ジャレッド・レトがボーカルを務めているバンドがある。 直訳すると『火星へ30秒』英語で読むとなんでもないけど、訳すると妙な感じだ。 webで検索してみると割りと評価が高い・・・がこういうのは好きな人が書き込むわけだし、あまり批判的なのは見ない。 とりあえず2枚あるアルバムのうち、新しいほうを買ってみた・・・のが一月くらい前。 退廃的な歌詞と切りかかってくるエレキ。 若干テクノ寄りのヘビメタ・・・なんだろうか。 最初に聞いた時、別にピンとこなかった。 片手間に歌ってるわけじゃないことがわかると評されていたが、よくわからなかった。 ほぼ全部がレトによる作詞作曲なので同じような雰囲気があった。 何故か黒夢とX−JAPANを思い出した(音的にはレトのほうが鋭いが) 10年前なら喜んで聞いていたような音と歌詞だ。 世紀末的な刹那と退廃の香りがする。 しかし、中一日あけると、あの声が聞きたくなった。 なんとなく不満を抱えながらもう一度聞く。 毎晩家に帰ってから聞く。 今は毎日通勤帰宅・昼休み中に聞いてる。 歌詞カードがないと意味はわからないけど、簡単なフレーズが頭に刻み込まれる。 「アレから逃げろ」 「放っておいてくれ」 「俺は守護者じゃない」 「これが最後のチャンスだ」 「殺せ」 「ぶち壊せ」 「狙ってブチ抜けよ」 そしてそれをまとめるように 『それは全部美しい嘘さ』 「それじゃ、サヨナラ」 と畳まれる。 クロアゲハが羽を閉じるように、そこに戻ってくる。 ぐるぐるぐるぐる。 あの大きなブルーの目が上段から眇めるように見下ろしてくる。 支配者が値踏みをするように。 ぐるぐるぐるぐる。 思考回路がとまる。 深い淵の中で。 暗闇に進んで逃げていく。
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