おてんきや日記
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2005年02月21日(月) |
仕事と、家族と、私の在り方 |
結婚してしばらくは夫婦で気ままに過ごしていましたが、子供が生まれて、私の生活はがらりと変わりました。 勤めを辞め、家庭に入ったことが原因だったのかどうかは分かりませんが、いつもこんな気持ちに縛られていたように思います。
『子育てを楽しんで、子どもとたくさんかかわってあげられる、いいお母さんでありたい』 『家族がいつも快適に暮らせるように、いい主婦でありたい」
それだけでも十分忙しく一日は過ぎていきます。 でも、私はそれだけでは満たされませんでした。 子育ても家事も確かに忙しくて、一日はあっという間に過ぎていきました。 でも、自分の中で何か充実していないのです。
遊びに行かれないから? ゆっくり眠れないから? 時に、友達とお酒を飲みながらおしゃべりする時間をもらいました。 時に、だんなにすべてを任せ、眠ってしまうこともありました。
そうしてみて分かったことは、私はそういうことを求めているのではないんだということ。 その場限りの楽しみや開放感がほしいのではなく、自分の力で自分のために達成できるものがほしいんだということが分かってきたのです。
テープ起こしと出会ってから、その思いは確信に変わりました。 こんなに没頭できることって、これまであったかしら? そのころの私は、子どもと公園で遊んでいても、家族で過ごす貴重な時間も、心は少し違うところにあったように思います。 でも、音声を聞いてパソコンに向かっているときは、無心になれるのです。 何時間でも何時間でも、枯れていた草木がぐんぐん水を吸い上げるかのように、集中していく自分を感じました。
テープ起こしを始めてから、3年目になります。 私にとってのテープ起こしの面白さは、何ら変わることはありません。 私の中で、だんだん形になってきたテープ起こしというものを、もっともっとはっきりと確立したいと思っています。 だけど、そのためには今まで以上に仕事に費やす時間が必要になってきていることも事実です。
思い返してみれば、私は、自分自身がやりたいことを明確にして充実することで、家族、子どもとのかかわりをもっとよくしたいと思っていました。 こんなに満たされないのは、今の私に何もないからだと。 それなのに仕事に振り回されてばかりの毎日では、それは意味のないことになってしまいます。 母親である自分も、妻である自分も、仕事人である自分も、全部なくてはならないもので、全部大切な私なのです。
このバランスが、今後の私の大きな課題です。 時間管理とか、自分マネジメントとかいう言葉が当てはまるのかどうか分かりませんが、これらは皆私にとって不可欠なもので、できればこの三本の柱が互いに相乗効果をもたらして大きな幹に育ってくれたらいいなと、欲張りなことを考えています。
仕事がすべてじゃない。 でも、仕事はとても大事。 仕事をすることで、私も家族もみんな潤うのが一番の理想とするところです。
これは、言うほど簡単なことじゃありません。 人間にはいろんな感情がありますから、一筋縄でいかないこともたくさんあります。 そんなときに、自分の感情をコントロールできるすべを身に付けたいと、このごろ思っています。 こんがらがった糸が、ぎゅーっと固く縛られてしまう前に、すっと魔法みたいにほどけてしまえるような心が持てたら、いろんなことが楽になると思いませんか。 そういうことが、きっと必要なんだと思います。
テープ起こしという仕事を始めたことで、仕事そのものだけでなく、自分について、家族について、人とのかかわり、お金、人生……いっぱいいろんなことを考えるようになりました。 もしかしたら、仕事をせずに主婦業、母親業を満喫していたら、考える必要のなかったことだったかもしれません。 また、勤めに出てお給料をもらう形での仕事をしていたら、気が付かなかったことだったのかもしれません。
だけど、なぜか私はこういう形で仕事をすることを自ら選択したのです。 そして、それをやりたい、やり続けていきたいと今も思っています。 ですから、それに基づいて発生してきた「考えなくてはならないこと」は、私にとって乗り越えるべきハードルなのでしょう。 育児と家事だけでは満たされなかった私に与えられた試練というか、大げさに言えば、人としての課題なのかもしれません。
うーん、こうして文章にするのも、難しいですね。 語彙が少ないのか、表現力がないのか。 もっと気持ちがクリアになったら、もっと違う文章が書けるのかもしれないなぁ。
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