Diary?
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何度か日記に書いた、例の彼である。 2004年3月23日 2005年7月4日
最近、この店から足が遠のいていた。あまりにも暖冬で、カムジャタンやチゲを食す気分にならなかったのだ。しかし今日は予想外に寒くて、シーズン最後に辛くて熱いものを食べようじゃないかと、ひさしぶりにこの店に向かった。道中、「彼はいるのかね」「どうだろう、そろそろ定年ではないのだろうか」などと勝手なことを話しながら店に入れば、やっぱりいたのである。
やっぱりビールばかり飲んでいた。やっぱり自由奔放に席を立ってしばらく戻ってこなかった。やっぱり何かのテキストっぽい本を読んでいた。私たちは10年近く彼を観察していて、あまりの不変に感動すら覚えるのだった。業態がどう変わろうとも同じ店に通い、ビールだけを注文する。これはいったい何なのか。そしてそれを観察し続ける私たちも。なんだかストーカーみたいな気分。
ただ、今日は今まで見られなかった場面もあった。 ・体の前で両腕を大きくバッテンにクロスさせるので、変身でもするのかと思ったら「お勘定」のジェスチャーだった。私たちより先に帰るのは初めて見た。 ・そうは見えなかったが実はかなり酔っ払っているらしく、小銭をありったけ掌に載せて店の人に要るだけ取ってもらっていた。
ああ、来年は会社が引っ越してしまうからこの店に来ることはなくなるのだなあ。感慨深い。
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