2006年04月06日(木) |
劇団四季『コーラスライン』 |
(@新名古屋ミュージカル劇場)
ブロードウェイの売れっ子ディレクターのザックは、新しいショーのため男女4人ずつのコーラス(その他大勢組)を選ぼうと、オーディションを行なうことにした。 ザックはそのダンサー達にさまざまな質問を浴びせ、素顔を浮き彫りにしていく。 その中には、かつてザックの恋人だったキャシーもいた。。。
もはや古典の域に入ってきていると言ってもいいような、この演目。
「この前見に行ったのは、いつだったっけ」と調べたら、ナント6年前! こんなに久々だったとは…。 今回、6年ぶり、通産6度目の観劇でした。
『コーラスライン』に限ったことではないけど、観劇というのは摩訶不思議で、見た時の年齢はもちろんだけど、一緒に見た人とか、見た劇場とか、その時の自分の心境とか体調とか…etc…そうゆう要素によって、随分と印象が変わってくるものです。
私がこの演目を初めて見たが小学生の時で、あまりの性的内容にちょっとビビっって、最初の印象はそっち方面で(笑)強烈でした。
内容というよりも、家に帰ってから、ディアナが歌う♪アイスクリ〜ムコ〜ンの物まねしたり、ラストの♪「ONE」を、脚振り上げながら「どこまで息切れせずに歌えるか」って練習するのが好きだった。
子供の頃は、常にそうゆう印象だったけど、前回6年前に見た時に、自分が大人になったということもあり、初めてポールのセリフに感情移入して、涙したのを憶えている。 ディアナの♪ナッシングに力づけられたのを憶えている。
そして、今回、更に年齢を重ねて見に行ったら、まず舞台全般のシンプルさにとっても惹かれました。
セットは鏡だけ、舞台上は役者が整列する白の1本のライン。 衣装も、ラストの♪ONEで初めてキラキラ衣装が登場するけど、終始だっさいレオタードとダンス服。
「古きモノの魅力を再発見」ってよくあるけど、これもその一種なのかなぁ。
子供時代を含め、若い頃って、学校でも会社でも、誰もが「目立ってなんぼ」っていう意識が少なからずあると思う。 若さというのは素晴らしい特権だし、オチオチしてたらどんどん歳くってくるし、「目立ってなんぼ」の精神っていうのは、必要だと思う。 けど、自分の周りに若者が増えてくると、「あえて目立つようなことを求めなくなってくる」というか、そうゆう事をあんまり考えなくなってくるような気がする。
「主役」や「準主役」ではなくて、「その他大勢の中で、そこそこポジションを確立できれば良いや」っていう感情って、けっこう増えてくると思うんだよね。
『コーラスライン』は、その名のとおり、舞台の主役や準主役ではなく、バックで踊るいわゆるアンサンブルのコーラスダンサーをオーディションするお話です。 主役や準主役の実力がない者、かつては主役だったけど今はコーラスの仕事すらない者、、、一段下がったところでの競争を描いてる。
この辺りが、自分が歳くってくると、「すっごく現実味がある」という事に気づくのよね。 実社会だって、常に競争だけど、誰もが常に主役を競争しているわけじゃない。 たいがいが、コーラスダンサー級の競争をしている。 それが普通の現実だと…。
あと、ダンスの振り付けに改めて魅力を感じたのが大きかった。 昨今のミュージカルに比べると、この振り付けはカナリ古臭い部類に入ると思います。 斬新さなんていうのは欠片もない。 いたってシンプルなダンス。 でも、派手派手しいモノに慣れてきた今再び見ると、逆にそのシンプルさに凄く惹かれる事を発見しました! うちの母親が昔から、「『コーラスライン』のダンスが普通で好き」って言ってた意味がチョット分かってきたかも。
しっかし、今回のキャストは群舞の揃いが見事だったな〜。 これはチョット良い意味で予想外だった。 千秋楽が近いという事もあり、役者陣も最後の力を振り絞っていたのかもしれないけど、最初から最後まで気持ちいいくらいに揃っていて、素晴らしかった!
ブロードウェイではリバイバル上演が決定しているとかなんとか…。 ザック、キャシー、ディアナ、ポールあたりに、どれだけ魅力的な役者をもってくるかにもかかってると思うけど、王道の演目だけに、開幕したら是非ともヒットするといいですね。
♪BGM〜『A Chorus Line』サントラ
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