2003年03月05日(水)
「アヤちゃん」コンプレックス症候群


この話は・・・・そうだなぁ。
昨日の診察で飛び出した言葉の裏側を巡るような話になるんだけど、
最初に付記しておきたいのは、世の中の「アヤ」ちゃんと呼ばれる人々が
皆、コレに当てはまるかというとそうではなくて、
たまたまあたくしの周囲にいた「アヤ」ちゃんがこういう感じの人ばっかりだった・・・・
という他愛のない話なので、全国の「アヤ」さん・・・・恨まないで。


もうひとつ、付記しておくならば、
あたくしが今でもつきあっている、高校時代の友人の「アヤコ」も多分、
この「アヤ」ちゃんの中に区分されてもおかしくないのだけど、
あたくしは、彼女といつでもサシで向き合ってきたので、
この話とはあんまり関係がない・・・・と自分でも思いたい。







「アヤ」「アヤコ」 あたくしの周囲にいた(いる)「アヤちゃん」と呼ばれる女の子には
面白い共通点があるのに気がついた。

�―�の子らしくて、可愛らしい。
不思議なほど、そういう少女が多かった。高校時代、学年の中で1、2を争う人気美少女もまた
アヤちゃんなのであった。

��美人でスタイルがいい。
人気美少女なのだから、美人でカワイイのは当然。小柄なアヤちゃんは当然小顔。
そして、長身のアヤちゃんもスレンダーで細い。

��常に、男子目線に合致する「何か」を演出するのが上手
あたくしがコンプレックスを抱く、一番のネックであるポイント。
アヤちゃんは、いつでもそのポイントを押さえていた。

�い修靴董◆嵶�」に於いてもいつでも「正攻法」が許される。
アヤちゃんがフラれている話をあたくしは聞いた事がない(笑)。
アヤちゃんにフラれたという話はそれこそ星の数ほど聞いた。





あたくしは、
「こういう女の子がいて、その子のことをとても羨ましいと思ってたんだけど、
だけど、やっぱり自分はそういうふうになれないし、こういう女の子の事が嫌いなんだ。」

と、昨日オーアエに話したら、やっぱり笑われて、
「そりゃ、『アヤちゃんコンプレックス』だな。」
と言われた。


そう・・・・あたくしは、アヤちゃんコンプレックスなのだ。
認めるよ。
だって、アヤちゃんとは全く別の世界にいたのだから、
彼女のことが羨ましいとも、憎たらしいとも思ってきたのは事実だし、
彼女たちとは別の方法で、色んな問題に対峙してきたことも事実だし・・・・。


でも、同じ女の子なのに、どうしてこうも違うのかなぁ・・・・とも思っていた。
同じことでも、アヤちゃんがやるのとあたくしがやるのとでは、成分そのものが違うらしい。


高校時代の、とあるアヤちゃんの話をしよう。
彼女は、同じ学年の男子の憧れの的で、違うクラスの男の子と既に交際していたのだけど、
彼女の人気は衰えを見せず、常に校舎の中は彼女の話題で持ちきりだった程だ。
三つ編みのおさげや、ポニーテールがとても似合っていたアヤちゃん。
そんな彼女が、ある日突然、何の理由もなくボブカットくらいにぷつんと短く髪を切って登校してきたのだ。
彼氏と別れたんじゃないか・・・・とか、
何かすごい心境の変化があったんじゃないか・・・・とか、
色々な噂が飛び交っていたのだけれど、当の本人はとてものほほんとしていて、
クラスの女の子たちさえ「わぁ〜! どうしちゃったの!?」と彼女を取り巻く中
当のアヤちゃんは「別に何でもないわよ。」といつものように笑顔を浮かべていた。
アヤちゃんが髪を切ったという噂は、次の休み時間には学年中に知れ渡っていて、
あたくしたちのクラスの廊下に、男子生徒の人だかりが出来るほどだった。
この時ほど、あたくしは凄すぎるアヤちゃん人気を痛感したことはない。
当時、彼女と同じくらいに髪が長かったあたくしが、同じように何の理由もなく髪を切ったとしても
この人だかりは出来ない(笑)。
凄いカリスマ性だなぁ・・・・と、あたくしやあたくしと似た価値観の女子は
半ば感心しつつ、半ば嫉妬みたいなものを抱え、
でも、自分たちには関係ないことだなと認識すらしていた。
しかし、たかが、髪を切ったくらいで、この騒ぎ・・・・。
アヤちゃん見たさに集まってくる男子生徒にあたくしは魅力をあんまり感じなかった(笑)。


近所に住んでいた、1つ年下のアヤちゃんの話をしよう。
彼女はあたくしよりも1つ年下だったので、勉強や運動で特に比べられることもなくて、
幼馴染だったけれど、あたくしの方に割と権限があるような図式になっていたので
彼女が本当のアヤちゃんであるのを知ったのは
彼女が同じ中学を卒業して、あたくしとは別の高校に進学していった時のことだった。
近所に住んでいたアヤちゃんを付狙うようにして、彼女の通う高校の校章をつけた
男子が近所をウロウロするようになったのである。
この様子を見て、あたくしは彼女がアヤちゃんだったことを思い出したのである。
近くにいたから、彼女が美人であることや勉強が良く出来ることや、
楚々としたお淑やかさを備えていることや、ピアノを見事に弾きこなすこと、
そしてそれが、同じ年頃の男子生徒の心をぎゅっと掴む要素だというのに
全然気がつかなかったのである。
彼女は、学区内トップの進学校に進んでいった。
その中でもアヤちゃんは、アヤちゃんらしさを忘れずに、
生活し続けていたのだ。
幼馴染だった彼女が、遠い世界へ行ってしまったような気がした・・・・。


直接、関係はないけれど、あたくしの親友でもあるアヤコも
やっぱり、アヤちゃんなのかもしれなかった。
あたくしはアヤコにオトコをとられた(爆)。
でも、アヤコはあたくしに何故か詫びを入れてきた。
何でだろう・・・・。
アヤコも御多分に漏れず、アヤちゃんでいられたはずなのに、
あたくしに頭を下げてしまった。凛としていれば、そのままずっとアヤちゃんでいられたのに。
アヤコは小柄だったが、すごくスレンダーで、制服も良く似合った。
髪はサラサラで、顔も小さくて、明らかにモテる方だった。
彼女に接触を持とうとするのは、同学年よりも先輩が多かったのは、彼女の醸し出している雰囲気が
普通のアヤちゃんと違って、幾分大人っぽかったせいかもしれない。
アヤコのことも・・・・あたくしはずっと羨ましくて、心の中で指を咥えていた。
アヤコは凄く頭が良くて、仲が良かった6人の中でも一番最初に国立の推薦枠で進学を決めた。
ただ、普通のアヤちゃんと違って、クールで凛としているところが、
あたくしが本当に羨ましいと思っていた部分でもある。
彼女は、あたくしが持っていないものを全部持っていたから、それが凄く羨ましかったのだ。
アヤコは後に、「自分は夕雅の方が羨ましい・・・・」などということを
1回だけ、ポツリと漏らしたことがあった。
アヤコはアヤちゃん生活に疲れていたのかもしれない。




全然、別切り口のアヤちゃんもいるにはいた(笑)。
高校時代に、同じ学年ではなくて1つ上の学年の人たちが「この学年の中で誰が美人か?」
という人気調査をしたとかいう噂が、あたくしたちの耳にも入ったことがあった。
あたくしは、面白半分にその話を聞いていた。
きっとまた、あのアヤちゃんが断突の人気で、対抗馬なんかいるはずもないと思い込んでいた。
まぁ、もしいたとしても、●●ちゃんだなとか▲▲ちゃんだなとか、
別のアヤちゃん予備軍のメンバーのことを思っていた。
この話を持ってきたのが誰だったかは忘れたけれど、
あたくしと同じヤードにいた女の子だったと思う。サナエであるとか、そういったメンツ。
そういう下世話なランキングを作るのは1つ年上とはいえ、
それこそアヤちゃんに群がるような男子だろう。
そういう人たちの情報なので、多分、本当のことなのだろうけれど、
あたくしはそのランキングを見て絶句した。


同じクラスに、もう1人、別のアヤちゃんがいたのだけど、彼女が一番人気だったのだ。
このアヤちゃん。普段から、特に男子たちに騒がれるようなタイプではなく、
今から思い起こせば、頭も良かったし、真面目な感じはしていたのだけど
このようなランキングにトップで登場するタマではないと誰もが思っていたのだ。
それが、学年1つ挟んだところでは、彼女が200余名はいるかと思われるうちらの学年の中で
一番人気だったというこの事実に、あたくしらはある意味で目を丸くした。
だって、本当に普通のアヤちゃんで、例のアヤちゃんではなかったから。


そして、本当にあたくしの度肝を抜いたのは、そのアヤちゃんの対抗馬として、
あたくしの名前が挙がっていたことだった。
この事実は本当に「??????」だった。
そりゃ「美人」と言われて悪い気はしないけれど、
そういう目で見られていることに苦痛みたいなものを感じた。


その苦痛を、もしあのアヤちゃんたちが感じているのだとしたら・・・・
彼女たちは、男子たちの期待やイメージを壊すことなく、日々生活しているのだ。
それには相当のパワーが要る。
あたくしはそれに気付いて、オーアエにも言った。
「ひょっとしたら、あのアヤちゃんたちも苦労してたのかも・・・・幸せなんかじゃなかったのかも。」
と。
そう言ったあたくしを見て、オーアエも無言の同意を示していた。





そういえば。
あたくしが高校1年の時、同級生のお姉さんが3年生にいて、
その人は、うちらの学年でも相当有名な美人だった。
いや、学年だけにとどまらず、学校中が騒ぐような凄い美人だった。
高校在学中に、既に市内の何かのお店の広告モデルになるくらいで、
だから、小さな田舎町全部が騒ぐような美人であるということになる。
悪い噂は一切聞かなかった。
多分、性格も凄く良かったのだろう。
あたくしにとっても憧れの先輩だった。
その人もきっと、アヤちゃん的苦労を背負っているんだろうと思いつつ、
その先輩の下の名前をガツンと見せ付けられた時のあたくしの絶句加減は壮絶だった。
決して珍しくない名前なのだが・・・・
あたくしの本名と同じな上、何と字までもが同じだったのだ( ̄∇ ̄;)


こういう人に巡りあうのは凄く珍しい。
この時、本当に「こういう人になりてぇ・・・・。」と素直に思った。
あたくしの本名(下の名前)は、それこそクラスに2〜3人はいるようなありふれた名前で、珍しくない。
でも、あたくしの字は、学校でも1人いるかいないかくらいに、珍しい字だった。
難しい字ではないけれど。


だから、ひょっとしたら、いるかもしれない。
あたくしと同じ名前の人たちを憧憬の眼差しで眺めつつ、
「●●ちゃんコンプレックス」として抱えてしまっている人も・・・・。


余談だが・・・・。
実際に高校3年の時に、あたくしのことが羨ましいと言った子がいる。
彼女はクラスの中でもそれこそ1、2を争うような美人で、
それこそ名前はアヤちゃんではなかったけれど、
それに準ずるくらいに、やっぱりありふれた上に、あたくしが「羨ましいな」と思っている部類の名前だった。
ミキちゃんという。
あたくしが出会うミキちゃんも、アヤちゃんと同じような特徴を持っていて、
女の子らしくて、可愛らしくて・・・・といった人が多かった。
特に、このミキちゃんはあたくしが憧れの的にしたい凄い美人で
アヤちゃんとはちょっと違った魅力を持っていたので、
彼女の口から、「私、夕雅ちゃんのことが羨ましいな・・・・」 と零された時は、
一瞬、この人は何を言い出すんだろうと、怖いくらいだった。
その時に相談された内容は、オトコがらみのことだったから、話をしている間中
憧憬が転じて、刺されるんじゃないかと気が気じゃなかったことも、よく覚えている(苦笑)。
あたくしにしてみれば、彼女こそ、オトコには不自由しないだろうと思っていたのに
いつもアヤちゃんチームにいたはずのミキちゃんが
「一度、夕雅ちゃんとゆっくり話がしてみたかったの・・・・。」
と真剣な顔をして言われた時には、マジで背筋が凍る思いだった。
何故、あたくしと話がしたかったのかというのは、すぐにわかった。
あたくしが当時突き放したオトコと、ミキちゃんがつきあっていたオトコが仲良しだったらしく、
よく、あたくしの元彼に相談にのってもらっていたのがきっかけだったらしい。
あたくしにとっては何でもないオトコだったけれど、ミキちゃんの相談にのっていたあたくしの元彼は
彼女にとって、とても素敵に見えたらしい。
確かに見た目はいいオトコだったけれど、あたくしにはそんなに込み入った話はしてくれなかった。
多分、ミキちゃんだから、色々と話したんじゃないかなぁ・・・・と、ここでも
あたくしは隣の芝生が青く見えて、やっぱりミキちゃんのことが羨ましく見えたものだ。
ミキちゃんは言った。

「あんないい人を、本気で惚れさせられる夕雅ちゃんって、
どんな人なんだろうって・・・・単純にそれが知りたかったの。」


あのオトコが・・・・? あたくしに惚れていた・・・・?
初耳だぜ( ̄∇ ̄;)


「か・・・・彼とはね、あたしの方が別に好きな人が出来ちゃって
それで別れたんだけど・・・・好きでいてくれたなんて、知らなかった。」


「今でも、私にすごく自慢するよ、夕雅ちゃんのこと。
本当に好きになった最初の人だったって。」


「え・・・・そんなの、知らなかった。
別れる時も、特にこじれなかったの。『そうか・・・・』ってそれだけ。
・・・・だから、それだけなのかと思ってた。」


「違うよ! 彼ね、今でも夕雅ちゃんのこと好きなんだよ。
私の彼は、浮気ばっかりで・・・・だから、そこまで好きになってもらえる夕雅ちゃんが
何かすごく羨ましくて・・・・。どうすればそうなれるのか、わからないし。
夕雅ちゃんと話してみれば、それがわかるかもしれないって・・・・そう思ったの。」


ミキちゃんは少し思いつめたような表情で、そう言った。
あたくしにしてみれば、こんな美人がどうして浮気をされるのか、それが謎だったし、
あの元彼がそんな彼女に親身になって、自分のことをペラペラ喋るだなんて
まずもって、それが信じられなかった。

あたくしは鈍感で、自分の気持ちしか優先できなくて、
そんな裏事情なんか、ちっとも知らなかった。
明らかに自分よりも秀でていそうなミキちゃんに対して、優越感を覚えることもなかった。
やっぱり、ミキちゃんの芝生の方が青く見えて、それ以上に何も言えなかった。
言う資格なんか無いと思った。

あたくしがミキちゃんのことを憧憬の眼差しで見ていることは
最後まで明かさなかったけれど、コンプレックスみたいなものが膨張していくのはハッキリと感じていた。
彼女のように、自分の気持ちに素直になって、人のことを好きになることができて、
そして、自分のどこに非があるのかをあらゆる手段で模索している彼女が
あたくしの目指すところの「心美人」にも見えた。
すごいなぁ・・・・と感心すらした。


美しい人・・・・ミキちゃん。
彼女は随分前に結婚して、子供もいるらしい。
いい恋をあれから見つけたのだろうか。
信頼できる誰かを、探しあてられたのだろうか。
そうであってほしい。
彼女とはその接点で以外、特に仲が良かったわけではないけれど、
あの話をした時には意外な一面を見た気がして、
人それぞれ、色々な悩みを抱えて生きているんだなぁと、
コンプレックスなんか持つことなどないんだと、自分のことを見つめるのにいい機会となった。


だけど、あたくしの中にかなり前から蔓延ってしまっている
「アヤちゃんコンプレックス」・・・・。
これはそう簡単に拭い去れそうもない。
あたくしの周囲に、かわいいかわいいアヤちゃんがいる限り、
自分の中にはないアヤちゃん的要素と素の自分とがガンガンぶつかるのだろう。


最後に、念押しの為にもう一度、申し加えておきます。
もしこれを読んでいる人がアヤ、アヤコなどといった名前でも、
あたくしはそういう人を無差別に攻撃しているわけではありません。
たまたまあたくしの周囲にいたアヤちゃんがそうであったという
奇妙な偶然が、こういった形での「コンプレックス」になっただけで、
登場する彼女たちにも、本当に何の罪もないのだから。

↑汎用的な名前なのにね・・・・。

あたくしにとっては、とことん根の深い名前のようだ(苦笑)。

あさみ


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