行人徒然

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30秒で火星
2006年04月13日(木)

ジャレッド・レトがボーカルを務めているバンドがある。
直訳すると『火星へ30秒』英語で読むとなんでもないけど、訳すると妙な感じだ。

webで検索してみると割りと評価が高い・・・がこういうのは好きな人が書き込むわけだし、あまり批判的なのは見ない。
とりあえず2枚あるアルバムのうち、新しいほうを買ってみた・・・のが一月くらい前。
退廃的な歌詞と切りかかってくるエレキ。
若干テクノ寄りのヘビメタ・・・なんだろうか。

最初に聞いた時、別にピンとこなかった。
片手間に歌ってるわけじゃないことがわかると評されていたが、よくわからなかった。
ほぼ全部がレトによる作詞作曲なので同じような雰囲気があった。
何故か黒夢とX−JAPANを思い出した(音的にはレトのほうが鋭いが)
10年前なら喜んで聞いていたような音と歌詞だ。
世紀末的な刹那と退廃の香りがする。

しかし、中一日あけると、あの声が聞きたくなった。
なんとなく不満を抱えながらもう一度聞く。
毎晩家に帰ってから聞く。
今は毎日通勤帰宅・昼休み中に聞いてる。

歌詞カードがないと意味はわからないけど、簡単なフレーズが頭に刻み込まれる。

「アレから逃げろ」
「放っておいてくれ」
「俺は守護者じゃない」
「これが最後のチャンスだ」
「殺せ」
「ぶち壊せ」
「狙ってブチ抜けよ」

そしてそれをまとめるように
『それは全部美しい嘘さ』
「それじゃ、サヨナラ」
と畳まれる。
クロアゲハが羽を閉じるように、そこに戻ってくる。

ぐるぐるぐるぐる。

あの大きなブルーの目が上段から眇めるように見下ろしてくる。
支配者が値踏みをするように。

ぐるぐるぐるぐる。

思考回路がとまる。
深い淵の中で。
暗闇に進んで逃げていく。



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