2003年12月08日(月)
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忙殺の師走/それでも守っていかねばならぬもの |
普段は穏やかな坊さんさえ走ることから、12月は「師走」というらしい。 2月に本番を控えた我々の「師走」は、正に忙殺モノなのだが、昨日の驚愕事実は、 今日のうちにビデオで復習して、前にヒトミ先生に言われたことをしっかりと思い出した。
プリンタの調子が思わしくないので、新調したものの、先週は様々な事で生活そのものが 正に忙殺されて、インストールやセットアップの暇もなかった。 「師走」だもの・・・・年賀状の支度、というのがある。 あたくしの分は、別に年が明けてから、DMを兼ねての葉書や書状を出すことでも補えるが、 家族のものはそうはいかない。 外に働きに出ていないあたくしは、そういった意味で、年末年始のこのような 「家庭」に帰属する付き合いの管理一切を任されている。 誰それさんからは今年の年賀状を頂いているけれど、来年分は如何したものか?とか、 何処そこさんからは、喪中の葉書が来ているからそれはとりあえず省いて・・・・だとか、 直接あたくしの関与しない付き合いであっても、やっぱり他所様に失礼があってはならない。 年に一度か二度の書状であっても、こちらの達者を報せるべく手段でもあり、 しかも、我が家は客商売をしている手前、そういうことに重きを置く。
とはいえ、一時期、1000通を越える賀状を出していた頃に比べれば、 今は店そのものが株式会社になったので、挨拶状云々はそちらで処理していただけるので、 随分とこっちの負担も軽減されたのだけど・・・・。
普段、家事一切をサヨコに任せっきりなので、こういう作業くらいは手伝わねばと 自分でも思っている。 12月がいつも忙殺されていくのはわかっているものの、あたくしがこの「家庭」で 「居場所」として確立された、唯一の作業だったりするからだ。 店との関与がなくなった「我が家」からの賀状のデザインもあたくしに一任される。 毎年、毎年、サヨコと綿密に相談しながら、2パターンくらい作成する。 古い親戚の付き合いの方へはこちら、お友達や親しい付き合いのある人たちへはこちら、と 使い分けながら・・・・。 身体が怠くて、思うように動かない時でも、数分、数十分、数時間の単位ででも起き上がれるのならば 出来る作業だ。
毎日、毎日、家事をやっていてくれるサヨコ・・・・家事は彼女の得意分野でもある。 PCに関しては、疎い。 でも、年に一度の賀状くらい、気に入ったものを安価で創りたい・・・・そういう気持ちだってあるのだ。 いつだったか、新しい店のオープンを報せるのに、完成予想図のエレベーションを PCに取り込んで、それを賀状にした。サヨコの願いだった。 あたくしは別デザインのものを創って、それを賀状にしたけれど、彼女は喜んでくれた。 その様子を見て、あたくしも嬉しかった。 今年もこの家で暮らせるんだな・・・・そんなことを感じた。
すごくささやかな事なんだけど、それにサヨコだって、こんなことくらいで 「置いてやってるんだ」みたいな恩は着せないことはわかっているけれど、 それでも、あたくしにはやっぱり「居場所」が必要で、そのためにはやっぱり、 自分も自分以外の人も納得できる何かを生産してこそなんだろうな・・・・と思う。 まず、自分が納得できないと寂しい。 他からの評価はそれからだ。
今年も思っている。 自分のものはとりあえず後回しにしても、サヨコの喜ぶ顔が見たいなぁ・・・・と。
それが、自分の「居場所」に繋がるかどうかはさておき、「ありがとう」という言葉を 素直に言えたり、聞けたりする、そんな環境はやっぱり自分で作っていかないとダメなんだ、 ということを、あたくしは随分前に気付いているんだから、それを実行しなければならない。 相手が赤の他人でも、肉親でも、同じように・・・・。 最近、「ありがとう」と「お願いします」を口にする回数が増えたと自分で思う。
稽古場に通えば、それだけ回数が増えるというのは当たり前なんだけど、 それだけじゃないような気もしている。 サヨコやぷよ2に対しても、ここのところ比例してその回数が増えている気がする。
忙しさにやられて、肝心なところまで荒ませるようなことがあってはいけないと、 無意識のところで、あたくしは口にしているのかもしれないなぁ。
衣食が足りているとはいえ、そうはいっても、陰には膨大な借金とかがあったりして、 平和なように見えて、実は火の車の我が家・・・・。 稼げない食い扶持がひとりいるだけで、随分と違うだろうにと、自分を責めてみたこともあったが、 両親が「そんなことをするな。」と言ってくれた。 みっともない娘に見えないように、必死に守ってくれている。 体裁とかではなくて、あたくしが一人の人間として生きていけるように、守ってくれているのだ。
だから、舞台にも立てるんだと思う・・・・モノも書けるんだと思う。 こんなにありがたいことがあるだろうか。
「ありがとう」・・・・そしてこれからもよろしく「お願いします」。
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