アナウンサー日記
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2001年02月04日(日) |
ラジオとテレビ その4 ラグビー中継 |
きょう、高校ラグビー新人戦決勝「長崎南山×長崎北陽台」のラジオ実況をした。この試合、去年まではテレビで中継をしていたが、今年は諸事情によりテレビはなし。それじゃラジオでやろうじゃないの、ということで先月末、急遽ラジオ中継が決まったのだ。正直なところ、アナウンサーにとって真にやりがいを感じるのはラジオだ。しかも、ラグビーのラジオ中継は難しい。相手にとって不足なし、ますます燃えるというもの。
でも、急なことでスポンサーも無く、当然予算はなし。なるべく低予算、少人数でがんばらないといけない。結果、アナウンサー1人(ワタシ)・技術1人(イワモト)のミニマム体制でラジオカーに乗り込み、決勝当日の朝、会場の佐世保市東部スポーツ広場に向かったのだ。試合開始は午後1時、録音した実況を午後4時から「スポーツサンデー」枠でオンエアというタイムスケジュール。
午前10時半すぎ、現地につくと本格的な雨ふり。一向にやむ気配なし。ワタシとイワモト氏は黙々とカッパに着替え、ずぶぬれになりながら機材のセッティングを行う。足元はぬかるんでいる。それにしても寒い・・・滅茶苦茶寒い。手がかじかんでマイクの延長コードを結んでいる紐をほどけず、苦労する。風も強く、ヘッドセットマイクが入った箱が飛ばされ、慌てて拾う。もう散々。それでも、30分もかからずに長机2台分の機材・・・ミキサー、無線機、集音マイク2本その他のセッティングを終える。このあたり、毎週「引越しラジオ」で中継をしているので手馴れたものだ。(準備はほとんどイワモト氏がやりましたが)
正午。ベテラン解説者・深堀徹也さん来場。カッパ持参、さすがである。キックオフを前にヒトも増える。テレビ中継がないと分かり、がっかりする生徒・教師多数。「ラジオで、しかも録音かー」という教師の声にちょっぴり傷つく。しかし「すみませんねー。でも、クロウトはラジオですよ」と返すワタシ・・・なんのこっちゃ・・・。でも、「帰りの車で聞きます!」と目を輝かせた一部生徒のためにガンバローと思うワタシ。ああ、けなげ・・・。
午後一時すぎ。キックオフ。実況開始。天候は依然として最悪。強い雨と風が本部テント下の実況席にも入ってくる。気象台の発表では気温6.9度だが、体感温度は限りなく氷点下に近い。手がかじかんでメモをとれない。口がこわばって動かない。長靴の靴底からしびれるような冷たさが伝わってくる。選手たちの背番号はあっという間に泥に隠れる。テントに溜まった大量の雨水が、時折音を立てて実況席に落ちてくる。それを解説の深堀さんが雑巾でぬぐう。深堀さんに頭を下げながら、もうこうなると笑うしかない・・・。中継は何度もやったが、ここまでバッドコンディションなことは滅多に無い。
午後2時すぎ。試合終了。前半14対7のリードで折り返した南山が、後半はノートライに押さえられ、逆転負け。長崎北陽台が平成6年以来久々の優勝を果たした。スタジオ電波受け担当の早田Dの指示により、2分間のオンエア用インタビューおよびエンディングトークを録音して、実況もノーサイド。後は撤収・・・これがまたつらかった・・・。
4時からのオンエアは、早田Dの的確な判断もあって、ばっちり終了。ちょうどエンディング放送中にスタジオに帰りつき、オンエアにも立ち会うことができた。
今回、アナ1人・技術1人・スタジオディレクター1人のミニマム体制だったが、実況の内容はさておき(?)、ノイズと実況のバランスなどの音作りも含め、なかなかイイモノを作ることができたと思う。また、時間の都合により、後半部分のみをオンエアしたが、結果的に飽きさせない長さだったのではないかと考えている。今後の参考にしたい。
・・・きょうの日記は、なんだか社内向けの報告書みたいになってしまった・・・この文章、そのうちもうちょっと推敲して、写真入で独立させマス・・・。
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