寒い。昨日までの妙な暖かさは何だったのか!?寒いよ!?
にのらです。 うちの犬のフクちゃんは、四六時中おやつを盗んでは食べているので ゴハンを食べません。もったいないなあと思いながら、ある時買いもの のためにゴハンのお皿を外に置いて出かけました。間もなく帰ってくる と、にのらの家にヒッチコックばりに鳥類が集まって、近寄ると 逃げて行きました。烏にスズメにヒヨにメジロもいました。
それからというもの、父が「鳥寄せ」の儀式と称して フクちゃんの食べ残しを庭に置いて、鳥に片づけてもらおうと しているわけなのですが、そういえば、ゴウトにゃんが超力の後 烏になっていましたが、アバドンの時にもまだ烏の姿のままだと ナルミンが思いこんでいたら、窓の枠にゴウト用の餌を置いて、 どれがゴウトかわからないから来る烏来る烏全部受け入れて しまいに探偵社が鳥かごみたいになってたらかわいすぎると 思って一人興奮しておりました。
で、エドガー・アラン・ポーの大鴉という詩をちょっとゴウト にゃんっぽくしようと思ってたら全然違う話になったものを ↓にのっけてみました。明日は準太の誕生日だというのに!!!
↓超力の方が話の内容は暗かったなあというお話。↓
彼を知っていた人も忘れてしまったようなある暗い暗い夜のこと
ちょっと変わっているせいで忘れられない それでも帝都の喧騒には勝てず風化しようとしていた物語に思い悩まされ、 弱った果てに疲れ果て、
「明日のことだ。もう眠ってしまおう」と思っていたら、
突然ドアーが叩かれた
それはどこか懐かしいリズムで、トロリと更けようとしていた夜の空気に 優しく溶け込み、木製のドアーの質感にしっくり馴染んだノックの音だった。
「誰」
俺はドアーに声をかけた
ドアーの向こうから返事はなかった
「(俺の部屋の、ドアーの向こうに何かがいるんだ それだけのことだ。それだけのことなのに)」
嗚呼、枕に埋め、 圧迫を感じて明滅する眼球にあの時のことが思い出される
指先に残っていたわずかな感触が離れ 目の前で彼が放った銀色の軌跡は死んでいく肉体に食い込み 見えなくなった。
このまま気を失って、そのまま死んでしまいたい。 立ち上がりかけたら悪魔に抉られた腹が痛くて動けないことに気づいた。
一方そのころ、
つい先ほどまで、異形に姿を盗まれた男と対峙していた少年は 腹を抉られたまま珍しく呆然となすすべも無い鳴海を見ながらこう思っていた。
「今この瞬間から永遠に、何も無くなった。何も」
鳴海さんは、これからも僕の側に居てくれるだろうか。 それは彼の無表情からは想像できないほどに強い不安でもあり、 この場に似つかわしくないほどの期待感でもあった。 もう鳴海を捕えて離さない過去はすべてこの世に無いのだ。
ノックの調べは、鳴海の隣の部屋で読みかけの本を持ったまま 転寝していた少年の耳にも届いた。
「誰かが、鳴海さんの部屋に入れてほしいと言っている 入れてほしいと、こんな時間に、ドアーの向こうから、 こんな時間に入れてほしいと言うやつは、もういないのに」
どうか許して欲しい 宗像が消滅する前に言葉を残せる程度の正気があったことを知りながら 彼の体ごと屠った俺を許して欲しい 出会った時から何もかも諦めてしまっていたはずの鳴海の 奥のほうで引っかかっていた唯一の真実を間接的に屠った俺を許して欲しい。
ずっと一緒に居たいんです
後追いなんて、絶対許さない
「窓の枠だ」
鳴海の部屋ドアーの前から踵を返すその気配が、自分の部屋の 窓の枠に移動したことを知ったライドウは、観念してカーテンを引いた。
そこには夜の闇に溶けて、水晶みたいな小さな目玉だけを光らせた 大きな鴉が一羽。昼間には日当たりの良いその場所に、かつて黒猫が いた頃と何も変わらない威厳がそこにあった。
彼は帽子の鍔に手を当てようとして、そこに何も 触れないことに気づいた。帽子は壁に掛けられたマントの上に。
鴉はライドウに動揺も委縮も許さないのを知っていたので、 何も言わずに目線だけを合わせ続けた。
「ゴウトはもう黒い猫では無くなった」
ひとつだけ質問を許された
「あえてその姿を選んだ 夜更けの淵より暗く蒼く冷たい大鴉。今は何と呼べばいい」
すると鴉はこういった。「Nevermore」
ライドウはその言葉の意味をよく知らなかった。
すると部屋のドアーが遠慮がちにノックされ、開いたドアーの 隙間から見慣れたもじゃもじゃ頭と半分隠れた目が覗いた。
「ライドウ、だれか、いる?」
「お客さんが、“nevermore”と言いました」
鳴海はすうっと目を細め、三日月のような形で笑顔を作った。
「そう。じゃあ、もう眠ってしまっていいんだな」
見損なっている天地人の録画をまとめて観ようと思ったら、全部 録画しっぱいしてて吐きそうになりました!もう!!この 駄パソコン!!!もうもう!!!
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