなのは、ジャンルを決めずにその時一番彼女が
カッコイイと思ってるものをやっているから。
小泉さんと同じようなグルーブでいれば毎回タイムリーなサウンドを聴かせてくれる。
あそこまでゲストミュージシャンに凝ったりプロデューサーを豪華にすると
もう歌謡曲と呼ぶのも申し訳ないぐらいだけど、私の中ではとても誉め言葉
のつもりなので勘弁してください。
でも、それが出来るのも彼女がアイドルだから。
キョンキョンが頼んできたら断れないよ、やっぱり。

私も音楽をやってた時は歌謡曲みたいなのをテーマにやってました。
(関西ローカル雑誌 「○ーツリージョナル」編集長に会った時に「どんな音楽やってるの?」と聞かれて「歌謡曲」と答えたら鼻であしらわれた事が今でも納得いかない。)
結局日本人が好きなのはああいうメロディーがしっかりしたものだと思う。
私のいっしょにやってた人は小泉さんのアルバムに曲が採用されたような人なので(実は私が昔、歌ってた曲だったりする)クオリティは高し。
「そんなこというなら聴かせろよ」という方は
http://www.geocities.co.jp/Broadway-Guitar/4843/sc.html
「アイシカタ〜」「嘘つき〜」の2曲は安藤の声入り。

歌謡曲と名付けると、いろんな曲調やジャンルを節操なくやっても文句を言われない。
やってる方も聴いてる方も飽きないと思う。
バイキング料理みたいに好きなものを好きなだけ楽しめるなんとも都合のいいジャンル名だよね、そう考えると。
これからだって歌謡曲を愛しつづけるよ。私は。


2000年11月01日(水) 素敵なお友達

ちょっとした旅をしてきました。
メールからお友達になった人に会う為に。
警戒心のとても強い私がこんなふうにして人に会うのもかなり珍しい事。
これもひらめきというかカンというか「会ってみたい」と思ってしまった。
こんなふうに文章の上ではおしゃべりな私だけど実はとっても人見知り。
というか、初対面の人とほんとうに喋れるようになるには3回以上会わないと
無理なのです。
友達に「あんたは人の目を見て話さない」と言われるくらいたぶん苦手。
今回会ったお友達ともやっぱり全然ちゃんとお話できなくて悔しい思いを今頃してる。
文を書く時は頭から手に繋がる回路がものすごく効率よく動くのに、頭から口への回路はかなりズタズタらしい。
なぜか話したい事が思い浮かばない。
結局相手にばかり話をさせてしまって、「悪いなあ」と思いながらもそれでも話題が浮かんでこない。
自分の一番嫌いなところをあげれば絶対こういうところだと思う。
まあ、後悔してもできないものはしょうがない。
また会える時はもうちょっと話せるようになってることでしょう。

さてお友達についてですが、私は女友達でどんな人が好きかというと「頭のいい人」。
それは学歴がいいとか勉強できるとかそういうんじゃなくてよく気がついて頭の回転がいいという意味。
だから私の数少ない親友と呼べる人はみんなそういう人です。

っで、今回お会いしたその人はその中でも際立って頭のいい人でした。
話していて(というか私からは全然話せてないんだけどさ)答えがありきたりの返事じゃなく全て彼女の頭を通って返ってくる事の心地よさにしばし酔いしれました。
なぜかしっかり者のレッテルを貼られた私は人と会うとリードする側に回されることが多いので本当に仲のいい人はそんな私をリードしてくれるくらい私よりもずっと頼れる人が多い。
そういう意味でも彼女は私の思っていた通りの人でした。
やっぱり会えてよかった。

旅は電車でゴトゴト2時間ほど。
行きも帰りも一人で現地集合だったけど、それもまたよし。
本を読んだり考えごとしたり。

さっき帰ってきたばかりなのでちょっと考えがまとまってなかった。
さて、今からちょっと発注しにお店へ。


安藤みかげ