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過剰で冷たい醒めることのない現実 - 2003年09月01日(月)
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渋谷の街は、全てが過剰である。もし、「余計なもの」だけを消滅させる新型爆弾が投下されたら、おそらくここには何も残りはしないのだろうなどと考えながら、誰もいない街を行き交うヒトを避けながら歩いていると、本当に寒気がしてくる。
昔この街が好きだったこともあった。けれど、今はここにひたすら愚かでひたすら過剰な表象以外の何かを見出すことはできない。変わってしまったのはおそらくこの街ではなく、僕の方なのだろうと考えると、また寒気がしてくる。
電車から吐き出されてくるヒトの群れと電車に吸い込まれるヒトの群れが相互に浸潤して一瞬ひとつになったかと思うと次の瞬間にそこにあるのはもう粉々になった分子だけ。安易に反復される交換可能なシーン。今まででもっとも強烈な寒気。
必然性を欲して釣り革にしがみついた僕を押しつぶす重力と質量。また寒気。密着した男の背中から漂う異臭。寒気。サカリがついたような声で垂れ流されるアナウンス。寒気。中吊り広告の下品な見出し。寒気。
「夢なら醒めろ」とウソみたいな願いを唱える自分。寒気。
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