秋 - 2003年09月30日(火) 秋が好きで 秋が嫌いだ なんだかやけに 綺麗じゃないか なんだかやけに 悲しいじゃないか どちらにしても 帰れないような 遠くへ 行っちまいそうだよ そんな風に 思ってしまったら もう 秋は嫌になってしまって もっと嫌いな 冬を待ち焦がれる 「早く雪でも降ってしまえ!」 けれど やがて 行っちまうだろうよ 結局は 好きで 行っちまうだろうよ - 玉ねぎ - 2003年09月21日(日) 人は玉ねぎだとその人は言ったさ。 それなら、その中心には一体、 何があるって言うんだろう。 皮をむくのさ。 てかてか光るその体をさらすのさ。 すぐに乾いていきそうだ。 傷もつくだろう。 すり減ったような気持ちにもなるだろう。 それでも人は玉ねぎ。 中心に向かうのさ。 人の心の中にもう一つの宇宙が あるという。 大宇宙、小宇宙、そして玉ねぎ。 その中心がどうなっているのか、 その中心から全体を表す一つ形の パワーが溢れてくるのさ。 ところが君、一体どんな風にして 玉ねぎは、宇宙は、生まれたのか。 きっとその中心には、秘密があるんだ。 まさか玉ねぎが宇宙の秘密を隠しているとは、 物理学者は思うまい。 けれど、案外世の中の料理人は当然のように 知っているかもしれないね。 スッと包丁を入れれば、ポイッってなもんさ。 それはそれとして、俺は俺の皮をむくのさ。 目に沁みる液を飛ばしながら、 乾きながらもてかてかと光ってやるのさ。 料理人には敵わなくとも。 -
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