【NBA選手】Jason Williams(G/メンフィス・グリズリーズ) - 2005年02月21日(月) 「大きくて、黒人特有の桁はずれな身体能力がある。」 NBAにおいて成功するために有利な要素を、端的に言うならこれに尽きるだろう。 でも、彼は小さい。登録ベースで185cm=うちの父と同じ身長というのは、 NBA選手としてはかなり小柄だ。 そして「ホワイト・チョコレート」の異名をとるほどに真っ白な白人 (顔もいかつさはなく、かわいめ)。 スキンヘッドにしたり、金髪ボウズにしたりしているけど肌の色は変わるわけも なく、もちろんコービーやフランシスみたいにパワフルなガードではない。 だけど私が一番好きなNBA選手は彼だ。 カレッジでもそこそこ有名だったらしいけど、NCAAは全く観ていないので、 私が彼を最初に知ったのはKINGS時代。 もともと好みの「小さくて早いガード」というカテゴリには入っていたけど、 彼のパスのすごさを知るまではふつうの好きな選手に過ぎなかった。 そうパス、とにかくパスがすごいのが彼、J-Will。 いつかの試合で目が覚めるようなパスを量産するのを見て、あまりに特別な 才能を見た気がして、それ以来目が離せなくなった。 彼にしか見えないパス・コース、彼にしか出せないタイミングで、早いバウンドや 意外性たっぷりのノールックを繰り出す様子は、プレイというよりもそういう芸か 何かにさえ見える。 そのひとつひとつにファンはみんな「おおっ!」と沸くし、相手側はみんな 「ああっ」となる。 よく「トリッキー」と称されるように、スローで何度も見ないと何が起きたか わからないほどの意外なプレイで楽しませてくれることがあるのも魅力。 彼を一躍人気者にした有名なエルボーパスにも驚いたけど、一番ビックリしたのは 残り時間わずかでスローインする時、相手選手の背中にポンとボールをあてて 自分にパス、コート内でボールをとってすぐに3Pを決めちゃった時。 何の魔法かと思ったもの。 ショータイムってあだなもついているけど、「まさに!」って感じ。 堅実でチームを勝利に導くことを至上命題としているキッドとかストックトンとか ビビーとか、そういうPGとは全く違う魅力がある。 華があるプレーには当然リスクもあるわけで、楽しさよりも「勝利」を求めたKINGSから 地味ながらいい働きをするビビーと交換にグリズリーズ(当時めちゃくちゃ弱かった)に 出されたのは皮肉だったけど、そこからの踏ん張り具合もいい。 特にヒュービー・ブラウンおじいちゃんの門下生になって以降、あのJ-Willがちゃんと 粘り強くディフェンスし、安易にシュートを打たず、プレイタイムが減っても文句も 言わずにチームプレイに徹するようになったのだ。 もちろん以前のようなやんちゃで目を離すと何をするかわからないジェットコースター 感覚は失われていてその点は寂しいけれど、長い目で見ればプレイヤーとしての評価が 上がったことの方が大事。 いつかオールスターに出て、とにかく楽しくてドキドキするバスケットをみんなに 見せてくれたら! カーターとかマグレディとか、そういうクリエイティブな感じの選手と組んで、 客席をワンワン沸かせる姿を見て涙する時を夢見て、まだまだ応援しつづけます。 -
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