野田秀樹の書下ろしで、大竹しのぶ。下敷きは『智恵子抄』。 そりゃぁスゴイんだろうと思ってたけど、もっと凄かったです、『売り言葉』。 スゴイだの、凄いだの、なんとかの一つ憶えみたいなことしか言えないのが情けないけど。
夫・高村光太郎の描く美しい世界の"付属品"であらんとするがために狂っていく智恵子。 でも、"誰の付属品でもないこと"が、"誰かの付属品であること"よりも素晴らしいことかと言えば、 そうでもないような気がするし、その反対でもないような気がする。 はたまた、たとえどんな"私"であっても、結局は自分や他人が想い描く"何か"からは、 最後まで自由になれないような気もする。 だから、ラストシーンで暗闇の中に沈んでいく智恵子の顔は、 たとえば、祖母であり、母であり、私であり、つまりは全ての女の顔に見えて、 なんというか、ちょっとショックだったりしました。あぁ、なんてこった。
とにかく濃密な1時間半でありました。 終演後、すぐに地下鉄に潜るのが勿体無いような気分だったりして、 熱冷ましに渋谷までトロトロと歩いたら、2月にしては暖かい宵とは言っても、 さすがに体が冷えました(笑)。うー、風邪ひいたかしらん。 それにしても、2年前と3年前のちょうど今頃、アンコールになるとスルッと憑き物が落ちて キラキラアイドル光線を発するクサナギさんにも驚かされたものですが、 今日の大竹さんも、アンコールで急にほわほわ〜っとした雰囲気に変るところが、 うーむ、女優さんだなぁって感じでございました。
…と、ここまで書いたところでストスマの時間。 また五本指ソックスについて熱く語りつつも、 ウイスキーやバーボンにも凝ってるのだ、と大人な発言。 と、思いきや、突然『朝日を見に行こうよ』のソロ・アカペラver.が流れ出したのにはビビリました。 いや、あの、嬉しいって言えば嬉しいんだけどさ、 それは、私が貴方のファンだからじゃないか、と思う、の、で…(以下自粛)
続いて、昨夜の「ぷっ」すまでカロリーファイター・クサナギツヨシを。 理論を並べたり、感覚で行ってみたり、ウラを読んでみたりするものの、 嘘みたいに悉くハズレて13連敗のクサナギ氏。可哀想ではあるのだけれど、 こうまで罰ゲームがツボの宝庫だと、人知れず感謝の祈りを捧げずにはおれません。 警察犬に向かって「ぶわぁーかっ」だの、顔面蒼白だったりするのは「ぷっ」すまテイスト、 でも、お犬様をぶんぶん振り回してる姿には、あぁやっぱり男の人なのねぇ、と。 新体操も、ちと背中にゼンマイが見える感じではあったけれど、元体操部だけあって、動きは軽やか。 自由演技の冒頭で構えてる時の顔がキレイで、ちょっとウットリ。 でもって、ミルフィーユのカロリーが高かったことに感謝、でございましょう。 番組が違うんじゃないかと思うほど、超男前な瓦5枚割りクサナギツヨシ。 さらっと「肘で行ってみていいすか?入りますよね?」なのは、さすが大昔に経験済みなだけのことはある。 構えもしっかりしてるし、なによりドスの効いた「ぞりゃぁっ」に、もう倒れそうです、私 (っていうか、5回リピートして、5回倒れました)。 なんだか、最後に「全部ハズすのも、どうかなっていうか…」っていうコメントさえも、 カッコよく見えちゃったわよ。 ほんとにねぇ、こういうのを突然見せつけられるから、クセになるのよねぇ、クサナギツヨシ。
|