メジャー経験のあるプロ野球選手から球団のフロントに転身するという珍しいキャリアを持つビリー・ビーン(ブラッド・ピット)。 風変わりで短気なその性格は、若くしてアスレチックスのゼネラルマネージャーになってからも変わらなかった。 自分のチームの試合も観なければ、腹が立つと人や物に当り散らすという、癖のあるマネジメントを強行。 そんな変わりダネが経営するアスレチックスは弱かった。 しかも、貧乏球団のため、優秀で年俸の高い選手は雇えない。 だが、野球経験はないものの、データ分析が得意なピーター・ブランド(ジョナ・ヒル)という球界の異分子と出会ったことで、風向きが変わり始める。 ビリーは後に“マネーボール理論”と呼ばれる“低予算でいかに強いチームを作り上げるか”という独自の理論を実践。 だがそれは同時に、野球界の伝統を重んじる古株のスカウトマンだけでなく、選手やアート・ハウ監督(フィリップ・シーモア・ホフマン)らの反発を生み、チーム状況が悪化。 それでも強引に独自のマネジメントを進めてゆく。 その揺るぎない信念は、徐々にチームに勝利をもたらし。。。
自分の試験と家族の諸事情によりすっかり映画情報に疎くなっている私…。
今日も、たまたまタイミングが合う回があり、「ブラピが出ている」「なんか野球の話し」ぐらいしか前知識が無い状態で見に行きました。
いやー。 これは素晴らしい作品でした! 予告も1度も見たことなかったし、「ゼロ」状態で見たのがよりプラスに働いたという面もあるけど。
野球(メジャーリーグ)。 マネージメント。 家族ドラマ。
この3つの軸が凄く上手に交差していて、とても見ごたえがあった。 特に、前半はかなりスピーディーで、物語にぐいぐい引き込まれた。
ビリーのキャラクターの2つの顔の描き方が抜群だったね。 ブラッド・ピットの演技も素晴らしかったです。
「静と動」というか「明と暗」というか。 家族・離婚した妻の元にいる娘ケイシーとのシーンと、それ以外のシーンとの対照的な描き方、ビリーの表情がイイ!
ケイシーを演じるケリス・ドーシーちゃんがギターの弾き語りをするシーンが1番印象に残っている人は多いんじゃないかな〜?
彼女の歌声と歌詞と2人の表情。 全てが完璧にマッチしていた。
日本シリーズが終わり、プロ野球もメジャーリーグも今ちょうどストーブリーグの真っ最中。
毎年、戦力外通告された選手のトライアウトの様子なんかを密着した番組があるけど、プロ野球選手の(日本でもメジャーリーグでも)厳しい状況も、この映画では様々と見せ付けられた感じ。
一概に「年齢」で判断は出来ないけど、プロのスポーツ選手の場合、年齢は大きな目安になるのも確か。
明確な「定年」年齢がない世界で、「○○歳だから」レギュラーで活躍できるってわけでもないし、「○○歳まで」大丈夫という補償もない。
1年1年の勝負。 というより、1日1日。 いや、1打席1打席の勝負という現実が描かれていた。
全ては己の実力のみ。 残酷かもしれないけど、実に分かりやすい。
それが勝負の世界なんだよね。
フロントサイドからすると、時には冷酷に契約を打ち切り、トレードしなければいけない場面もある。
1度でも同じ志で戦ってきたチームメイトに、それを宣告するのは本当に辛い仕事だと思う。
しかし、それも勝負の世界の1つ。
選手サイド、フロントサイド、両方の苦悩もきっちり描かれていました。
スポーツニュースや新聞で、ドラフトや移籍、契約更新の話題を目にする度に、この映画のシーンが思い浮かびます。
本当に良い作品だったなぁ。
こういうヒューマンドラマって良いね。
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