2004年08月20日(金)
とあるオンラインゲームでの話


まぁ結構有名なオンラインゲームでの話。


あたくしはここで、結構単純なパズルゲームや、対戦型少人数制のゲームなんかをして
ちょこちょこ遊んだりするんだけど、まだベータ版のお試し期間中のゲームで遊んでいた時のことだった。
4人対戦型で、対戦部屋には他の人も自由に出入りできるようにもなっていて、
互いにチャットもできて、お互いに意気投合すれば、友達になったり、メーラーを介さない
独自のシステムでのメールのやりとりなどもできるようになっている。


奇しくも只今、夏休み。
子供がウジャウジャいる(爆)。
まぁ、PCの向こう側で、あぁでもないこうでもないとやりあっている相手が、
まさかみそじのオバチャンだなんて、小学生らも気付かないとは思うんだけど、
コイツ、絶対小学生!!とわかるポイントが1つだけある。


それは、挨拶も早々、年齢を聞いてくることである。
中学生・・・・高校生以上くらいになると、女性アバター使用者に対して年齢を聞くというのが
失礼にあたるということくらいはわかってくるのだろう。
しかし、小学生は無邪気だ(苦笑)。
PCの向こう側に、自分と同年代の人々を探そうと必死になっているのである。
まぁ、ただそれだけの話だから平和は平和なんだけど、いきなり


「なんさいですか?」


と、平仮名で聞いてくると、こっちも正直、参ってしまう( ̄∇ ̄;)


「ぼく、11」

「( ̄∇ ̄;)」

「あさみさんは?」

「あはは・・・・ひょっとしたら、あなたのお母さんたちと同じくらいかも(苦笑)」

「40くらい??」

「いやいや、さすがにもうちょっと若いけどさ」

「じゃあ、30くらい?」

「ま、そんなとこw」



とはいえ、向こうもこっちが大人だからといって、ゲームの内容で容赦をするわけでもなく、
楽しく対戦は進んでいたんだけど、4人で対戦中に、1人の少年が観戦者として現れた。
すると、さっきまで喋っていた11歳の少年が、露骨にチャットで嫌がっているような表現をし始めて
遂には、その観戦者を部屋から追い出す「追放システム」を発動させたので、
穏やかではないな・・・・と思っていた。


「ただ見てるだけじゃん! 追放はないだろ?」

「お前には本当に嫌な思いをさせられた。」

「俺は変わったんだよ! 信じてくれよ!」

「あさみさん、だまされちゃダメだよ。」



おいおい・・・・( ̄∇ ̄;)
話をこっちに降るなよ(苦笑)。
すると、観戦していた少年が自己紹介をし始めた。


「ぼくも11歳です。」

「あらそう♪ よろしくね。」

「あさみさん、相手しちゃダメだよ。」

「何でだよ!? 俺はもう変わったんだってば!
アバターだって沢山もらえるようになったし、信用してもらえるようになったんだ!!」


「どうせ、人気度集めにきただけだろ? 帰れよ。」



このゲームシステムには沢山の機能が付いていて、何十種類・・・・そろそろ100種類くらいになるのか?
そのくらいのゲームがあるんだけど、統一したシステムの中に、対戦者からの印象を計る度合いとして
「人気度」というものも搭載されている。
あたくしは、そんなものは見向きもせず、色んなサーバーに顔を出したりゲームそのものを
楽しむためだけに起動させているので、実は自分の人気度が今どのくらいあるのかも
知らないまま遊んでるんだけど(笑)、子供たちにとっては、その「人気度」というのが、
結構重要な目安になっているらしく、争点はそこへ集約されて、少年たちのケンカも
明らかに拍車がかかってきた。


「あさみさん、どう思う?」

「うーん・・・・。」

「コイツはただ、人気度が欲しいだけなんだ。どうしようもないヤツ!!」

「あのね・・・・私が言うことじゃないと思うんだけどね、
ここはゲームをするところで、人気度をどうとかっていうのは後からついてくるものだと思うのね。
それに、さっきアバターを沢山もらったとか言ってたみたいだけど、
そういうのも、自分のお小遣いで何とかできるようになってから、色々楽しむべきなんじゃないかなぁ?」


「・・・・・・・・。わかった。あさみさん、アリガトウ。」



やっとコトが鎮まりかけたその瞬間、この少年は信じられない言葉を吐いた。


「じゃあ、最後に、人気度ちょうだい。」

「( ̄∇ ̄;)」

「ほら、全然変わってないじゃん!」

「どうやら、彼の言っていることの方がスジが通ってるような気がするんだけど。
・・・・どうかな?」


「俺は一番になりたいだけなんだ!」

「はぁ?」

「あさみさんは女だからわからないかもしれないけど、
オトコは常に、理想を追いかけていたいんだよ!!」


「それが人気度かよ。どうしようもねぇな。」

「人気度がないと生きていけないんだぁっ!!」



その言葉を最後に、ずっと傍観していた、残りの2名も嫌気がさしたのか、追放に同意(爆)。
理想を追いかけ続ける少年は、部屋から追い出されたのであった。


このゲームシステムには可愛いアバターが何百種類と用意されていて、買おうと思えば、
コンビニのオンライン決済で、子供たちでも買うことができる。
昨今、ネット上でのトラブルから、小学生にインターネットをさせること事体に警鐘を鳴らし、
学校での特別授業でも、メールのやりとりやチャットの仕方、ブラウザでクリックしてはいけない箇所
なんかも先生たちが必死になって教えているようだけど、まだまだその教育は浸透していないようだ。


多分、年齢のやりとりを聞いていたその場にいた人たちは、「あさみさんは女だから」の下りで、
PCの前で吹き出したんじゃなかろうか?(爆)
キミがオトコの理想を語るのは結構だけど、そんなキミの3倍近くの年数を生きてきて、
こっちはこっちで10倍じゃきかない数の男たるやを見てきてるんだ(笑)。
いつまでも少年のように、自分の理想を語ってくれる「オトコ」とかいう生き物は
嫌ってほど見てきたんですけどね・・・・そうか・・・・原点を見られた気がしたぞ(爆)。
丁度この年頃の少年には既に、「何かで一番になりたい」「皆に認められる存在になりたい」
=「モテたい」という欲求が、きちんとした形で芽生え始めてるんだなぁ。
まぁ、ケンカの相手はひどく冷静で、きっとネット慣れした子なんだろう、
インターネットの架空の世界の中での価値観については、大人と同じ見解を持っているようで、
こっちの子の方が、正論を言っているように見えたので、あたくしも彼が下した追放審議に
遂に賛成票を入れてしまって、ギャーギャー騒いでいるオコチャマの方に出ていって頂いたわけ。
同じ11歳の少年だというのに、この差は一体何なんだろう・・・・?と、奇妙な感覚が襲った。


十人十色・・・・人にはそれぞれ個性があって、同じ年数を生きてきたからって、
同じように成長するわけじゃない。そのくらいはわかっている。
さっきの「理想坊や」と同じようなことを20歳になってもほざく、たわけたオトコも
実際五万といるわけだし、そうかと思えば、まだ就学年齢に達していないけれど、
きちんと礼儀をわきまえた子もいる。


ただ、ひとたび、ネット上に出てしまえば、顔は勿論、性別も年齢も簡単に偽ることができるし、
それを信用するか否かは、個人の責任としてかぶさってくる。
あたくしは、年齢や性別を隠してまで、誰かと交流を持ちたいなどとは思っていないので、
聞かれれば正直に答える方なんだけど、それだって、裏目に出てしまうことがある。


ただ、嘘を1度つけば、更なる嘘を呼ぶ。
そういうのが嫌だから、裏目に出ても、あたくしは自分について偽ることはなるべく避けるようにしている。


この一件があって後日。
このゲーム専用のメールシステムに、1通のメールがあった。
あたくしはあんまりそこを開かない。新着で届くメールなんてほとんどないからだ。
届いていたメールは、冷静な少年の方からあたくしへの人気度アップ通知だった(苦笑)。
大人だったから・・・・という理由で騒ぎに巻き込んだ、せめてもの御礼の仕方だったのかもしれない。
まぁ、苦言といえば苦言なんだけど、教えてあげなきゃいけないことはその場にいる人間がした方がいい。
あの場所では、たまたまあたくしがそうだっただけで、この手の騒ぎはあたくしの知る限り
毎日のように、あちこちのサーバーで頻発している。
子供の多いこの時期は余計にそうだ。
冷静な少年が寄越した、そのメールに苦笑しつつ、せめて、返事くらいは書こうかなと
返信だけしておいた。

↑妙なところが義理堅いアサミンジャー(爆)

世のお父さん、お母さん・・・・。
子供たちは、結構、オンライン上で言いたい放題のやりたい放題です。
オンライン上では、大人も子供もなく、情報は常に行き来しっぱなしですから、
はっきりと、何がいけないことで、何が最低限のマナーなのかを教えておくべきです。
相手が大人とは限らないのだから。
オンライン上で子供同士のケンカが勃発したら、結構厄介ですよ・・・・。
学校で教えたほうがいいと仰る方も多くて、あたくしも、そっちに賛成なんですが、
家にPCがあって、子供の手の届くところで自由に使用できる状況ならば、
それに対し、親がきちんと監督責任義務を負わねばなりません。

家にPCがない場合・・・・ネット上のトラブルの危険ばかりを教えるのではなく、
人と人との関り方を丁寧に教えるだけで、きっとその子は何かを得るはずです。
操作は学校に、マナーは家で。
これは鉄則ですね。。。。

あさみ


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