2006年11月01日(水)
くろ・でり(13) 「ええにょぼ」になれよ♪


山賊じいちゃんを前にすると途端に饒舌になり、ものすごく興奮してよく笑うクロワさん(笑)。
2人の会話(爆)を端から見ていると、そりゃもう滑稽で、
あたくしとサヨコばあちゃんはゲラゲラ笑ってしまうのだけど。


今日わかったのだけど、クロワさんの「話し相手」を務めるのには、相当の体力が必要らしい。
あたくしは毎日のことなので、疲労に対して感覚が麻痺しつつあって、
夜、まだ早い時間から、眠くて眠くて舟をこいでしまうのも、抱っこのし過ぎで腕や腰や膝が痛いのも
何となく当たり前のことのように感じてしまっている。
そりゃ、その症状が緩和されればラクだろうな・・・・とは思うものの、
毎日のことなので、半分は諦めている。

この日、文字通り全力でクロワさんの話し相手をしていた山賊
彼に甘えて、あたくしはサヨコと一緒に束の間の買い物に出かけたのだけど、
帰ってみると、あれほどクロワさんを連れてこい連れてこいと喧しかった山賊
何だか憔悴している(笑)。ものの1時間ちょっとの外出だったのに、だ。


「ありがとねぇ♪ どう? くぅちゃん、おりこうさんしとった?」

「ε- ( ̄、 ̄A) フゥー しばらくやいやい言うとったけど、やっとさっき寝た・・・・疲れたぁ・・・・」

「あらぁ・・・・そりゃ、ご苦労さん。ありがとう。」

「クロワが寝とるんやったら、何も面白いこともないで、俺も寝る( ̄^ ̄)」

「( ̄∇ ̄;) お・・・・おやすみ(苦笑)」



老いた背中で寝室へ消える山賊(爆)。体力自慢の彼が、ねぇ・・・・(* ̄m ̄) ププッ


「じいちゃん、ヘロヘロになっとる(笑)。」

「くぅちゃんの相手はやっぱり体力勝負やよ。けっこう疲れるもんよ?」

「そうなんや? この程度は当たり前のレベルやと思っとったわ(笑)。
あたしも意外と疲れとったのかなぁ? 今まで全然わからんかった。」


「でもなぁ・・・・毎日、あぁやって全力で話しかけて
相手したっとるんやったら、絶対間違った育ちはせんよ。安心やわ(=⌒▽⌒=)」


「そ、そうかな? (●⌒∇⌒●)」



実母でも、あぁした方がいい、こうした方がいいと口喧しく育児に干渉してきたりして、
実母だからこそそういうのに物凄く腹が立って、めちゃくちゃストレスになってやってられない!!
・・・・なぁんて訴えている人もいる中、あたくしの場合は、本当に恵まれていると思う。
里帰りをしていた間も、彼女はあたくしのやりたいようにやらせてくれたし、
余計なことはあんまり言わなかったし、しなかった。
あたくしもあたくしで、努めて根を詰めないようにして、のんびり構えるようにしていたので
クロワさんが泣き止まなくても、自分の体が痛くて痛くてたまらなくても
何とかのんびりやってこられた。
わからないことはサヨコが知っている限りのことは教えてくれたし、
幸いなことに彼女は新しい物好きなところがあるから、昔のやり方に固執しすぎたり
我流をとことんまで押し付けたりしないのが、またよかったりした。

「うちらの頃はこうだったけど、今はどうなんやろうねぇ・・・・?」

「今は便利なものが安く出てんのねぇ♪ 買い物に行くとワクワクするわぁ♪」

「まぁ、あんまり無理せんと、ゆっくりやりぃや♪」


万事この調子なので、こっちもマイペースでいられた。
彼女はあたくしのやり方を頭ごなしに否定することもなかったし、
自分が出産した時は復職したのがとても早くて、じっくりと育児できなかったから
今回のあたくしのデリバリーを、一緒に楽しんでいるフシもあるみたいで(笑)。

だから、あたくしの場合。
巷で言われているような、「育児はこんなにも大変!!」という大変レベルに触れずに
毎日ゆったりまったりと、クロワさんと2人の暮らしを満喫している。
爆発しそうになる前に誰かが手を差し伸べてくれるので、差し出された手にありがたく縋ることで
あたくしも安定を手に入れ、クロワさんにも笑いかけられているのかもしれない。
・・・・この時期、近くに実家があるっていうのは、どんなに精神的な助けになることか。
嗚呼、ありがたい、ありがたい(シ_ _)シ



それはそうと、先日、ひーじー&ひーばーちゃんとクロワさんを初対面させた時。
ひーじーちゃんは、嬉しそうにクロワさんを抱っこしながらこんなことを言った。

「そしゃ、えぇにょぼになれよ〜。」

ええにょぼ・・・・。
イコール戸田菜穂(* ̄▽ ̄*) ・・・・そう短絡的に思っちゃうのは何もあたくしだけではあるまい。
何となく意味はわかっていたけれど、一応調べてみた。

ええにょぼ・・・・丹後地方の方言で「美人」を意味する言葉

丹後・・・・京都あたりのことかな?
ええにょぼ。美人になれよ〜、か^^
見た目や容姿の美しさだけじゃなくて、心根のきれいな人という意味での「美人」と、別記にあった。
何となくだけど、いい言葉だなぁと思った。
まだどんな風になっていくのか、親にも本人にもわからない彼女の未来。
色んな可能性がいっぱい詰まってて、欲を言い出せばキリがない。
誰からも好かれるような、いい娘に育ちなさいよ・・・・そう言われているような感じがした。


じいちゃんは奥飛騨の出だ。
同じ岐阜県なんだけれど、特に奥飛騨地方は文化がここらとはまるっきり違う。
京都とは離れているはずなのに、西の文化がけっこう色濃く反映されていることも多い。
日本海側、富山経由でそういう風習が入ってきているらしい。
食文化も、濃尾平野の独特の文化とは隔絶していて、味噌も白味噌。
お雑煮の中身を見ると、餅は丸餅、具沢山で白味噌仕立てだ。
丹後の方言が奥飛騨から拾えることも珍しいことではないようだ。
だから「ええにょぼ」なんていうのも、普通に口をついて出てくるのだなぁ・・・・納得♪
柔らかくっていい言葉だなぁと思った。

目をキラキラさせて、ひーじーちゃんの腕の中にいるクロワさんはきっと、
うちらやひーじーちゃんの期待を裏切らない育ち方をしてくれるんじゃないかなぁと、
何の疑いもなく思っちゃったんですけど、親バカですよ、えぇ、そうですとも♪( ̄^ ̄)
ただ、現実問題そうなっていかないとしても、だ。
今、何の穢れも知らずに、キラキラ笑っているこの子は、ひーじーちゃんの言うところの
「ええにょぼ」の素質は十分に持っているんだなぁと素直に思えた。
それが、うちら親たち、大人たちの生きる希望のような気もして。

↑困るのは母ちゃんだったり( ̄∇ ̄;)

うちの父ちゃんは、よそよりず〜っと娘と仲良しのはずなんだけどね(; ̄ー ̄A
まぁ、長い人生、泣きたくなる夜もあるわな(爆)。

あさみ


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