知らんけど

2003年03月28日(金) カテゴリの怖さ

昨日は、知らないうちに寝てしまって更新できませんでした。今日も相変わらず実習に行ってきました。様々なタイプの自閉症の子供をみましたが、いわゆる自閉症の典型的な特徴を持つ子供と、そうではない子供がいることを学びました。かなり幅が広い範囲を自閉症と呼んでいるそうです。こうした障害を広汎性発達障害と総称するようですが、自閉症の他に学習障害やADHDなどが含まれます。これらはすべて原因がいまだに良くわかっていない障害なのです。

この世の中には良く分からないことがたくさんあります。人間は常に分からないものへの探求心を持ってきました。そうした探求心が人間の社会を発展させてきたのでしょう。しかしながら、あまり良く分かっていないものに対して名前をつけてしまうことで安心してしまったりする悪い面も見られます。自閉症などは典型的な例かもしれません。確かに、カナーという学者が発見したような特徴を持つ発達障害児も居ますが、決してそうした枠に当てはまらない子供もたくさんいるわけです。

分からないが故に、大きなくくりとして自閉症という障害名をつけてしまったのでしょう。しかし、こうした障害児を日常的に見る言語聴覚士などは、自閉症とひとくくりにできないという要素を子供と接する中で感じているようです。ひとくくりにしてしまう事で、彼らへの対応は一律な対応になってしまう恐れがあります。こども一人一人に個性があるように、障害にもその個性が反映され、一人一人まったく違う障害を呈しているのです。そして、そうした個性に合わせた訓練の仕方を考えていかなければなりません。

物事を理屈で考えていくと、どうしてもカテゴリをつくって物事を整理したくなります。しかし、世の中にはそうしたカテゴリに収まらないもの、また、収めるべきカテゴリがないものがあります。カテゴリに収めてしまったほうがすっきりはするのでしょうけれども、カテゴリに放りこんだ瞬間に物事の本質や特性というものが薄れてしまうのです。

国と国との戦いに、個人個人の命の尊さが薄れていくようにです。


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