なーんと、今週に入ってからのクサナギさんとの触れ合いは、 麦わら帽子で熟茶を召し上がる仄かにレトロな15秒間×1回だけなのよね。 当日中に帰宅した日が無いからさー。番組も全部ビデオの中です。 メールのお返事も滞ってて、スミマセンです。
そんなわけで、本日は観劇&読書日記っちゅーことで。
水曜日は、新国立劇場で野田地図『贋作・桜の森の満開の下』。 中劇場には初めて入ったんだけど、すり鉢状の客席が観易いし、 奥行きの深い舞台と相まって、芝居の中に気持ちが吸い込まれる快感がありますね。 なんだかね、最初のうちは、堀尾幸男さんの美術にしては語り過ぎじゃなぁい?とか、 堤真一&古田新太の組み合わせって、この前観た『野獣郎見参』と混ざっちゃうなぁ、とか、 夜長姫@深津絵里嬢の声、高音オンリーじゃなくて陰影が欲しいよねぇ、とか、 いろいろ引っ掛かりを感じてたんだけど、最後の深津っちゃんにヤラレてしまいましたよ。 2時間以上続いた見事なキレっぷりは、このラストシーンの為だけに有ったのか?とさえ思うほど。 ぽろっと泣けてしまいました。
例えば映画やテレビドラマを見て泣く時っていうのは、 なんで自分が泣いてるのか、解りながら泣いてるような気がするんだよね。 だけど、生の舞台を観ていて泣く時は、まったく理由がわからないまま、ぼろぼろ涙がこぼれてるって感じ。 舞台上の人々に全く共感できなかったり、セリフが理解できなくても、 何故か、どうしようもなく、泣けてしまう。 で、そういう芝居に出会えるのは、20本、いや、30本に1本って確率の幸運じゃぁないかしら。 今回は「ぼろぼろ」とまでは行かない、「ぽろっ」だったけれど、幸運な芝居の一つであったことは確かです。 芝居の後に食べたディナーにも満足で、久々に心豊かな夜を過ごしてしまったわぁ(うっとり)。
そんなこんなで、今の通勤読書は『ユリイカ臨時増刊号・野田秀樹』なのですが、 2日前までトロトロと『鳥類学者のファンタジア』(奥泉光)を読んでました。 ワタクシ的には、ジャック・フィニィを彷彿させる過去へのリスペクトと、 主人公の語り口がとても楽しかったのですが(なんとなくキャラクターに近しいものを感じるのだわ)、 ジャズ好き&猫好きの方が読むと、さらなる感動があるのではないかしら。ちと、羨ましかったりして。
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