2003年01月14日(火) |
『酔っぱらった馬の時間』 |
見終わった後、席から立ち上がる事が出来なかった・・・。。。
こんなに悲痛さ漂う映画だったとは…。
私の中では、ハッキリ言って『ダンサー・イン・ザ・ダーク』級。 『ダンサー・イン・ザ・ダーク』見た時と似たような衝撃でした。 (あの時も暫く椅子から立ち上がれなかったから)。
とにかく、感想という感想が言えないのだ(>_<)
イラン=イラク国境付近の山岳地帯に暮らすクルド人の物語。
イラクへの密輸の途中に地雷で父親を亡くし、5人兄弟が助け合って生きていく話なんだけど、5人の中に1人、難病のマンディという子がいて(15歳/でも障害を持ってて体の大きさは2,3歳ぐらい)マンディの手術費を稼ぐ為に(手術しても余命1年)、姉:ロジーンは家族の為に遠くにお嫁に行き、妹:アーマネは末妹の世話をして留守を守る。 そして、兄弟の中で、真ん中の少年:アヨブが過酷な密輸キャラバンに加わるのです。 父親亡き後、一家の主として。。。
この少年アヨブが、とっても働き者で、とっても家族思いで、とっても心優しい子なんです(T_T) 「感動」とか「泣ける」とかを通り越してしまいます。
監督のインタビューに「この作品のクルド人たちは、私の想像ではなく、生きようとあがく現実の彼らそのものなのだ」と、ありますが、バフマン・コバディ監督自身もクルド人。 そして、映画の中のマンディ、アーマネ兄弟は実際の兄弟との事。
この映画の中の暮らしは、私達日本人からすると、想像できそうで、できない暮らしなんだと思う…。
今、私は、ファンヒーターにあたり、紅茶を飲み、CDを聞きながらパソコンに向かってますが、この状況が、いかに幸せかを、ただただ強く思い知らされる。 今はもう、溜め息しか出ない…。
映画の前半、子供達が、♪人生は苦労ばかり、子供も老いていくよ♪←みたいな歌を歌ってるシーンがあるんですが、とても身にしみて印象深かった。
ラストは、「え?どうなるの?」っていうシーンで完。 これは、これで上手いと思ったんだけど、すっごい尾を引きます。 もう、絶対忘れられないシーン。
私は、 アヨブとマンディは、何とか国境を越えたけど、とてもとても生きて帰れるとは思えないのだ…。 だから、あのシーンで終わったのが余計に辛い、辛い、イタイ。 はぁ(溜め息)。。。
見た後、どんよりどよどよになる可能性は大ですが、見て損は無い映画だと思います。
御覧なった方いらっしゃいますか???
♪BGM♪〜『Jazzy Blue』by:Bossanova Cassanova
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