株式会社JOYWOW
椰子の実日記【JOYWOW】
椰子の実日記 INDEXPASTwill

2004年01月31日(土)


買いたい心に火をつけろ!

新作翻訳『“買いたい心”に火をつけろ!』が版元に
届いた由。カバーの写真を見て、矢もたてもたまらず
なり、編集者に電話、渋谷で待ち合わせして、受け
取った。

 カバー、気に入った!




かわいいのが一番だ。みんなが一心に同じ方向に向って
いるのがいい。
待ち合わせした渋谷の街角で、編集者のI氏と固い
握手を交わす。
この瞬間が何ともいえない。幸せだー。

 

2004年01月30日(金)
要するに

帰りの東横線。ドアそばに立ち、本を読んでいると
サラリーマン上司と部下が乗ってきた。こういう時の
人間の習性で、二人並んで外に向って立つ。自然、
両君ぼくの背中にぴったりつく配属とあいなった。
上司40代後半、部下30代前半。

上司「だからさ、A君(実際にはここは実名である)は
   弱い、んだよね。人間としてね」
部下「っすよね」
上司「プロ野球でもさ、ポジション狙いって、命がけ
   じゃん。自分から積極的に行かなきゃ、だめだっての」
部下「です」
上司「A君みたいにやってたらさ、甘いっての」
部下「甘いあまい」
上司「おれもさ、隣に座ってさ、これでも気をつかって
   んですよ」
部下「わかります」
上司「だろ? わかるだろ? Aはさ、いくら面倒見が
   良くてもさ。それだけじゃさ、わかる?」

要約すると、
「わしはAが嫌い」
というだけのことなのである。男の嫉妬ややっかみや
何やかやが混じると、理屈になる。
本を読むどころではない酒臭い息が耳元にかかるので
場所を移動したが、きっと彼らはその意味もわからない
のだろうなあ。

 

2004年01月29日(木)
車のおへそカバー

いつの頃からだろうか。
車のおしりのナンバープレートそばにあるおへその
ような突起物に、ジュースのキャップをはめ込んで
いる人を見かけるようになった。
こんな感じだ。


これって、湘南だけの現象なのだろうか。
それとも、日本中でよく見かけることなのだろうか。
いわゆる「クチコミ」の異形版として、研究してみたい
が、研究アプローチの仕方がよくわからない。
ちなみに、画像はわが愛車にくっついているキャップである。
そう、ぼくもやってます(笑)。

 

2004年01月28日(水)
「ひま」がうらやましい

いつから国会が芸能レポーターのワイド番組になった
のだろうか。たかが一人の議員の学歴が右向いてようと
左向いてようと、関係ないじゃないか。
国会は国政を議論する場であり、経歴については
別のルールが用意されているはず、そちらで
やってくれたらいいのだ。
それほどひまなら、ぼくの仕事をちょっと手伝って
ほしいと思うよ。零細企業経営者には、そんな
ひまはないのだ。
おっ。そもそもわし、メンバーの学歴、知らないことに
気づいた。Jiro、君の学校どこだっけ?

 

2004年01月27日(火)
真ん中ゾーンは生き残れない

品川発12時17分のひかりがホームにすべりこんできた。
ガラガラである。
ぼくは同じホーム向かいの12時21分発のぞみに乗る。
のぞみが来た。
平日の午後のグリーン車。
満員電車である。
この満員ぶりは、年末の深夜、忘年会帰りの電車を
思わせる混雑ぶりだ。

ひかりがガラガラで、のぞみ、しかもグリーンが満席。

どういうことか。

帰りはどうかというと、同じくのぞみグリーンは
立錐の余地なく(立つことはないので当たり前だが(笑))、
満席だった。

「中途半端」は生き残れない、というぼくの仮説が立証されて
いるのだろうか。そう考えると「ひかり」よりむしろ「こだま」
のほうが使い道がありそうである。真ん中ゾーンは、ダメ
なのだ。

 

2004年01月26日(月)
地震だ!

深夜、地震で飛び起きた。
ベッドの上を見ると吊り下げられたランプが揺れている。
背中がぐらぐらしている。ヨコだ。カーテンさえ揺れている。
飛び起き、習慣で、すぐにテレビをつける。
「お色気イヤーン」番組をやっている。
あわててNHKにするが、なんだか難しい日本史の講義
をやっていて、ニュース速報のテロップさえ、ない。
気のせいか。
わけがわからぬまま、ベッドに戻った。

という夢を見た気がするが、あれは夢なのか、それ
とも実際に自分がやった行動なのか。
現在、認識論を研究している。それによると、人間が
見たり感じたりしているものは、「知覚記憶」であり、
脳の中にあるイメージを認識している。外界の「事実」
ではないのである。してみると、地震は、阪神・淡路大震災
の知覚記憶のなせるわざか。

 

2004年01月25日(日)
あらためて気づいた

スクーリング着想力コースが終了し、後片付けを
していた。
ピンポーンとなるのでだれかとモニタを見ると
見知らぬおじさんである。
興味があるので「はい」と返事するとNHK受信料
を払ってください。
「うち、テレビないんですけど」
「そうですか。ついたらおねがいします」
あっさり立ち去った。
ウソではない。学問所にはテレビがない。
自宅ではきちんとNHK受信料を納めている。
年間先払いという、優等生である。
おじさんのおかげで、学問所にテレビがないことに
あらためて、気づいた。
待てよ。一口に受信料というけど、いま、NHKの
料金体系もややこしくなっているよなあ。
おじさんに詳しく教えてもらっても良かった
かもしれない。

 

2004年01月24日(土)

「気」のパワー。
たしかにある。それは、人だけではなく、場所にも。
学問所の場所は強いパワーのある場所のようで、
講義が終わっても受講生がなかなか帰らない(笑)。
また、疲れないのである。年末、書下ろしを
一気呵成に書いたのだけど、全く疲れなかった。
おかげでいくらでも働くことができて便利なのだが、
困るのは、遊びに行くひまがなくなってしまった
ことだ。
梅も元気に咲いている。寒くてもへっちゃらだ。
かたや、どんな商売をやってもダメな場所、という
ところって、あるじゃないですか。
ああいう場所って、「気が弱い」ところなんで
しょうね。
「元気」「空気」「気持ち」「気が悪い」
なるほど、日本語には一杯、「気」関係の言葉
がある。

 

2004年01月23日(金)
詫びは要らない

JRが止まった。
止まったままである。
人身事故らしい。
こういう場合困るのは、いつ復旧するか情報がない
ことだ。車内放送で詫びてくれるが、それより必要
なのは情報だ。乗客の立場からいえば、電車がなぜ
止まっているのかという理由(この場合『事故らしい』
ということ)ではなく、「元に戻るまであとどのくらい
の時間が必要か」である。後で訂正してもいいから
まず、概算の時間見積が欲しい。

全体工程がこれだけ、そのうち現在ここまで済んだ、
あとこれくらいかかりそうだ。

でないと、次の行動を決められない。

動き始めた。まだ詫びている。
無意味である。「詫びている自分がいいことをしている」
と勘違いしているかもしれないので余計無意味だと思う。

 

2004年01月22日(木)
笑顔ウェア

横浜レンガ倉庫に気分のいいカフェがある。
渋谷に、ちょっと休憩するのに最適なカフェ
がある。いずれも、笑顔がないため全体を
壊している。
カフェのブランドは店舗などのハードウェア、
メニューや演出のソフトウェア、そして接客の
ヒューマンウェアの三つの要素で成り立っている。
そこにさらに、「笑顔ウェア」とでも名づけるべき
要素が必要だと気づいた。本来であればヒューマン
ウェアに含まれるものであるが、新たに別の項目
があるとしなければ、経営者はややもすると手抜き
する。
笑って仕事すれば自分も気持ちいいだろうに、
残念なことだ。

 

2004年01月21日(水)
大統領から学ぶプレゼンテーション

ブッシュ大統領の一般教書演説をライブで聞く。
同時通訳が気になるので、副音声にして、英語だけ
にする。
彼の政策を知りたいことは優先順位の二番目だ。
ぼくはブッシュ大統領の政策には断固反対する
立場だが、この際、それは横に置く。

一番の目的は、プレゼンテーションの研究である。
プレゼンテーションにもビジネスでいうところの
「成功のトライポッド」が摘要され、コンテンツ、
デリバリー、コンテキストの三本柱で成り立つ。
ブッシュ大統領にとっては、再選をにらんだ重要な
演説だ。おそらく、考えうる最高の頭脳を集めて
練りにねったものに違いない。だから学ぶ価値がある。
コンテンツ:項目と、その順番。選ぶ言葉。

デリバリー:パワーポイントなどのスライドを使わず、
言葉だけで伝えなければならないことだ。耳だけで知
る人も多いからである(ラジオや目の不自由な人)。

コンテキスト:演出。大統領の目の動き、しぐさ。

ヒラリー・クリントンも聴衆にいたが、つまらなそうに
していたのが印象的だった(笑)。

 

2004年01月20日(火)

原書で読みたい! スタンダードビジネスブック『ビジネスを知るための洋書』ページ
トップバッターとして登場しています。是非読んでみて
ください(上の色文字をクリックすると飛びます)。
仕事というものは不思議なもので、不思議なご縁が
この記事になった。「縁」というものを大切にしたい
ものだ。戦略思考とか、戦術実行より先に、「縁を
大切にするこころ」が重要だと思う。これは独立業者
に限らない。ビジネスパースンにも限らない。

 

2004年01月19日(月)
まことに残念ですが・・・

まことに残念ですが、アメリカの読者は中国のこと
など一切興味がありません。

これは、パール・バックが『大地』の原稿を持ち込んだ
ときに出版社から言われた断りである。
徳間文庫『まことに残念ですが・・・ 不朽の名作への
「不採用通知」160選』は傑作だ。
これを読むとシャーロック・ホームズ第一作も、
ウェルズ『宇宙戦争』も、ハーディ『テス』も、メルヴィル
『白鯨』も、そのほか、え? あれも? という名作たち、
最初は突き返されている。しかし、作家の立場から言うなら
名作であればあるほど、突き返される率は高いというのは
頷けるのである。理由は、版元と編集者のマインドセット
にある。
ここから先を書くと、今後自分に原稿依頼が来なくなる
といかんので(笑)、割愛します。ごめんね。

 

2004年01月18日(日)
自分で直す!!

学問所のガスが出なくなった。
蛇口の右に回すと水が、左はお湯、という仕組み
なのだが、左にしても何も出ない。水しか出ない、
というのではなく、何も出ないのである。
ニューヨークじゃあるまいし、お湯が出ない
なんて、あるか。
給湯器を使うのは台所と洗面台とお風呂なので、
諸兄に聞いてみる。洗面台嬢も風呂君も出ません、
という。なら故障ではないか。給湯器メーカーに
電話する。どうみてもわかってない雰囲気の
女性が出てきて、「凍結じゃないですかあ?」
という。なるほど。たしかに雪が降っている。
都内でも凍結するんだ。そう納得して電話を
切った。
・・・しかし。
どう考えても違う気がする。21世紀の東京都内
で凍結?
そこで、今度は東京ガスに電話した。
すると。
「失礼ですが、料金支払っておられますかあ?」
とひとを泥棒扱いした上に、
「機器が悪いと思います。見てみますが有料に
なります」という。
有料もくそも、ガスの開栓をしたのは日記読者
諸賢もご存知の通りつい2日前である。
その心意気が気に入らぬ。
なんだか気に入らないので、「じゃ、結構です」
「え? 行かなくていいんですか?」
「いいです」
こうなったら人に頼むもんか。自分で直す。
そう決心した。
すると、お湯が出るようになった。よくわからん。

 

2004年01月17日(土)
とんち話ではありません

「明日の午前中は都合が悪いので、午後お願いします」
「わかりました」
「午後何時ごろ、という指定をしたいのですが」
「さあ、それはわかりかねます」
「そうですか。わかりました」
さて、当日、夜10時まで待ったが来ない。
「こなかったんですけど」
「調べますので折り返し」
「折り返しはどれくらい時間かかりますか」
「さあ・・・10分か20分くらいでしょうか。
ご連絡先をおうかがいしてよろしいでしょうか」
「携帯番号は**です」
しばらくして携帯が鳴った。
「さきほどご自宅にお電話したのですが留守電に
入れておいたんですが、ご指定の通り、今日の
午前中にお届けするよう、宅配便さんに依頼
しています」

頭の体操ではない。これが現代日本のビジネス力
のありのままなのである。原因ははっきりしている。
仕事の要素還元主義、担当制の弊害、アウトソーシング
の問題、などだ。いずれSurfin'で論じよう。

 

2004年01月16日(金)
スカッ!

久しぶりにスカッ、とする話をきいた。
楽天の三木谷浩史社長がヴィッセル神戸を買った。
「株主に迷惑をかけてはいけないので、個人で
経営する」由。
夢があるじゃないですか。個人でJリーグ・チーム
を所有する。ちまちまちまちま、高い安い儲かった
損した、という話の多い中で、個人でクラブを所有。
気持ちいいです。夢がある。

 

2004年01月15日(木)
「けけけけけけけけけけけけけ」

半蔵門線渋谷駅ホーム、行き先掲示板を確認していた
ら右目の端で異様な動きをしている人がいる。
今到着した向かいホームの電車から降りたばかりなの
だろうか。うつむいて、左足に犬か何かがじゃれついて
いるのを懸命にはがそうとするような動きである。
必死だ。死に物狂いで、見えない「まとわりつき」を
追い払おうとする。鬼気迫るものがあった。
およそ一分ほどそうしていたあと、さっと何もなかった
ように歩いて行く。背筋を悪寒が走った。

その後、乗換えで東西線九段下駅ホームにいたら、並ん
でいる前の男がいきなり「けけけけけけけけけけけけけ」
と笑い始めた。

同じ一日に二人も出会うとは、それだけ
そういう人が増えた、ということなのか。
それとも、ぼくが呼び寄せるのか。

 

2004年01月14日(水)
文明とは、都市化である

五十嵐 一『摩擦に立つ文明』(1989)の指摘でハッと
した。
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文明を指す英語のcivilizationにせよアラビア語の
madinatunにせよ,語源は都市化であり,横浜村を
開港場にするように荒野を開いて道を造成し,橋を
架ける作業は大地の耕作(カルチュア)行為に他な
らない.
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そうなのだ。文明とは、都市化なのだ。
漱石の猫も言っていた。山が気に入らぬといっては
トンネルを掘るのが文明なのである。
『山椒魚戦争』でも、進化した山椒魚が文明の階段
を上がった結果、どうなったか。
このテーマも、面白い。しばらく、寝かせておく
ことにしよう。

 

2004年01月13日(火)
ガスがないとお湯はわきません

学問所の台所で洗い物をしていて、お湯が出ない。
おかしいなあ、スイッチ入れてるのになあ、と
説明書を読むと、室外機の開栓をしろ、というので
みてみた。エアコンの室外機も隣にあるので、冷たい
風がびゅーびゅー身体にじかに当たる。寒い。
開栓されている。電気プラグも入っている。
おかしい。故障か。これは絶対おかしい。
電気は来ているのに、お湯が出ない。

器具メーカーの24時間サービスセンターに電話した。
いろいろ話しているうち、相手の人が、聞いた。
「ガスの開栓してもらっていますか?」

あ。

ぼくはすべてが電気だとばかり思っていた。
思い込みというのは怖い。ガスを使い始めるには、
東京ガスに、栓を開けてもらわなければならないのだ。

うーむ。

 

2004年01月12日(月)
智に働けば

日本語について、考えている。

現在、翻訳の校正の最終仕上げにかかっている。
翻訳に限らず、著作はすべて校正者と編集者の
朱が加わる。著作の著者の欄には、ぼくの名前が
掲載されるが、実際は三者のプロジェクトの結果
なのである。そしてこれは世に出ている本すべてが
そうだ。翻訳とはいえ、日本語の責任はぼくにある
ので、著者と同じである。

ぼくがこだわって使う言葉や言い回しがある。
たとえば、「いただく」はひらがなの「いただく」
でもなく、「頂く」でもなく、「戴く」。
「いやな」は「嫌な」ではなく「厭な」。
「ちえ」は、文脈によって「智慧」であったり
「知恵」であったり使い分ける。

しかしぼくが書いているのはビジネス書である。
社会通念や国語の潮の流れ、そしてビジネス書の
読者を勘案して、校正者や編集者はある一定の
きまりのもとに、修正する。
版元各社それぞれで違う社内規定も朱筆を加う。

文学書の場合は、著者の裁量が最大なのだろうが、
ビジネス書の場合、著者はあまり強くない。ついでに
印税も安い(笑)。
こうして、「こだわった言葉」や「言葉への意志」
が消えていくのかもしれない。著者として、どこまで
「我」を通すか。微妙なバランスの上に、いま、ぼくは
立っている。

 

2004年01月11日(日)
そおげんのてばさき〜

ある曲がアタマについて離れない、ということがある。
いまのぼくが、それだ。
中島みゆきの「プロジェクトX」のメロディで、次の
歌詞がアタマの中をぐるぐる回って仕方がないのだ。

草原の手羽先
すなずりのビーナス

弱った。

 

2004年01月10日(土)
梅は咲いたか

学問所の庭の梅が咲いた。

書庫の窓からふと見て、咲いているのに気づいた。
打ち合わせに来てくださったI氏に、早速お披露目
した。

今日から塾再開である。今期は12期になる。
ブランドコースの受講生の皆さんにも、まずは梅を
楽しんで戴こう。

それにしても、梅の木が植わっているとは知らず、
嬉しいことだ。

 

2004年01月09日(金)
ひからびている

東京都交響楽団に職能制が導入されるらしい。
愚かなことだ。
いやなら、交響楽団など、持たなきゃいいのである。
新聞で知ったのだが、目を疑ったのは都の担当課長の
次の言葉だ。
「オケの『色』とか何とか、専門的なことを言われても
よく分からない。我々のように、演奏会に足を運ばない
素人にもわかる指標をつくる義務が、都響にはある」

「演奏会に足を運ばない」ような、ひからびた感受性の
おやじが担当しているのである。きっと音楽の人生や
生活における意味など、知らないのだ。

この話、かなり大きいテーマなので、別途Surfin'で
論じる。

 

2004年01月08日(木)
寒い!!

今日の夕方、すっごく寒かったと思いませんか?
渋谷を歩いていたのだけど、風が強いせいもあって、
耳たぶがちぎれそうだった。思わず、
「さむーーー!!」と叫びながら歩いていた。
叫ぶと、何か、気持ちが納得するものだね。
初めて歩いて行くところで、地理が不案内、時刻
は薄暮、しかも寒い。条件は悪かったが、迎えて
くれた店は暖かく、嬉しかった。
コルトレーンがいつもの音で、「いらっしゃい」
と笑ってくれた。

 

2004年01月07日(水)
売る人と買う人のズレ

杉山とく子さんという女優がいらっしゃる。
『渡る世間』にも登場しているので、顔をみたら、
ああ、あの人か、とわかると思う。
杉山さんの自宅は老人ホームだ。
えのきどいちろうさんの優れたインタビューで
杉山さんの生き方を知ることのできる本(『老いる
とはどういうことですか』(雲母書房)を読みながら
これからは生産者=企業と顧客とのミスマッチが
ますます増えていくのだろうなあ、と思う。
日本が若かった頃は、生産者は即ち顧客でもあった。
売る人は立場変えれば買う人でもあったのだ。
しかし、老人が人口の二割を超えた現在、そして
団塊の世代が一気に老齢にさしかかる近い未来、
売る側と買う側のミスマッチは開く一方ではないのか。
その時、マーケティングはどんな顔をしているべきか。
『Ageless Marketing』という本がアメリカで評判に
なっているときく。読んでみよう。

 

2004年01月06日(火)
蛇口を求めている

正月2日午前3時から渋谷109前に少女たちが並んでいる。
福袋が目当てである。整理券発行が朝9時だったのが、
109側のはからいで5時に繰り上がった。
さらに、開店11時が9時に。
押し寄せる2万人の少女たち。中には中学生もいる。
同日日本橋。三越前には、徹夜組が行列をなしている。
こちらは店のターゲットと同じ、主婦たちである。
行列開始時刻は毎年繰り上がっていて、
2003年は3時、02年は4時、01年は5時という。
この分だと来年は前日の正午くらいから並んでいる
ことになる。前日の正午というのは、元旦の正午を
指す。
また、大晦日の渋谷は少年少女が暴れてかなわん
かったらしい。

以上の現象すべて、「蛇口を求めている」の一言で
解明できないだろうか。皆、エネルギーの蛇口を
開けたがっているのである。

 

2004年01月05日(月)
いざ、勝負、ア、しょうぶーー(歌舞伎調で)

運動を復活して武闘派として何をするかというと、
文字通り闘うのである。だれと? 

1.ぼくの大切な著作をネット書店のレーティングで
星を少なくし、けなした匿名の卑怯な輩をつかまえる。
ほめるならよいが、けなすのはけしからん。
八百屋の店先で、「奥さん、ここのトマトは、まずい
よ」と言おうものならおやじに殴られるのを覚悟だろう。
ネットの匿名というのは、そういう、「自分が殴られる
かもしれない」リスクを負わずして、小便だけかけて
逃げる卑怯な行動だ。

2.そして、つかまえた匿名に「ほめろ」と言う。
3.ほめるなら、勘弁してやる。
4.ほめない、けなす、とまだ言ったら、そこで勝負である。
5.殴らない。相撲を取る。相撲で勝負して、ぼくが負けたら
けなしてよし。ぼくが勝ったら、星五つにして、ほめさせる。

書いたらスッキリした。実行しなくてもいいや、という心持ち
になった。

しかし、今年も何冊か上梓する。新刊は来月から目白押しで
ある。相撲で勝つ自信のあるひとだけ、けなしてよし。

でなければ、ほめて。

 

2004年01月04日(日)
98年から増えている

犯罪件数が年間250万件という。交通事故死が8,000人
を割り、57年以来46年ぶりに減っているというのに、
250万件とは異常である(朝日新聞による)。
グラフを見ると、98年からぐぐぐ、と伸びている。
これをみて、ある仮説を立てたのだが、検証する
には膨大な調査が必要だ。
よって、ただの仮説として、頭の中に残しておく
ことにする。
自殺者も98年を境に、97年の24,391人から一気に
32,863人と8,472人増えている(警視庁発表による)。
ここでも98年が分岐点になっている。
ぼくの持っている仮説を後押しする。
それにしても、ミサイル一つ飛んでこない、
自爆テロもないこの日本で、自ら命を絶つ人が
32,143人(2002年)というのはどういうことか。
五木寛之氏の言葉を借り、「心の内戦」
が日本では既に起こっている、と理解するべき
なのか。数字の重みに、ただ呆然とするのみだ。

 

2004年01月03日(土)
若大将シリーズ万歳

ケーブルテレビ「日本映画専門チャンネル」で
元旦から若大将シリーズをやっている。これは
だれが何と言おうと、観るのだ。1961年、62年
頃の東京が映し出される。原宿や麻布、とんでも
なく田舎である。昨日は「銀座の若大将」で、
銀座が映った。これまた田舎だった。「銀座
カンカン娘」の唄の舞台は、こんな街だったのだ。

乱暴な食欲、天真爛漫なケンカ、親子関係、
おばあちゃんの言うことを素直に聞く・・・
郷愁にひたるのである。あれから43年かけて、
これらを日本は破壊しつづけてきた。

ともかく、明日まで、若大将シリーズは放映
される。待ってました! 若大将!

 

2004年01月02日(金)
笑門来福

今年のPalmtreeの企業戦略は

笑門来福

にしよう。

昨年は「笑って暮らす」という私生活の目標というか
指針を立てていたが、これをビジネスの方面にも拡げ
ようと。

そして、戦略というからゴールのニュアンスがあるが、
出発点としたい。すべて、笑門来福から始める。
これが本来の姿ではないかなあ。
もちろん、数値的目標など、作らない。作って達成できる
のなら作るが、先なんてものは、わからんのだ。

 

2004年01月01日(木)
ナンバー・フォーム

こどもの頃からぼくの頭の中に一つの循環円のイメージ
がある。円の最下部が1月1日で真っ白。それから徐々に
色がついてくる。3月4月の春は円の右下あたりで緑、
5月6月は右。7月8月は円の真上(1月2月とは正反対)、
それから秋が深まるにつれ色がだんだん濃くなり、12月に
入ると黒ぐろする。大晦日は真っ黒だ。
一夜明け、元旦になると真っ白。

年齢もそうで、加齢が一本の階段をのぼるイメージだ。
数字そのものにも、色がついている。

これを、心理学上の用語でいうと「ナンバー・フォーム」
というらしい。大学一年の教養の心理学講義でレポート
したら、教授が「ナンバー・フォームのケースだ!」と
妙に興奮して、研究室に呼ばれた覚えがある。いい点数
をくれるのかと期待したがそういうことはなかった。

それでいくと今日元旦は真っ白である。
今年一年、楽しい年になりますように。

*新年のご挨拶は控えさせていただきます。

 

Kei Sakamoto |株式会社JOYWOW