+書置き+ - 2004年10月11日(月) たつた一人のわたしの妹が、わたしを想ひ始めた。彼女の友達やわたしの友達の眼のまへで、いきなりわたしの髪の毛を引き毮るのだ。わたしのフォオクの動かし方が彼女の教へたとほりでないと言って、わたしの詩稿をずたずたに引き裂いて了ふのだ、「一番大切なものを壊してやる――」と叫びながら。いまでは、もうわたしは彼女のものであると信じ切つてゐる、鋼のやうに、鋼のやうに。 (北川冬彦 『戦争』 肉親の章 A momota soji) 暫らく大人しくします。 寡婦のように。 きっとすぐ戻ってくるのだろうけれど。 ...
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