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2008年03月02日(日) 「自分が思いつく程度のことは、誰かが既に考えてること」「問題は、実現までしているかどうか」

 3/3納品分まで2/29のうちに終わらせたので、久々にのんびりとした日曜日。
 こういう仕事から離れていた期間は結構長かったはずなのだけど、不思議と作業効率は上がっていたりして。
 効率だけでなく、クオリティも明らかに上がっている(それでもまだ足りない)。
 別の仕事をすることで、小手先の技術とは違うものが身に付いたのだろうな。
 これも経験の蓄積のひとつか、と思うと、ちょっと感慨深い。

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 技術も経験もボスには劣っているけれど、交渉とアンテナと新分野の知識なら私の方が上。
 できることが違う2人なので、仕事上の棲み分けができている。
 反面、少し困ることもある。

「こういうのがやりたいんだよねー」
「それはもう出てます。こうこうこういうのが」
「前に考えたこういう企画があってさ」
「……それは今まさにブームのコレじゃないですかね」
「……あー」

 そんなものは知らなくてもモノが作れるのに変わりはない。
 ただ、それはスタンダードなものを作ろうとするときに限る。
 斬新なアイデアと思うものほど、類似作品がないかに気をつけないといけない。
 それが(良くも悪くも)衝撃を与えるほど斬新なものなら、当然受け手の心にも衝撃が残ってる。
 ちょっとくらいならクオリティが上のものでも、後出しは二番煎じと思われて評価されない。

 少し前に友人の舞台を観に行った。
 その時の上演作品が、某有名作品のアイデアの三番煎じくらい。
 しかも比較すると数段面白くない。
 パンフには、脚本家のコメントとして「○○や××という作品と似てるらしいですが、僕はそれらを観てません!オリジナルです!」というようなことが誇らしげに書いてあった。
 ……のだけど、観てる方にとってはそんな裏事情はどうでもいい。
 要は目の前にあるこの作品が面白いかどうか、対価を払うほどのものかどうかが重要なのであって、作り手が類似を知ってるかなんてのはむしろ邪魔な情報なわけで。
 むしろ最初は知らなくても、誰かに似てると突っ込まれた時点で、その作品をチェックするくらいの気概がないとまずいんじゃないのかしら。
「俺はそれより面白くしてやる」とか「ここで差別化を図ろう」とか、「くそーコレ面白いな。いっそオマージュしてやる!」とかさ。
 少なくとも私はその舞台を観た時に、「これならチケット代で○○と××のDVDをレンタルして家で観てる方がよかった」と思ったよ。

 芸術家のプライドに障ることなのかもしれないけど、少なくとも読み手の評価を求めるなら必要な作業……だと思うんだけどなあ。



「そっか……こういうのあるんだねー」
「はい。でもそこのアイデア面白いですし、こうしてみたらイイ感じになると思いますよ?」
「あ! それいいかも!! そしたらこれをこうすれば」
「オウ! それならここがこうなって全然違うものに!」

 私は0を1にする能力はないけど、1を10にする手伝いはできる。はず。