殺し文句劇場　〜しあわせランチタイム〜

朝から特になにかしたわけではないけど、居眠りから目が覚めると
無性に腹が減っていた。シエスタまでに腹を満たさないと。



ソファから見えるキッチンでは、スペインが手料理を作るのが見えていた。
いい匂いがするから条件反射で腹が減るのか。



スペインには黒いエプロンが妙に似合っいて、寝ぼけ眼には色っぽさ
２割増しに感じる。まったく女房にしてやりてえな。

ああ・・・



今日の昼メシはなんだろう…パスタかな？久々にパエージャでもいい。
トマト味の魚介類を腹いっぱい食って、スペインと２人でシエスタを
楽しむ。もはや俺様にはこれ以上の贅沢は考えられねえ・・・。


「ちょうど起こそ思ててん。早よ食べてたまには掃除しー」



「んだよこの飯！パエージャじゃねーのかよ！！あほちくしょう！」



「アホか！あんなもんどんだけイカエビ買わなアカン思てんのや！！
　毎日食えると思うなよボケ！」



「…」
「…」


「ヴェネツィアーノが遊びに来てる時と扱いが違う・・・ちきしょう」


「もーうっとうしいな。ホラ、ロマ、そのウインナ海老さんみたいに
　切ったるから貸してみ」



「ホラ」
「すっげー！スペイン！」

「このやろ！だてにビンボーやってねーな！」
「一言多いわ！！」

すっかり機嫌を直してニコニコしながら海老さんウインナを頬張る俺に、
スペインは優しく諭すように言う。


「パエージャはな、お客さんが来たとき、な。
　ロマはうちの子やから、お客さんとちゃうやろ？だから」





ロマーノはすぐベスビオを噴火させるんだから。
ごちそうは一緒にイタちゃんが来た時だけで、それが身内扱いみたいで
うれしいロマーノは病気ですか。（オマエが病気なんやろ）