貧困と犯罪が渦巻く、ボストン南部。 犯罪者の一族に生まれ、自らの生い立ちと訣別するために警察官を志すビリー(レオナルド・ディカプリオ)。 マフィアのボス・コステロ(ジャック・ニコルソン)に育てられ、忠実な“内通者”となるために警察官を目指すコリン(マット・デイモン)。 2人は互いの存在を知らぬまま同じ警察学校で学び、それぞれ優秀な成績で卒業。 コリンはマフィア撲滅の最前線に立つ。 一方、ビリーに命じられたのは、マフィアへの極秘潜入捜査。。。
“リメイク”とうたっている以上、比べられる(比べる)のは仕方ない事だけど、「死ねない地獄」を描いた『インファナル・アフェア』と「この世を去りし人たち」を描いた今作『ディパーテッド』では、根本が違いました。
東洋と西洋の違いって事なのかなぁ。
レオとマットをはじめ、役者陣の演技は凄く良かったです。 これに関してはカナリ満足でした。 レオファンの私は、前作『アビエイター』とは違ったキャラクターのレオが見れて嬉しかったです。
ただ、どうしても『インファナル・アフェア』を思いながら見てしまう部分があり、、、一緒に見た相方がしきりに言っていたのが、「主人公2人の、双方のボスとの繋がりが薄かった」と。 それは私も凄く感じました。
レオ演じるビリーの本当の上司(警察の上司)を、マーティン・シーンが演じているんだけど、この2人の関係は、トニー・レオン×アンソニー・ウォンに比べると、もう比べる次元にないくらい希薄。 とてもとても潜入させている(している)2人の親密な関係に感じられませんでした。
衝撃の落下シーンなど、オリジナルでは何度見ても「あぁぁぁ…」と悲しくなったものだけど、今作は、レオの表情は凄く良かったけど、2人の結びつきを感じなかっただけに、けっこうあっという間の出来事に思えてしまいました。
そして、「敵」と分かっていながらも、どこか人情味を感じたトニー・レオン×エリック・ツァンの関係。 マフィアのボスを演じるジャック・ニコルソンは、ただただ「怖いオヤジ」化していて、潜入させたコリン(マット・デイモン)との関係も、潜入しているビリーとの関係もイマイチ…。 鋭い演技が光り、圧倒的な存在感、好演のジャック・ニコルソンだったけど、「恐怖のボス」のキャラクターだけでは私はチョットつまらなかったかなぁ。
潜入の通信手段として、今回は携帯電話が使われています。 しかし、「おいおい、あなた達それじゃどう考えてもバレるだろ?」って思わずにはいられないっ。
私、『インファナル・アフェア 1』を初めて劇場で見た時の、最初の取引シーンの、あの緊迫感の凄さは忘れられません。 「モールス信号」というアナログな手法、予想がつかなかった手法を使って描かれた、あのシーンの凄さを再発見した感じです。
オリジナルでは、最初はトニー・レオン側、そして徐々にアンディ・ラウ演じるラウの苦悩へと進み、3部作が終わります。 今作は、主にパート1をリメイクしているので、ラウの苦悩に相当する、コリン側がほとんど描かれていない状況。
2005年4月17日の『インファナル・アフェア 終極無間』の自分のレポに、
ラウの無間地獄映画でした。 この一言に尽きるんじゃないかな。 生きている無間地獄。 死ねない無間地獄。
↑と書いたけど、この物語の1番のポイントは「死ねない地獄」だと思うので…白黒ついちゃうと魅力も減ってしまうかなぁと感じました。
上記に書いたように、東洋と西洋の感じ方の違いと割り切ってしまえば、作品としては良いデキだったんじゃないかなぁ?…と思います。
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アカデミー賞のノミネートが発表されましたね。 賞が全てとは思わないし、受賞したしないはあまりこだわらないけど、1つの目安にはなるかなぁと、毎年楽しみではあります。
『リトル・ミス・サンシャイン』から、おじいちゃんのオリーブがノミネート! 作品もノミネート。 あのオデブな少女:オリーブちゃんが、どんな風に変身して登場するか楽しみだなぁ。
♪BGM〜『ドリーム・ガールズ』サントラ
先のゴールデングローブ受賞に続き、アカデミーもノミネートされたジェニファー・ハドソン。 劇場では、ビヨンセの♪リッスンという曲がプロモVTR予告で大々的に流れているけど、サントラを聞くと、ビヨンセよりジェニファーの歌声の方が凄いっ! ビックリな歌唱力。 CDの封を切って初めて聞いた時、彼女のナンバーの後、相方と2人、思わず拍手が出てしまったくらい。 劇中の歌のシーンも楽しみです。
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■感想予告■(映画見済・感想暫待)
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