リョウヘイちゃん(弟)は、昨日の金八が2時間スペシャルだったものだから、 最終回だと勘違いしていたようだが、最終回は来週です。 でも、見せてくれるんだよねぇ・・・・この番組は。 あたくしね、原作・脚本担当の小山内美江子さんには、 本当に尊敬の念を隠し切れないんですよ。 再放送も含めて、ほとんど全部のシリーズを網羅してるんだけど、 本当に、この本は良く書けている。 作者の研究熱心さが滲み出ていると思う。 あたくしもブックマークをかけて読ませて頂いている、とある方の日記には 「いじめっ子」の描写が甘い・・・・という批評が載っていましたが、 あたくし、今回のシリーズでは、あの程度の描写が一番妥当だと思います。 そうでないと、作品全体のバランスが取れないし、何せくどくなる。 おまけに「いじめっ子」の描写は、前シリーズで 風間俊介が演じた「兼末健二郎」の下りで、死ぬほど描ききっているからです。 おまけに、その「兼末健二郎」こと、風間俊介は 今シリーズにもガンガン出て来ています(幸作がガンだから)。 「いじめっ子」の知られざる背景は彼が背負っているので、 これ以上の描写は、必然的に不必要となり 追求を重ねると他が甘くなります。 大体、「いじめっ子」にフォーカスを当てだしたのは、 その前のシリーズで小嶺麗奈が演じた「広島美香」の暴れぶりで 取り上げられて、「兼末健二郎」はそのハイパーモードともいえるので 今回、そのテーマから離れる・・・・言わば、金八が適切に対処するというのも 極々当然の姿だと、あたくしには見えた。 また、テーマが絞りきれていなくて未消化と、その方は仰ってましたが、 制作者側が当初掲げていた課題は、見事にクリアできていると あたくしは感じています。 その課題というのは「性」と「人権」 とりあえず、最終回(お決まりの卒業式シーン)までにどうにかこうにか カタがつきそうでもあり、2クールまたぎでやっただけの、紆余曲折さ加減も あのあたりが限界かつ妥当なところだと、あたくしは見ている。 未消化に感じた方。 反田孝之や小嶺麗奈が出演しているシリーズと、 風間俊介や岡あゆみが出演しているシリーズで、未消化な部分を満たされることを お薦めいたします。 どちらも、及第点以上の出来映えだと思います。 また、安易に仲良くさせすぎとの感想もあるようでしたが、 安易に仲良くなっているように見えて、あの年頃の半年間というのは 人間関係を大きく変幻させるスパンでもあり、 仲良くなっているから良いようなものの、 あたくしは自分の経験から、 あんなに仲が良かったのに、ほんの数日であっという間に壊れてしまう「友情」 を見てきたからか、 彼らが仲良くしているのを見ると、ホッとさせられもします。 実際に、「金八ワールド」というのは、我々にとっては理想郷かもしれません。 大体、中学時代の友人と今でも箍が外れず、仲良しこよしでいられないかった あたくしなんかに言わせれば、あんな友情は、欺瞞だと言ってしまっても 余りあるくらいです。 でも、やっぱり、あの物語に関しては 平和的に、問題を全て卒業式までに解決して、 何とか皆が大人になっていくのを期待してしまうのです。 東奔西走する一教師が、 今度は学校から校長命令で異動させられるかもしれないそうです。 子供たちの問題のみならず、先生も頑張ってるんだなぁ・・・・ あたくし、昨日の放送で、一番泣けたのは、 ミッチーが改心したシーンでもなく、直が合格の報せを持ってきたシーンでもなく、北先生の土下座シーン ホントにね、中学生のキモチを忘れてしまったわけじゃないんだけど、 何だか、この不況の折、大人たちの折衝加減に胸を打たれてしまった。 直の気持ちもわかる。よくあそこまでやったもんだ。 (小山内万歳・・・・。) ミッチーの気持ちもあたしは痛感できた。<前シリーズの流れから だけどねぇ・・・・。 この期に及んで、北先生があんな行動に出るとは 予想外だった。 てっきり、あの高慢で嫌な校長の後にヘーコラしてついていくものだと思った。 中学生役の子供らの演技は清々しくて、たどたどしさもご愛嬌だが、 金田明夫氏のあの演技に、あたくしは心を打たれた。 とにかく、今回の「金八」のテーマは「いじめ」ではなく 「性」と「人権」であったことを忘れてはならない。 小山内美江子という人は、常に現場の最先端を勉強なさっているようだ。 果てしなく続く、「いじめ」の輪廻を大々的に取り上げたのは もう何年も前のことだ。 そして今でもその「いじめ」はなくならずに現存しているけれど、 彼女の功績によって、何かしら得るものがあった現職教師の方々も いらっしゃったのではなかろうか。 たとえ、少数だとしても・・・・・・。 あたくしらの時代にも陰湿ないじめはあった。 スポットは常に、いじめられる側に当たっていた。 今でも、いじめはなくならないらしい。 が、いじめる方にもスポットが当り始めた。 あたくしの記憶が正しければ、 小山内先生がそのスポットを広く大衆に広めた時期とリンクしている気がする。 上手にメディアを利用した、いい例だが、 これだけで全ての問題が解決するとは思わない。 理想郷での1つの例に過ぎない。 だけど、あたくしが思うのは、 どうせ、TVの中での話よ・・・・・・で終わらせてほしくないということ。 「どうせ・・・・・・・」の前に、色々と考えることがあるだろうということ。 この番組のエンドロール(クレジット)には、必ずといっていいほど 毎回、違った種類の参考文献が紹介されている。 要するに、小山内先生がこれらの本、全てを必ず読んでいるということだ。 そのへんを理解した上で、例えばあたくしが自分に子供がいたりしたなら 「教育」とは・・・・というのを考えたいな、と思うのである。 最後になりましたが、Sさん・・・・・。 金八批評を勝手に引用してしまってごめんなさい。 先にメールでご連絡をと思いましたが、この場で慎んでお詫び申し上げます。 あ、本日、オーアエ決戦日です。 オーアエ決戦記はこちらにご用意してあります。 これに関しては、ベタベタなので、何も言うまい(笑)。 前作、「山田邦平」が読んだのはちょっと驚きでした。 誰が答辞を読むか、というので話題にもなってましたから(笑)。