Simple Faith


2004年04月27日(火) 文書伝道とジェイ・トマス

ちびこあらは、生計を助けるため(ほんとに助けられるのかな?)、パートで文書伝道をすることになりました。

何人かの人に、以前日記に書いたプレグナンシー・サービスでのボランティアはどうなったの?と聞かれたのですが、このボランティアをするにはトレーニングを受けなければならず、そのトレーニングがちょうど今週にあたってしまいました。次のトレーニングは6月なので、御心ならその時に受けることができるだろうと思います。

今日は初日で、ミシガン教区の地区代表(エリア・レプリゼンティティブ)のジェイ・トマスという人がトレーニングをしてくれました。

午前11時にマウント・プレザント教会で待ち合わせし、事前に渡されていたキャンバス(家々を訪問する時に言う言葉)の練習をしました。数日前にもらったので全部は覚えられませんでしたが、ジェイの見本用の書籍を手に取りながら、一通り訪問先で話すべきことを練習しました。

アメリカでの文書伝道は、2種類あります。一つはビッグ・ブック。直訳の通り、ハードカバーの大きな本を売る仕事です。もう一つはマガ・ブック。これは、雑誌風のペーパーバックの本を安価で売る仕事で、学生たちが夏休みに参加するプログラムは大抵こちらです。私も以前マガ・ブックの夏のプログラムに参加したことがありますが、今回することになったのはビッグ・ブックの方です。マガ・ブックは、回転が速く、次から次へと戸別訪問します。学生のプログラムなどではドアとドアの間は走ろう!と教えられます。それに対してビッグ・ブックは一軒一軒での訪問時間が長く、相手とじっくり話をします。私にはこっちのペースの方が合っているように思えます。

キャンバスの練習をした後、ジェイの車に乗って隣町のアルマに行きました。この町には何人か、バイブル・ストーリー・セットの申し込みをした人がいるのです。一軒一軒が離れているので、運転する時間がとても長かったのですが、その間、ジェイと色々な話をすることができました。

ジェイは、40代後半か、50代前半の男性です。お父さんが、マウント・プレザントの北にあるクレアという町で牧師をしています。私とジョンはこのお父さんのトマス牧師の方を先に知っていました。70代後半で、とても穏やかで優しくておちゃめで、素敵な牧師先生です。極東支部で7年間働いたことがあり、私を見るたびに「こんにちは」「おはようございます」と日本語で挨拶してくれます。

ジェイは、お父さんである、このトマス牧師をとても尊敬しています。「父は本当のクリスチャンだよ」と心を込めて言っていました。トマス牧師は、40年以上文書伝道者をして、引退してから牧師になったのだそうです。3年前に、ミシガン教区から今のクレアに教会を建ててくれと言われ、この3年間で集会所から教会を建て、建設費も全部支払ったのだそうです。

トマス牧師は出版部長をしていたこともあるのですが(極東支部でも)、その時にはどこに出張に行っても、その地域の文書伝道者と一緒に戸別訪問に出かけ、その文書伝道者を励まし、指導したのだそうです。引退して、牧師をしてくれと頼まれてからも、戸別訪問を欠かさず、77歳になった今も、ミセスと一緒に家々を訪問し、神様の愛を伝えているのだそうです。

トマス牧師は、本当に穏やかで優しくて、あまり話したことはないにもかかわらず、大好きだーと常々思っていたのですが、この話を聞いて、ますます大好きになってしまいました。

でも、そのトマス牧師夫妻に育てられたジェイも、素晴らしい人でした。驚いてしまったのは、私たちと同じく、お給料(Salary) ではなく、ミッショナリーやバイブル・ワーカーのためのStipend(牧師のお給料の多分半分以下)で働いているということでした。奥さんが教区で働いているので生計は成り立っていますが、自分の収入はほとんど仕事のためのガソリン代と、仕事に出ている日の食事代に消えてしまうのだそうです。

それなのにまったく恨みったらしいこともなく、「こういう犠牲がないと、神様の働きは前に進んでいかないんだよ」とこともなげに言うのです。この考え方はピピン先生をはじめとするキャンパス・ミニストリーの考え方に通じるもので(スタッフ・ミッショナリーはみんなStipend、ステューデント・ミッショナリーは自費でこの働きをしています。)私はなんだか同士に出会ったような気持ちになってしまったのですが、それ以上にこの人は本当に神さまのために働いているんだと感動してしまいました。

私たちや、独身の青年ミッショナリーたちが Stipend で働いていても、修行中だし若いから何とかなると思ってしまいますが、この年齢で、しかも文書伝道者としての経験も豊富なのに Stipend で働くというのは、本当に神様を第一にしていないとできないことだと思ってしまいました。そして、そのジェイを支える奥さんもすごいなあと思ってしまったのでした。

ジェイは文書伝道の働きが大好きで、この時代に必要な働きだと信じています。「説教や聖書研究もとても大切だけれど、しばらくすると何を教わったか、人は忘れてしまう。でも本はずっとそこにあるし、反対にあって妥協することもなく、原則に堅く立ち続けるんだ」「申し込んでくる人のところに行くことは大切だけど、必要なのに申し込まない人がたくさんいるんだ。だから、簡単ではなくても戸別訪問をすることは必要なんだよ。」と熱く語ってくれました。

ジョンもお昼を一緒に食べ、家まで送ってくれた時にジェイと話をする機会があり、すっかりもともとの文書伝道熱が戻ってきて、「僕も文書伝道したい〜!!」と叫んでいたのでした。




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