出血大サービスとかいう事について。
そんなにひどいんならバファリン飲んで寝ときなさい。
スイカを今年初めて食べました。 去年も食べてなかったような気はします。 目の前に差し出された赤く甘いであろう果肉を見つめると、志村けんを連想させました。 どうしたんだろう、幻覚かなあ。 早く食べなければいけないような強迫観念も感じるよ。 おもむろに食べはじめるのですが、実はおれはスイカという食べ物がとりたてて好きではありません。 それは1にざらざらとした食感であり、2に前述の志村けんであり、3にはなんといっても縦横無尽なまでに広がるその種子であるのです。 まるで小宇宙を形成するかのような勢いで埋まっているこの種は堅く、一般に食するものではありませんので、おれも例に漏れず食しないわけですが、いかんせん数が多い。 そこでおれのとる手段は少なくとも見える部分の種をフォークなりスプーンなり、あるいは指などでほじくりだし、そうして真っ赤っかになったスイカをがぶりとやる、一般にいわれる「女々しい食べ方」なのですが、これにも問題はあります。 おれは女々しいとか言われるのが中途半端に嫌なので、フォークなどを使わずに、この種を指でほじることがしばしばですが、このような作業をしていると、指が果汁まみれになります。 また、表面の種をほじりだした跡、その奥にまた黒い種の影が見えることがあり、「かようなところに残党がおったか」とさらにほじると、径が指大であるトンネルがいくつかスイカに穿たれることになり、非常にみっともないです。 あまつさえその作業に没頭していると、指どころか掌全体、下手をすれば肘のあたりまで果汁でべとべととなり、「おかあさ〜ん」だとかの悲痛なうめき声をあげることになるのです。 そうして指をべとべとにしながらスイカにかぶりつくと、ときどき駆除しきれなかった種が紛れ込んでいることがあります。 豪快にむしゃむしゃとやっているとこれに気付かずに「がりっ」っとなってしまい、なんだか変な顔をしながら、うええ、とよだれと一緒に分断された種子を吐き出すことになるのです。 したがってそろりそろりと紛れ込んでいる種子に気をつけながら食し、種子の存在に気付いたら口の中で種子と果肉を選り分け吐き出すという作業を随時実行する必要があるのですが、おれはスイカを食べ慣れているわけではありませんので、以下のような事態が起こり得ます。
むしゃむしゃびちゃびちゃ。 もぐもぐ。 んっ!(種があるのに気付いた) もそもそ。(口の中で選り分けている) ぺっ。(吐き出した) あっ!(吐き出したのは果肉の方だった) がりがり。
おれにはスイカ向いてない。
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