Diary?
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寝台特急「出雲」が今日の便をもって廃止されるそうだ。
最初に乗ったのは10代の頃で、何かの用で母と東京に行った時の帰りだったと思う。素直に新幹線に乗ればよさそうなものだが、母が鉄道好きだったので。社会人になってから東京に住むようになり、体力と予算に余裕のある時は時々これで帰省した。去年の5月にも、東京に戻って来る時に乗った。あれが最後になったのだなあ。乗っておいてよかった。
特に豪華でもなく、狭い寝台が蚕棚式に並んでいて、カーテンで仕切ってプライベートスペースを確保する。ほんとうの「寝台車」。最近のサンライズなんとかシリーズは、寝台車というよりはホテル列車だ。出雲の、「人間一人分ぴったりの寝台に横になって運ばれてゆく感じ」が好きだった。移動している実感があって。車両も古かったし、時代遅れなのは確かだからしょうがないとは思うけれど、唯一の心残りは東京から出雲まで、全線乗車をしてみたかったのが叶わなかったこと。
実家のあたりでは、本数が少ないので「列車の通過」で時間を計る習慣がある。「特急が通ったからお昼にしよう」なんて。明日からは「出雲が通ったからそろそろ寝よう」って言わなくなるのだね。ちょっと不思議な気分。
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