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2005年05月14日(土) 生二胡

 デジタルってのは妙なもので、個人の属性をも検索条件にできてしまう。しかもand検索ができたりするものだから、現実世界ではなかなか見つけにくい共通点を持つ人が見つかったりする。そんなわけで、「職業が司書」で「趣味が二胡弾き」という二つの共通点を持つ珍しい人とネットを通して知り合ったのだった。その人の二胡の先生のコンサートがあったので聴きに行ってきた。

 実は二胡の生演奏は殆ど聴いたことがない。私が習っている先生の師匠の演奏だって、この間の発表会の時に初めて聴いた。そもそも二胡を始めたきっかけが民族音楽や映画音楽を入口としていたので、演奏家というとらえ方が意識になかった。しかし当然のことながら演奏家によって音色も奏法も違うし、楽器も上海と北京で違ったりする。

 今日聴いた先生の演奏は、やわらかくて深い感じの音色。この間聴いた師匠のは、硬くて繊細な感じ。たまたまかもしれないけれど、お二人の出身地が中国の南方と北方で、なんとなくそのイメージ通りの音色だったので興味深い。やっぱり実際いろいろ聴いてみないとわからないものだなあ。

 私はまだ自分の音色とかいうレベルじゃないのだが、この間クラスの人と「内弦と外弦どちらが好きか」って話になって、クラスの中で私だけが外弦好きだった。高い、細い音が好きで、それにヴィブラートやポルタメントがかかったら自分で弾いててゾクゾクする。でも聴くのはやわらかい音色の方が好みのような気もする。

 私の二胡の究極のイメージというのは、北京の胡同みたいな路地裏、路上に椅子を出してじっちゃんが日がな茶飲みながら弾いてるような。楽器なんてもう皮が破れちゃってたりして、弦もいいかげんな針金で、それで心にしみ入るような音を奏でて近所の人に拍手とかされたい。そういうのです。


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