おほいとさん

帰りしな親戚宅に寄った。
ちょうどお墓参りに行くというので
私もついて行くことに。

お墓の隣で、
梅酎ハイのワンカップを握りながら眠りこける老人がいる。
手に持った梅酎ハイは、
お墓に眠る いとこの好物だからと
以前、私が持ってきたもの。

叔母が教えてくれる。

「この眠りこけてるおじいちゃんは
お寺に栖みついているおほいとさんで、
墓地の掃除をしたり、
カラスを追っ払ったりしてくれるんだよ」と。

「お供え物はね、
供えられた日を覚えていて
七日過ぎてから、食べてるんだよ」と。

そして、

「日持ちしないお団子なんかは
すぐに食べちゃうみたいだけどね、」

と付け加えた。

しばらくおほいとさんの顔を眺めて、
お墓に手を合わせて、
今度はスタミナ弁当持ってこようと考えながら帰路についたら、
今日はちさな夕日だった。

 


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