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2004年05月12日(水) イラクの女性兵士とユダヤの4青年

毎日、イラクでのニュースが大きく報道されています。

今日は、イラク人虐待の写真に写っていた女性兵士のインタビューをインターネットのニュースで見ました。彼女は「上官の指示の通りに行った」とインタビューに答えていました。それがあの状況では「正しい」ことだったからです。

私はそれを見て、シャデラク、ミシャク、アベデネゴのことを思い出しました。

普通の状態であれば、彼女は自分の行っていたことが「正しい」とは決して思わないと思います。どう考えても犯罪です。でも、あの極限の状況では、その虐待は「正しい」ことであり、彼女は指示されたとおりに行っただけなのです。

当時のバビロンでの、シャデラク、ミシャク、アベデネゴの周囲の状況もこれに似た状態だったのではないかと思うのです。王が見た夢を、見ていない占い師、博士たちが説明するように強要され、説明できなければ皆殺しにすると脅されました。ダニエルが神さまに教えられていなかったら、本当に皆殺しにされていたことでしょう。まるでフセインの独裁国家です。王の命令が絶対で、王や位の高い人たちに睨まれないよう、皆、細心の注意を払って生活していたのではないかと思います。

バビロンへ捕囚となったユダヤ人たちは、みな汚れた肉や酒を食べたり飲んだりすることや、刻んだ像を拝むことが神さまの命令に背くことであると知っていたはずです。自分の国での普通の状況では、きっとみなきちんと守るよき市民だったことでしょう。

でも、ダニエル書の中で、極限の状態において神さまの戒めを守ったとして名前が挙がっているのは、ダニエルとシャデラク、ミシャク、アベデネゴの4人だけです。残りのユダヤ人は、みな王と同じ食事を摂り、金の像を拝みました。それが、「上官の指示」であり、「正しい」ことだったからなのでしょう。

イラクの女性兵士は、自分の意志で兵士となり、戦争に送られました。ユダヤ人たちは、自分の意志とは関係なく捕囚にされてしまいました。私たちも今はなんだかんだ言って平和な世の中に生きていますが、今の世界情勢を見ても、聖書の預言を見ても、いつか、同じような極限の状態に置かれてしまうかもしれません。

その時、私は女性兵士のようになってしまうのでしょうか?それとも、ダニエルたちのように、どんなプレッシャーがあっても堅く立っていることができるのでしょうか?そもそも、自分はちゃんと神様の御言葉にしたがって善悪の判断ができているのでしょうか?

文書伝道をするために暗記した文章の中に、FBIの研究結果について書かれているところがあります。社会の道徳(善悪)の基準が崩れ、犯罪や暴力などが増加している原因は、テレビ、悪い交友関係、そして家庭での霊的、道徳的訓練の欠如であるとの研究結果です。

FBIはもちろんキリスト教の組織ではありません。でも、家庭での聖書に基づく教育、訓練が犯罪や暴力の少ない社会に貢献していると認めています。

ダニエルたちは、子供の頃から神様の御言葉を教えられ、忠実に守ってきたのでしょう。もしもダニエルが今、イラクに兵士として連れて行かれ、イラク人を虐待するように上官に命令されたとしても、それを「正しい」こととは決して思わず、プレッシャーにも、脅しにも負けず、虐待することはないと思います。

その状況で、神さまの御言葉に堅く立つためには、極限の状況でも、どんなプレッシャーにも惑わされない道徳的な力と、それを実行する強さがなければならないなあと思いました。つまり、状況に惑わされずに善悪を判断する力と、どんな状況にあっても正しいことを行う力です。

そのどちらも自分の中にはないなあと思いました。私にできることは、日々神様の御言葉を学んで、神様の御心をもっと良く知ることと、神さまへの子供のような信仰を日々与えていただくことだなあと思いました。

日々小さなことに忠実であれば、そのような大きなことが起こった時に忠実でいられる力をきっと神様が与えてくださるのではないかと思います。実際、神さまは、そのようにしてダニエル、シャデラク、ミシャク、アベデネゴを支えてくださったのですから。

神さま、私の怠惰と不信仰をお許しください、と強く思ってしまったのでした。



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