私という人間

昨日の病院のこと。
二週間前、「予約」という形で日程を決めたはずなのに、何故かカルテには「予約ナシ」という紙がはさまれていた罠。
おかげで1時間も待合室で待たされる結果に。
寝不足だったので、まるまる1時間、待合室で眠り込んでしまった。
気がついたら、ほぼ満員だった待合室の人の数も、私を含めて3組程度にまで減っていた。

しばらくうとうととしていたら、一番最後に呼ばれた。


昨日は、私の病気について一つ思い当たる事があったので、それを話してきた。

隠す事でもないから書いてしまおう。周りの人にもしっかり理解してもらわないといけない事だし、隠していてもいい事ないしね。

私の病名は「思春期妄想症」というものらしい。
最初「なにこの名前ふざけてるの?」とか思ったけれど、症状自体は中々笑えないものになっている。
それでもネタにしてしまわずにはいられないインパクトだったのだけど(笑)

私の場合、色々過去の事を話したりしているうちに、どうやら中学生あたりからマイナス思考が強い傾向があった事と自覚していたため、思春期妄想症を発症し、そのまま現在に至っているという可能性が極めて高いという事らしい。

その中でも、私は特に「醜形恐怖」、「視線恐怖」、「広場恐怖」の症状が強い。
多少の恐怖感や嫌悪感なら、健全な人でも持ち合わせている感情だけど、私の場合は病的に強い。
例えば、電車の中で立っている人が沢山いるときに、自分の隣が楽にひとり座れるだけのスペースが空いていても誰も座らないという事が結構ある。
そうなった場合、普通の人ならば「空いてるのになんで座らないんだろう」程度で済む話だけど、私の場合は「きっと私の隣だから誰も座りたがらないんだ。私が太っているから?もしかして、私の汗の臭いがキツいのだろうか。とにかく、私は『疲れていてもコイツの隣に座るくらいなら立ったほうがマシ』と思うほど醜い存在なのだ」と、ここまで考えるのだ。
否、思い込むのだ。
自分では病気であるなどと考えた事もなかった。
いや、何度か考えた事はあったけど、まさか病気であるはずがない、ただ単に卑屈になって考えすぎているだけだ、こういう性格なんだと思っていた。

でも、冷静に考えてみて、これはもう「性格」とか「性質」で済まされる問題じゃない所まできている、と思い至ったわけです。
ちょうど、最近大きなきっかけがあったおかげで、病院に行くという選択肢を選ぶ事が出来た。



また、劣等感や疎外感などを病的なまでに強く感じてしまうのは、幼少期の両親との関係に起因している部分が大きいらしい。
小学生のとき、両親は共働きで、その上長距離トラックの運転手をやっていたので、週末の二日しか一緒に過ごせないという状態だった。
平日は祖母の家にあずけられており、一般的な家庭と比べれば、確かに両親との団欒の時間は圧倒的に少なかったという事になるね。
あと、両親は競艇や競輪が大好きで、開催されているときは大抵私も連れて行かれた。
つっても、一日中、競艇場の託児所ですごしたりしたわけだけども。
そして、両親が負けた日(殆どがそうだったけど)は、帰りの車の中からずーーーーっと喧嘩なのだ。
家に帰って、夕食を食べているときや、夕食の後も、お金の事で喧嘩。
酒も入るので、殴り合いをしたり物が飛び交うような喧嘩に発展。
私にもしょっちゅうとばっちりが来るので、喧嘩が始まると大抵私は祖母の家に逃げ込んだ。
喧嘩するくらいならギャンブルなんてやらなきゃいいのに。ずっとそう思っていたけど、言えるはずもなく。
そんなこんなで、私はギャンブルと酔っ払いに対して非常に強い嫌悪感を抱くようになった。

でも、今思い返せば、決して不幸な事ばかりじゃなかったってのはわかってる。
何もかもが親のせいだというつもりなど全くない。
楽しかった事も沢山ある。
今、亡くなった父の顔を思い出そうとすれば、怒った顔じゃなく、眉毛と目尻を目一杯下げて笑う顔ばかりだ。
自分の中では、もう過去の事として割り切っているつもりなのだろうけど、無意識下において一種のトラウマのような感じで引きずっているのだろう。
劣等感・疎外感の原因は、この幼少期の両親との関係と、現在の自分の体型に対するコンプレックスが原因となっているのだろうという結論に至る。



色々と過去の事を考えているうちに、一つ、重大な事を思い出したので、今日は思い切ってその内容を先生に話してみた。
結果から先に言うと、その事象は、私の病的なまでに強いマイナス思考の大きな原因の一つであるだろうという診断だった。

その内容は、こんな感じ。
実際はここまで詳しくは話していないけれど。


小学校3年生か4年生くらいの頃だったかな。
場所は、よく行くボーリング場の一角にあるレンタルビデオ屋。
ゲームコーナーの隣にあったと思う。
週末は家族3人で夜通しボーリングをするのが習慣になっていました。

休憩がてら、ビデオを色々眺めている時に、ふと気づいたらグロ系(いわゆるデスファイルや食人族とかのビデオが置いてある)コーナーに迷い込んでいた。
そこで目に飛び込んだのが、「ギニーピッグ」というビデオ。
かの宮崎勤事件でも取り沙汰されたあのビデオです。

そのパッケージがあまりにもショッキングで、それ以来ずーっとその写真が忘れられなくなってしまいました。

今でこそ「またか」と思うほどバラバラ殺人事件は珍しいものではなくなったけれど、当時は何よりもショッキングなニュースの一つだったわけです。
実際にバラバラにされている人間の写真が、たとえフェイクであったとしても、イキナリなんの前触れもなく目の前に現れてしまった、と。
それ以来、学校の行き帰りにさらわれてバラバラにされて殺されたらどうしよう、とかまで考えるようになってしまいました。
それほどまでに、ギニーピッグのビデオは衝撃的だったわけです。

で。問題はここから。
その衝撃的な絵は、いくら忘れようとしても忘れられない。
どうすればこの恐怖感から逃れられるのか。
小さなおかぷぅさんは考えました。
そこで一つの名案が浮かんだのです。

「忘れられないのなら、思い出しても平気なように、慣れてしまえばいいんだ」

それからというもの、その恐怖に慣れるために、楽しい時にこそ、あえてその恐怖の記憶を引っ張り出すという「逆認知療法」みたいな事をやるようになったのです。
もちろん、誰にも話していません。
自分の心の中で、その恐怖に慣れるために、ひたすら恐怖の記憶を呼び起こし、免疫をつけようと必死に戦ったのです。

そうしているウチに、何か嫌な事があったら、いつもその事を考えて、「慣れる」という作業を無意識でやるようになってしまったんです。

そこから発展し、逆に「嫌な事」や「恐ろしい事」を常に前もって想定して、いざ本当に自分の身に起こった時に強いショックを受けなくてすむように、と考えるようになってしまったのだろうなと思います。

例えば・・・
最初から「相手が私を嫌っている」と思い込んでいれば、本当に嫌われたときにショックが少なくてすむ。
といったように。

非常に納得のいく理由だな、と自分でも思ってしまった。


さて、少なくとも私の病的なマイナス思考の原因の一つがわかったわけですが、原因が分かったからといってすぐに直せるものではありませぬ。
最低でも、私がこの療法を行ってきたおよそ15年という期間と同等かそれ以上かかるという事になる。
しかも、無意識のうちに染み付いてしまったこの思考を、意識的に取り除こうとするわけだから、同じ時間をかけたとしても直るかどうかは定かではない。


しかし、これは「病気」なのであって、しかも不治の病というわけではない。
多少薬も使う必要があるけれど、絶対にいつかは直るものだと信じたい。

私自身、このマイナス思考に対し、それと意識せずに認知療法というものを行っていたらしい。
マイナス思考を払拭しようとするその思考自体が認知療法であるというのだ。
しかし、今のところその認知療法は、完全にマイナス思考に負けてしまっている。

マイナス思考⇒マイナス思考イクナイ⇒プラス思考への転換を試みる⇒だめぽ

という状態。

すでに認知療法を自分であまり意識せずに行おうとしているわけだから、その効果を最大限に引き出すために薬で手助けをする。
現在処方されているのは、ルボックス50mgを毎日就寝前に2錠。
最初は1錠のみの処方だったけれど、もともと効果の薄い薬らしく、ほとんど効き目ナシ。
この先2週間は、2錠で様子見という事になります。

副作用も全くなく、今のところ特に変わったこともないので、一安心。


定期的にこの日記を書いてしまうと、本当にどこにでもありふれたメンヘル日記になってしまうので、何か大きな変化が起きた時以外は、この病気の事は一切書かないことにします。


去年の暮の一件も、「実は病気でした!だから許してね!」で終わらせるのは非常にイヤなので、私の病気が完治するまで保留という形にしようと思います。
相手も、アレだけ好き放題言われて、全部病気のせいにされたらたまったもんじゃないですから。
オマケに、私が病気だと知らずに必死に私の話に耳を傾け、必死に擁護してくれたネコさんの立場までどんどん悪くなってしまっている。

何よりも、私が病気である事を自覚せずに、健常な人間のつもりでいた事が一番の原因であって、直接の被害者が今回の件の相手方、そして一番可哀想な事になっているのがネコさん。

本当に詫びる言葉もない程です。


というわけで、これから先は、自分が病気であるという自覚を持つことから初めて、治療に専念していきたいと思います。

基本的には今までと特別何かが変わるわけではないので、今までどおりのお付き合いをよろしくお願いします。

といっても、こんな事実を告げられてしまったのでは気にしてしまうのは当然なんですが(笑)


まあアレです。私自身、逆に考えすぎるとかえって治療によくないと思っているので、「この年で思春期な上に妄想だってよ!」とかネタにするくらいの気持ちでいきますので、そこんとこヨロシクッ!

なんかエロい事口走ったら、「妄想しすぎ」と突っ込んでください(゜∀゜)
2005年01月09日(日)

ありのままに、赤裸々に。なんつって。 / おかぷぅ