そよ日暮らし の そよふぉとノート もくじだよ|きのうへ|あしたへ
![]() 034:背中 逆光が押し寄せて来てもうなにも物語らないあなたの背中 035:禁 禁漁の湖水に放つサクラマス 正義感とは似て非なるもの 036:探偵 探偵に尾行されてることにしてプロムナードをひらひらと行く 037:汗 汗かきのつららが告げるここからは春ここからはとめどなく春 038:横浜 思ひ出はためつすがめつ高められ五百六十三の横浜 039:紫 うらおもて夜のしじまをつかさどる感度の高いうすい紫 040:おとうと この冬のたぶんさいごのユキダルマあしたおとうとつくってあげる 以上、斉藤そよ作。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 過去ログ【30】より。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ [5970] 058:剣 謎彦 2005年03月12日 (土) 00時29分 白刃にいどみかからむ心地して剣橋(ケムブリジ)とぞ訳しいだせる http://vita.ciao.jp/hiyaku/article/kanji.html 一読しても、わたしには意味のつかめないものではありましたが、 このリズム感に捉えられてしまったのでした。 「・・・ケムブリジとぞ訳しいだせる(!)」 小気味よいです。 クセになります。 そして。既に完走されている謎彦さんの100首をみると、 どの歌もすべて、一首ごとに関係サイトへのリンクが成されているのでした。 とても親切な試みなのです。楽しませていただきました。 100首全てを読ませていただき、 特別にいちばん好きだったものは、こちらでした。↓ [4839] 026:蜘蛛 謎彦 2005年03月09日 (水) 00時15分 もう二度とあへぬふたりの右の手にはりつく蜘蛛の糸のきれはし http://www.commakagi.ne.jp/tosyokan/kannsou-hiroe.htm ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ [5917] 032:乾電池 鈴木貴彰 2005年03月11日 (金) 22時23分 乾電池を握りしめてた 駆けぬけた夏のひかりが消えないように [5918] 033:魚 鈴木貴彰 2005年03月11日 (金) 22時23分 ワタルからは来ない賀状をしたためる そら飛ぶ魚の噂を添えて とてもきれいな、そして淋しい二首でした。 十首ごと、タイトルを持つ連作として詠まれたものということでしたが、 わたしには、こんなふうなひとつひとつの一行の 三十一文字の物語だけで充分でした。 (充分でした)という言い方が失礼にならないと良いのですが・・・ 「ワタルからは来ない賀状・・・」と読むだけで、 なんとなく、来ない理由がわかったような気になったので。 というわけで、とても好きな二首なのでした。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ [5878] 005:サラダ 飛永京 2005年03月11日 (金) 21時02分 睡蓮を風邪ひきさんの枕辺に 切り子のサラダボウルに浮かべ なんども、繰り返して読んでみて、 読むたびにそのお部屋のイメージが細かなところまでみえてきました。 とてもとても好きでした。 重い病ではなくて、「風邪ひきさん」な軽い感じが嬉しくて。 次に誰かが風邪ひきさんになるまでに 睡蓮と、切り子のサラダボールを用意したいと思うのでした。 * 飛永さんのお歌、他のログからも検索させていただきました。 今すぐに真似して詠んでみたくなるような、楽しいお歌にも出逢えました。 とても好きです。↓ [9779] 021:うたた寝 飛永京 2005年03月27日 (日) 20時46分 くれぐれもご注意召されうたた寝の猫柳には気づかれぬよう * そして。飛永京さんと言へば・・・ 昨年の[題詠マラソン2004]での出走歌が忘れられません。 少しだけ空をすくって飲んでみる百の嘘つくことの始めに (飛永京さん) はじめてのマラソン出走を前に、どきどきしていたわたしにとって とてもとてもインパクトのつよい一首でした。 昨年、走りながらも、わたしのなかにずーっと在りつづけたお歌でした。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ [5853] 020:楽 今泉洋子 2005年03月11日 (金) 19時09分 わたくしは何の獣(けだもの)春の夜に鳥獣戯画をひとり楽しむ [5807] 006:時(再投稿) 吉田貴美子 2005年03月11日 (金) 17時24分 未来から遡り来るわたくしとすれ違うらん逢魔が時は とても気になる二首でした。 ながれるような美しい旋律に惹かれます。 そしてなにより、作者さんが過ごされているそんな時間の 濃度なんかが気になるのです。 だいすきでした。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ [5847] 028:母 あきひろ 2005年03月11日 (金) 18時12分 遺影見て母の言葉が胸をつく正直にして元気であれよ なんとなくつぶやいたものがたまたま短歌のリズムになっていました・・・ というような、こんなお歌は、やはりとても好きです。 (自作をつくるときには、いつもひじょぅに迷う部分なのですが。) 「正直にして元気であれよ」 日本語って温かなものですねぇ。ほんとぅに。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ではまた。ねます。おやすみなさぃ。
![]() 028:母 海神と母アザラシにえらばれてゆりかごとなる流氷がある 029:ならずもの ポケットのなかの仔石はならずもの磨いてはだめ だめよどなたも 030:橋 夜をこめて橋を渡れば氷河期につながつていたものに繋がる 031:盗 雪水のうはずみ盗みたはむれにそつと含んで閉ぢるくちびる 032:乾電池 電動の感受性たれ乾電池ぬけばなんにも感じなくなる 033:魚 わたくしのなかにも一尾回遊魚 いつか いつしか 海に あるいは 以上、斉藤そよ作。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 以下は、題詠マラソン2005会場より、お借りしてきた短歌です。 今回は、すでに完走されている村本希理子さんの特集(?)です。 村本希理子さんは、昨年に引き続き、今回のマラソンでも、 全ての投稿歌に目を通されていて(たぶん)、 そして毎日、いくつもの歌に感想をつけてくださっています。 昨年わたしは、右も左もわからないままに参加させていただき、 それでも楽しく完走することができたのは、 村本さんはじめ何名かの方が、拙作に感想をつけてくださったおかげでした。 とても感謝しているのです。(たぶんきっとほかの多くのみなさんも) なので、特集なのです。 看板↓もつくりました(^^ゞ ![]() 迷鳥のやうにあやふい頼りなさ とりあへず引くラインマーカー 村本希理子さん作(041:迷)/photo by soyo 001:声 声域の広がらなかつた夏休みVANのシャツ買ふ少女横目に 002:色 ソックスは薄桃色のかをり持つソックタッチで糊づけせねば この 「VANのシャツ」と「ソックタッチ」のお歌からはじまる村本さんの100首には、 このあと次々に懐かしいアイテムが登場します。 「シャーペンは0.3ミリ」 「ジェフ・ベック」 「マリー・クワント」 「ラインマーカー」 「ランチジャー」 「紅茶キノコ」 「ソ連製薔薇のジャム」! ・・・・書ききれませんが、並べて読むと圧巻です。 そして、終わりは、 100:マラソン 東京女子マラソンがほら始まるよ。女は無理つて言つたのだあれ 世界初の女子フルマラソンである「東京女子マラソン」は、 1979年の出来事ですよね。 こんなふうにして、 お題に添いつつ、ルールにのっとりながら描かれた、ひとつの時代。 背景はたぶん1970年代後半でしょぅ・・・ と、思いつつ読ませていただいていましたが、 東京女子マラソン(1979年)で締めくくるなんて! と、 そのスタイルの完成度の高さに感嘆しました。 * 100首全体を通して、この時代を生きた作者の 当時の輪郭が浮きあがってみえてきて、とても親しく感じられ、 うれしいきもちになりました。 (短歌作品に感想を述べる時、こんな場合は、〝作中主体〟と 呼ぶべきらしいことは学習したのですが、 不慣れなわたしは、どうしても、この100作については特に、 〝作者〟と呼ばせていただきたくて・・・・すみません。) * 078:携帯 朝なさな携帯して来し筆ペンに影深めゆく教科書の余白 「朝なさな」 この言葉の美しさに酔いしれました。 あさなあさな(毎朝)という意味なのですね。 うっとりします。 あこがれます。 084:林 権威には距離を置く主義愛用の国語辞典は広辞林五版 一読して、音の流れに惹かれました。 「か行」の音のつらなりが、心地よくて、大好きでした。 086:占 とりあへず流行つてゐるから行つただけ「かっぱ横丁占いセンター」 092:届 ラジオより片岡義男の声届く 軽さ明るさ妙に遠くて 099:動 二度三度マウスペットを吹きかけてわたしのなかの動物 消した これは、そのころのわたし自身とかさなって、どきっとしました。 098:未来 ゆつくりと未来が落ちてゆくみたいパタパタ時計の零しゆく今 パタパタ時計が流行り始めた頃、わたしも枕元においていました。 眠れない夜、あのパタパタという音が気になって気になって、 そう、ほんとうに「未来が落ちてゆくみたい」な不安にかられたものでした。 032:乾電池 応接間の柱時計に乾電池入りたるのちの母の快活 096:留守 母の留守知るや知らずや人工の光よろこぶセントポーリア はげしく思い当たります。 こんなふうに、読む者が「あぁ。そうそう。その感じ!」っと、 思える短歌は素敵ですよね。 めざします(^^ゞ 101 百の歌のこしたあとにゆつくりとわたしの今へ吹きかへす風 これは、100首マラソンを走りおえたそのあとで、 村本さんが詠まれた101番目のお歌です。 こんなにも思いのこもった三十一文字。 とてもこころに響いてきました。 このお歌を詠むための (わたしの今へと、風がふきかへすための) そのための、100首だったのかもしれないと、 そんなことまで思ってしまうのでした。 とても勉強になりました。 ありがとうございました。
![]() 020:楽 解散の儀式でしょうかさえずりを音楽として鳥の混群 021:うたた寝 うたた寝のつららすっかり満ち足りてげになにげなく春にとけこむ 022:弓 弓なりにしなつたままの三月の枝にまだ降る雪の伝言 023:うさぎ アンテナをぴぴんとたてた野うさぎのやうな目をする彼の深刻 024:チョコレート あと何度ゆきが降るかな ふたりぶん入れてしまったホットチョコレート 025:泳 泳いではいけない海に神々が放つ魚のやうに あなたは 026:蜘蛛 蜘蛛の子が散らばるように心配がぱぁっと晴れてゆくねあえたら 027:液体 お返事を待っているまに液体になってしまった 雪のことだよ ![]() ▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼ 以下は、題詠マラソン2005会場より、お借りしてきた短歌です。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 過去ログ36までの[雪] ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ [雪]というお題はありませんが、 過去ログ【36】までの中から、[雪]で、検索させていただきました。 ヒットした191件の中から、特に好きなお歌を20首、 以下に掲載させていただきます。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ [1465] 001:声 しのざき香澄 2005年03月02日 (水) 10時19分 歓声の中きみは鳥になったね 体育館の外は雪です * 上句のリズムにすこし戸惑った分、 あとにつづく「体育館の外は雪です」の七七が、うつくしく、 ほっとやさしく響いてきました。 「たいいくかんの・・・」 と 正しく発音することに喜びを感じてしまい ゆっくりと何回も読んでみました。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ [6896] 001:声 植松法子 2005年03月14日 (月) 21時33分 あたたかき陽の差しくればおちこちに解けゆく雪の声のつぶつぶ * 恥ずかしながら「おちこち」という言葉を知りませんでした。 調べようと思い、「おちこち」と打ったところで「遠近」と変換されて知りました。 「おちこちに解けゆく雪の声のつぶつぶ」 つぶつぶたちのつぶやきが、聞こえてきます。 ・・・こちらでも、そんなけはいが濃くなってきたこのごろです。(3/18現在@北国) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ [3094] 010:線路 宮野友和 2005年03月05日 (土) 09時45分 人びとは寒き息吐く線路には雪ははだらに降り積もりゐる * ひきつづき恥ずかしながら(^^♪ 「はだら」という言葉を知りませんでした。 まだらとよく似た意味あいなのですね。 斑雪(はだれゆき)という雪の名前も、いま知りました。 たよりなげな心象風景や、しずけさを物語るのにも、 とてもしっくりとくる言葉ですね・・・「雪ははだらに降り積もりゐる」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ [2626] 045:パズル 春畑 茜 2005年03月04日 (金) 14時22分 気みじかきわれはパズルが嫌いなり千に散らばる雪の金閣 * 「千に散らばる雪の金閣」 すてきです。 誰かを待っている部屋の、 窓辺の机に散らばっている白色と金色ばかりのジクソーパズル・・・ その美しさといらだちに、うっとりとしてしまうのでした。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ [2798] 003:つぼみ 本田瑞穂 2005年03月04日 (金) 21時21分 おそい雪つもらせているふくらんだつぼみあなたはわたしの自慢 * あぁ。ほんださん。 すきです。 えへ (^^ゞ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ [3021] 074:麻酔 葛城 2005年03月05日 (土) 01時06分 さらさらと雪は降り積む細胞を深く眠らす麻酔となりて * 「細胞を深く眠らす麻酔となりて」 とてもとても共感しました。 「麻酔」というお題への投稿は、まだ少数ですが、 563人全員分が出揃ったあとにも、わたしにとっては これ以上しっくりとくる「麻酔」はないと思われます。 この冬のわたしのまわりの雪たちは、もぅほんとうに、 「細胞を深く眠らす麻酔」と思えるものでした。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ [3294] 080:書 船坂圭之介 2005年03月05日 (土) 22時12分 雪に明け雪に暮れ行く黙示めく冬のひと日に書を一つ為す * 「雪」で検索をかけたのは、 こんなお歌に出会うためでした。 わたしには描ききれない冬のひと日が、整然と 詠まれてここにありました。 とてもうれしぃことでした。 「黙示めく」がすてきなのです。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ [7184] 011:都 田丸まひる 2005年03月15日 (火) 21時18分 ジオラマの都市にも雪が降るように窓際にやる 泣いてもいいよ * まひるちゃんが、いつも書いてくださるような、 簡潔でいて的を得ていて、作者が「はっ」とするような そんな感想を書いて恩返しがしたいのですが・・・ ・・・なにぶん力不足で、ちっとも真似ができません。(ごめんね。) 泣くことを許されて泣く箱庭の少女の影が窓に映ってみえました。 甲斐性のある雪がここにも降っていました。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ [7159] 001:声 荻原裕幸 2005年03月15日 (火) 19時57分 それからは声だけがあなたのなかへ入つて春の雪を降らせた * 昨年、題詠マラソン2004会場にて、荻原さんの〝ひばりの歌〟を見つけたときには、 画面に向かって、ひとり感嘆の声をもらしたものでした。 「あをぞらを逆さまにしたぬくもりのあなたのなかをひばりが游ぐ」 この一年、なんども口ずさんできた歌でした。 そして今年の 「それからは・・・・」 この歌は、昨年のひばりが游いだそのあとの物語なのだと感じました。 (勝手な思い込みにちがいありませんが(^^ゞ やさしさの象徴としての「春の雪」でありますように。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ [7249] 015:友 伊波虎英 2005年03月16日 (水) 00時40分 ピーター・ガブリエルのアルバム『SO』。 3曲目に収録されてゐるケイト・ブッシュとの デュエット「 Don't give up 」をくりかへし聴く。 ♪Don't give up 'cause you have friends Don't give up you're not the only one …… 来む来むと友待雪の上(へ)に降れる雪とめどなく歌声は沁む * 「雪とめどなく歌声は沁む」ここのところが大好きでした。 とめどなく雪の降る日は、いろんなものが沁みこむのです。わたしも。 そして。 雪やこんこ あられやこんこ♪ の 「来む来む」と、 その人を待つ、待ち遠しさの「来む来む」と、 そしてさらには 「come come」なんてふうにも読めて とても楽しく拝見しました。 わたくしも、こっそりとこんな遊びがしてみたいです。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ [5445] 002:色(再投稿) やそおとめ 2005年03月10日 (木) 18時57分 ちちふさのふつくら透ける色をもて雪餅草の雄花序(ゆうくわじよ)は呼ぶ * 今回は、「雪そのもの」が詠まれているお歌を探していたので、 一度は通り過ぎようとしたお歌でした。 けれども、このお歌から立ちのぼる清潔な高貴な空気が気になって、 「呼ぶ」に呼ばれて立ちどまり、手にとらせていただきました。 「雪持草(ユキモチソウ)」を調べてみました。 はじめて見る花でした。 凛とした立ち居姿の花でした。 詠われている物について無知であったとしても、 好きな匂いの歌は、なんとなく届いてくるものではありますが、 この花の姿を知っているか否かでは、ずいぶんちがってくるものでした。 知らない花の名前に出会ったときには、 時間の許す限り、調べて知っていきたいものだなん・・・と思ったしだい。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 以下は、「あぁ。好きだなぁ。おぼえておきたいなぁ。」と思ったものを、 ただ並べさせていただきます。ごめんなさい。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ [4902] 019:アラビア 足立尚彦 2005年03月09日 (水) 10時24分 アラビア語で雪は何と言うんだろう「ゆき」と言いつつ雪を見ている [5268] 007:発見 杉山理紀 2005年03月10日 (木) 03時31分 ふたりして何かを待って降る雪の第一発見者になる予定 [5775] 052:螺旋 さよこ 2005年03月11日 (金) 16時23分 13年飼っていた猫雪の日に螺旋階段昇ってきえた [5852] 019:アラビア 今泉洋子 2005年03月11日 (金) 19時05分 アラビアの猫のお話猫好きの母と子の夜はしんしんと雪 [1404] 092:届 斉藤真伸 2005年03月02日 (水) 01時17分 新雪を長靴が踏むおとのして郵便ポストに朝刊届く [2219] 001:声 舟橋剛二 2005年03月03日 (木) 17時15分 雪積もりしなる枝から目をそらす耳に聴こえぬ声のするどさ [2719] 006:時 あきひろ 2005年03月04日 (金) 18時45分 亡き母の二十回忌もまた同じ曇り時々小雪の舞う日 [2983] 061:じゃがいも 葛城 2005年03月05日 (土) 00時08分 ことことと鍋が泡噴くじゃがいもの煮える頃には雪も止みそう [2905] 038:横浜 天藤結香里 2005年03月04日 (金) 23時01分 しあわせのかけらのように小雪降る横浜みなとみらいのデ・ジャ・ブ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ おしまい。
![]() 016:たそがれ 恋ひとつ占うためにでたらめに選ばれた樹に宿るたそがれ 017:陸 探査機が着陸します まなうらの雪の野原のブラックホール 018:教室 ひだまりにガーベラじょじょに束ねられ いよよあかるく終わる教室 ▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽ 以下は、題詠マラソン2005会場より、お借りしてきた短歌です。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 過去ログ【25】より。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ [4875] 007:発見 正岡豊 2005年03月09日 (水) 03時15分 のっそりと這うカタツムリ このぼくに発見されたくない傷がある [4857] 005:サラダ ひぐらしひなつ 2005年03月09日 (水) 01時09分 あたらしい皿にあなたがとりわけるサラダ 砲架は遠く組まれて * じわじわと惹きつけられたものでした。 心地よいメロディだけが先に来て、そのあとに、言葉がとどき、 何度も読んで、何度も読んだあとからやっと、 たちこめている緊張感に気付いたのでした。 とても好きなものでした。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ [4903] 020:楽 足立尚彦 2005年03月09日 (水) 10時28分 まだかたいトマトのみどり眠らせて地球は楽か トマトは楽か * 「まだかたいトマトのみどり眠らせて」 ここまでは、自分が詠んだもののような親しみやすさを感じてしまい、 にこにこと読みすすみました。 そして、頬が緩んだところに 『地球は楽か』 があらわれました。どかん。 地球にとっても、トマトにとっても、楽ではなくて、 けれどもきっと、そうする(眠る)ことしかできないトマトであるかもしれず ・・・という方向に落ち着きました。(わたしのなかで。) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ [4911] 018 教室 吉田貴美子 2005年03月09日 (水) 10時43分 病室を教室とする日々抜けてきっと元気になるよ なっちゃん * 教室というお題をみたとき、 なっちゃんのことを詠まずにはいられなかった・・・ というような、想いのこもったお歌なのだと感じました。 とても好きなものでした。 きっと元気になるよ なっちゃん。 うん。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ [4926] 005:サラダ 高崎れい子 2005年03月09日 (水) 11時32分 ファミレスのランチタイムのサラダバー少女の皿はパセリで埋まる * 「少女の皿はパセリで埋まる」 パセリ好きには見逃せないお皿なのでした(^^♪ 皿という字と、血という字は、 どうしてこんなに似てるんでしょう。 皿がパセリで埋まるなら、そののちきっと パセリは「血」に、なるからなのかなん・・・。 (はじめ、≪少女の血≫と読んでしまったので、そんなことを思ったのでした。) このログにある高崎れい子さんの001~005、すべてが少女の歌でした。 少し離れたところから、少女を見ている歌でした。 とても気になるシリーズなのです。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ [4849] 44:香 参田三太 2005年03月09日 (水) 00時34分 最後には、線香花火もなくなった。お月さん笑顔。おやすみなさい。 [4847] 012:メガホン PDP 2005年03月09日 (水) 00時31分 メガホンに裸電球のせてみて寂しさだけで灯をつけてみる * 「最後には、線香花火もなくなった。」 「寂しさだけで灯をつけてみる」 ここのところが大好きでした。
![]() 008:鞄 彼の人の鞄のなかの一等地そこに在るべき雪の玉水 009:眠 こだはりのなさそうな雪しんしんとしんしんと泣く君を眠らす 010:線路 線路沿い見送るやうにびつしりと彼の花の黄(きい)揺れるどこまで 011:都 なまえだけ先に覚えた花でした〝都忘れ〟と〝勿忘草〟と 012:メガホン メガホンを向けると角を直角に曲がつて逃げる小鳥 ごめんね 013:焦 焦点があうまで呼吸とめている 過不足のない今をとどめる 014:主義 むづかしい言葉で言へば刹那主義 いま いま いま が つくる永遠 015:友 とまどひを身ぐるみ剥いでゆく吹雪ふぶき地ふぶき友だちとして ▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲ 以下、題詠マラソン2005会場より、お借りしてきた短歌です。 このあと、すこぉしずつ、皆さんの歌を読ませていただき、 短歌のお勉強をさせていただきたく おそるおそる始めてみます。 ランダムですし、 文法も作法もなにもわからないまますすみます。 失礼がありましたら、どうぞご指摘くださいね。 ▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 過去ログ【20】より。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ [3971] 028母 西中眞二郎 2005年03月07日 (月) 11時15分 いったんは母に供えし酒少し飲みてそろそろ眠らんとする * 音の流れがとても好きです。 そしてもちろんしずかな夜の風景も。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ [3927] 011:都 鈴木英子 2005年03月07日 (月) 09時33分 大学短歌研究会の頃 そのひとにここは都でなかりけん春を書き置き残し去りたり * 「はるをかきおきのこしさりたり」 という音がとても好きで 何度も音読してみました。 繰り返し、声に出して読むうちに、 この下二句だけで、いろいろな物語が生まれてしまいました。 (わたしのつたない頭の中に。) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ [3909] 002:色 ひぐらしひなつ 2005年03月07日 (月) 02時14分 冬の陽に色をほどこすさみしさで階段に置くきみのevian * そのさみしさに捉まって、ずいぶん長くみつめていました。 evianの置かれたあとの階段にたゆたうものを思い描いていたのです。 * 漢字の持つ強引さについて、いつもいつも考えあぐねてしまうのですが、 「ほどこす」と「施す」では、ずいぶんちがうニュアンスの、 まるでまったくちがう行いかもしれず。 「冬の陽に色をほどこすさみしさで」 うん。とても好きなものでした。
![]() ことしも題詠マラソンに参加させていただくにあたり、 わたしのたてた目標は、 ■ 「てにをは」をしっかりいれる。 ■ 小さなものをひとつずつ詠む。 ・・・と、いうようなことでしたのに、 はじめから、ちっとも守れていないのでした。 むぅ。 あ。上の写真は、今朝うつしたものですよ。 また七色のひかりがここに来てくれました。 にこ。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 001:声 行間と空気をよんでいるまひる ことこと鍋が声をかけにき 002:色 いつのまにまた降りだした綿雪が色という色すいこんでゆく 003:つぼみ ひだまりに猫をみつけて今やっとやっとふくらむふくらむつぼみ 004:淡 あんのんと淡く流れるちぎれ雲 なんの軌跡ものこさずにゆく 005:サラダ たましいにわるそうだから逃げようか 朝のサラダのみどりもつれて 006:時 あの春が伏線となる物語 時満ちていま拓かれてゆく 007:発見 こみあげる発見しあうおひさまの翼それからあふれるひかり
![]() ご無沙汰しました。こんにちわ。 まだきっと、しばらくおやすみすることになると思いますが、 お知らせと豪雪自慢をしたくなり、更新してみました(^^♪ では お知らせです。 nature net (地球と仲良く暮らしたい!) さんの 天然映像研究室 デジタル観察日記 に参加させていただいています。 このなかのわたしのページ、 「冬のフィールドノート」第四回目【雪語り月】が更新になっていました。 よろしけばご覧下さいませませ。 上の写真は、このページへの参加作品として撮影したものです。 とてもとてもお気に入りなのです。 * * * そして。昨年に引き続き、【題詠マラソン2005】に エントリーさせていただき、本日出走いたしました。 がんばりまぁす。 ご連絡まで。 * * * さてさてそして。豪雪自慢ですよ(^^♪ 写真中央の小さなバードテーブルは、 地面から2メートルほどのところに設置されているもので、 雪どけの様子を定点観察しようと、2月はじめに写しました。 ![]() ところが、雪どけの様子どころか、二月後半の大雪で、 パードテーブルは、まったく見えなくなってしまったのでした。 ![]() そして今日、屋根から雪がどどんと落ちて、 居間の窓辺は、こんなふうになってしまったのでした。 ![]() ね?大雪でしょう。すごいでしょぅ。いいでしょぅ(^^♪ というわけで、豪雪自慢をしてみました。 ではまたぁ。
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