[ 月刊・夢の図書館 ] * 読書特集 & ブックトーク *
☆11月:すごい古典、に惹かれて。
新刊本を読む機会が少ないことは惜しくないけれど、古典は読みたいと思っています。できれば教養というよりも大人の楽しみとして。時には千年以上も昔から生き続けてきた名作にも出会います。特に気になるのは、英語圏で共通してシンボリックな扱いを受けているものの、日本では好きな人しか知らないというような古典。猫やの蔵書のなかにも、探してみると、かの名作古典がちらほら。いかがですか、晩秋の夜長に? 10年続いたトロイア戦争の末期、豊かで堅固なトロイの城塞を、大艦隊を組んで押し寄せて来たアカイア連合軍(ギリシャ軍)が攻め、王族達、英雄達、一人一人が何を思いいかに闘ったかを語り上げた大作です。 → 『イリアス』 著者:ホメロス / 訳:松平千秋 / 出版社:岩波文庫 獅子心王リチャードがパレスティナから帰国した当時、12世紀のイングランドが舞台。若き騎士アイヴァンホーを取り巻く人間模様、ユダヤ人の美女レベッカの活躍も見物。 → 『アイヴァンホー』(上・下) 著:サー・ウォルター・スコット / 訳:菊池武一 / 出版社:集英社2005 イギリスの田舎町に住むベネット家の娘エリザベス(リジー)と、大金持ちで気難し屋のダーシーが誤解と思い込みを互いに乗り越え、結婚に至るまでの物語。 → 『自負と偏見』 著者:ジェーン・オースティン / 訳:中野好夫 / 出版社:新潮文庫 スコットランドの武将マクベスは、荒野で三人の魔女に出会う。魔女の不思議な予言に心動かされたマクベスは王を暗殺し、王位を手にする。しかしその日からマクベスの心は恐ろしい不安に苛まれ、とめどなく邪魔な者達を手にかけ始める。 → 『マクベス』 著者:ウィリアム・シェイクスピア / 訳:福田 恒存 / 出版社:新潮文庫ほか 前半の晴々とした王国の眩い日々は英雄ジーフリトの暗殺で終りを告げます。後半の、王妃クリエムヒルトの壮絶な捨て身の復讐物語は実在した王国の滅亡譚として語られる事によって史実のように歴史の中に嵌め込まれる仕掛け。 → 『ニーベルンゲンの歌』 前編・後編著者:不明 / 訳者:相良守峯 / 出版社:岩波文庫 これまでにいろいろな場面で知ったエピソードが多いし、古代ギリシャの衣装や風俗も映画や美術、マンガ等で馴染みが有るので場面を思い描くのはいとも簡単。ゲーム世代には展開が遅すぎる? → 『オデュッセイア』 著者:ホメロス / 出版社:岩波文庫 『養生訓』・・・それは江戸時代の「ターザン」、あるいは「壮快」か。 → 『養生訓』 著者:貝原益軒 / 出版社:講談社学術文庫 by お天気猫や
2006年05月03日(水) |