”BLACK BEAUTY”な日々
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Boogie
とうとう10回目を迎えてしまった。ドラマとかだと最終回の一つ前。一般的には「最後はどうなるんだろう」的な盛り上がりが最高潮に達する場面である。
我々に残されたカードはとうとうたった1枚となってしまった。 カードの裏には「ソフト君」と記されていた。
前回のスタジオ以降、過去のスタジオテイクを本人に渡してあるので、ひょっとしたら大化けする可能性だってある。 その可能性を胸にしまい込み、小岩のMセカンドへ向かう。
曲順はライブを想定してある程度固めている。
それに沿ってソフト君に叩いてもらう事とした。
だが・・・・・・・。ソフト君は相変わらずのソフト君であった。
とにかくバスドラの踏み込みが甘い。というより、ほとんどバスドラの音が聞こえない。俺はバスドラとそれに合わせるベース音を聞きながらギターを弾き、歌うので、とても困ってしまった。
そして何より困ってしまうのが、ある程度ノッてきた時のソフト君である。 ドラマーがノッてくるのは大いに歓迎しなくてはならない。 けれどソフト君には重大な欠点があった。それは、
『ノッてくると、目を閉じちゃうのである』
これではアイコンタクトなど成立しようがない。極めて痛恨である。
スタジオ録音のMDを聞いてみたところ、音の小ささは顕著だった。
スタジオ後、ベーシストと津田沼のジョナサンでコーヒーを飲みながら話し合う。
「大失恋とかしたらもっと音大きくなるかなあ?」
「いや逆に凹んでもっと小さくなるかもよ」
そもそもソフト君のプロフィールに「60年代MODSが好み」書いてあったのが事の始まりである。MODSと聞けばやっぱりキースムーンを想像してしまうのが普通の感覚だろう。なのにソフトロックって・・・・・・。
カウント9のぎりぎりの状態が続く。
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