みつあんずとあんずボーを箱買いしちゃいました。 もうすぐ31歳になる彼が、コンビニで大量に買い込んでおいしそうにかじっているのを見たので。 ちょうどよく、私の住む町には駄菓子問屋街があるのです。 私はあんずってなんとなく苦手で、食わず嫌いでした。 なんでだろ? たぶん幼い頃祖母の家の冷蔵庫に必ずあった、凍ったあんずボーのせい。 彼の家には夏になると絶対にあんずボーがあるそうです。 あんずボーをあんずバー、みつあんずをあんずみつと 言ってしまう私の間違いをわざわざ訂正する彼のかわいいこと。 彼に「一個あげる」と言われて、あーんってかじったときのみつあんずのおいしさ。 「朗報」という件名で、「あんずみつとあんずボー箱買い成功★☆」って送ったメール。 それに対して返ってきたメール。 「マジで!?惚れたぜ!(笑)」 安いビニール袋に入ったあなたへのプレゼントは腕にズッシリくる重さだけど、 電車を二本乗りついで、早く届けたいです。 ボロアパートの階段昇って、せまい部屋のベッドマットに並んで、かじるんだ。 きっとあなたは私にごほうびのキスをくれるはず。 甘酸っぱい、あんず味のキスを。
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