Akira Jimbo's Diary
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2007年02月28日(水) 不朽の名訳

先日の翻訳話の続きです。翻訳に賞味期限がある事は納得出来るのですが、旧訳で慣れ親しんだ物語が現代語改められた場合、どちらがよいのか判断が難しい場合もあります。旧訳に漂っていたファンタジー的色彩が、新訳される事で消えてしまうケースもあると思うのです。というのは、内藤濯が訳したサンテグジュペリの星の王子様の冒頭で「ウワバミ」という言葉が出て来るのですが、新訳では「蛇」と訳されています。ぼくは「うわばみ」の方が圧倒的に好きなのです。内藤さんが訳したのは1953年。僕が生まれる6年も前です。今読んでもなんと瑞々しい文章なのでしょう。これぞ不朽の名訳と呼んでよいと思うのです。ページの変色したハードカバーを今でも持っています。


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