今夜も(ノ`´)ノミ┻┻ 

2011年10月13日(木) ■猟銃

男の元に届いた三通の手紙。

一通は姪、薔子から、
一通は妻、みどりから、
一通は愛人、彩子から。

そして、明らかにされる彼女の死の真相とは・・・・・。

というのが、ざっとしたあらすじ。
中谷美紀様は、一人三役でこの手紙のそれぞれの書き手になり、
手紙を読んでいきます。

舞台はもう一人、この手紙を渡された男がバックで苦悩を表していますが、
まあ、ほぼ99.9999%は中谷美紀の一人芝居。

小さな小屋、シンプルな装置と衣装、
そして、一人でそれぞれの立場の違う三人の女たちの、三様の女の業の独り語りという、
派手さが無い分、ごまかしのきかない難しいテキストを初舞台に選ぶ、

その衝撃と度胸にあっぱれです。
と、云ってもそれだけではありません。
ちょっと、私が見た回はかみかみでしたけど、でも、それ以上に、
この三人の女たちが又、強烈で!
それをしっかり演じ分けているのですから、流石です。
そして、この三人の女がそれぞれにチャーミングなので、
男が可哀想な位にイイ面の皮です。
もういっそう、気の毒です。
↑でも、自業自得なんだけどね。

特筆したいのが、舞台装置の美しさ。
雨→池→石砂利→板場と、場面とともに、くるくるその姿を変えていく、他には何もない、
だからこそ、印象的なセット。賞を取るといいなと思ったのことよ。

反対に、照明あんなに薄暗くしなくても良かったと思うんだけど。
私、5列目だったから見ることが出来たのですが、後ろの方の席だったら、
たぶん、全然見えなかったと思う。
やってる内容がうつうつしている話だからって、舞台まで暗くする必要はないと思うのだが。
もし、あの暗さでやりたいのなら、円形じゃないと無理ではないかと。
でも、円形だと、あのセットは無理だろうから、痛し痒しか。

あの最後の一瞬だけみせて、骨だけの、骸骨みたいな女も見れなくなるだろうし、
(あれ?私だけ)ともかく、あれを観客に見せたというだけでも、
やっぱり中谷美紀は大した女優だなあと思うのです。

ともかく、いい脚本なので、これ一度きりなんてせずに、
5年後か10年後、ひょっこりどこかで再演してくれたらと切に思います。

年を重ねるごとに違った趣が見られそうで、見せてくれる女優さんだと思うのです。


 < 過去  INDEX  未来 >


ずるりる [MAIL] [HOMEPAGE]

My追加