2008年08月12日(火) |
■ウーマンインブラック |
私、ホラーははっきり云って嫌いなんですけど――――、 映画は絶対に、観ません、 舞台はたまーに、観ます。というか、面白そうという舞台が、 ホラーだったりすると、 趣旨をまげざる得ないという。。。 そんなワケで、初演から9年前?ずーと、観たかった、 「ウーマンインブラック」を観て参りました。
かつて恐怖体験をした年老いた弁護士が、家族にその話を伝える為に、 俳優に朗読を習いに行く。彼が語る若き頃の恐怖の体験とは? というのが、簡単すぎるアラスジ。
上川隆也さんが俳優、 斉藤晴彦さんが弁護士の二人芝居。
面白かったけど、もう二度と見ない。 だって、 やっぱりコワイんだもん。 (;´Д`)
舞台は、老弁護士キップスが、自分が作った体験記を読み上げることから、 始まります。 んが、たった数行で教えを請うている若い俳優(名前無かった)にダメダシをくらいます。
この弁護士が最初から役になるのではなく、あくまで朗読ということで、 二人だけの俳優で、怪談を語る、つまり他の役者が要らないという、 二人芝居の構造が自然と出来あがります。(と、今、気が付いた)
この構成は、上手いなあというのは後でじんわり来ます。
だって、駆け出しの弁護士で、ロンドンから遠く離れた土田舎の、 依頼人が死んで、その書類を整理に行ったんだけど、 住人は皆、彼を遠巻き、お葬式には謎の黒いドレスの女、 彼が向かう城は、沼とか、ともかく尋常な所には無い、
さあ、どうなるキップスと、ドキドキしている観客の視線を、 「キップスさん、そこは違うでしょう〜」と、 若い俳優が、たちどころに現代に戻せるんですもの。
この緊張と緩和を、二重構造にすることによって上手に作りだす、 ことに成功しているのです。
もちろん、斉藤晴彦さんのいぶし銀の魅力と、 (何役もじじいを演じているのですが、寡黙な馬車使いだったり、 やりての弁護士だったり、村の実力者だったり、皆、違う) そして、上手くなったなあ ↑だって、私、彼の若かりし劇団時代を知ってますから、 上川さんの、お二人の演技の力も大きいのですが。
何よりこの二重構造によって、もう一つの恐怖が、現代に、 今、忍びって来るのです。 正直、オチというかラストはホラーではありふれた展開で、 きっとこうなるというのは、予想は着いちゃうのですが、 しかし、判っていても、やはりコワイです!
舞台のホラーって、映画でホラーを見るというよりは、 お化け屋敷を覗くのに似てます。 思わず、後ろを振り返っちゃう、 ↑舞台は前にあるから、絶対に無いのですが、 じわじわと恐くなる感じ。 しかし、客席から、逃れられない。 仕方がないので、ワタクシ、二幕目の前に、一杯ひっかけました。 まさに、呑まずにやってられるかって感じです。
なんで、そうまでして観たかったって?
だって、斉藤晴彦さんが好きなんだもの! そして、期待は違わずでした!
ああ、でも、もう二度と観る気には;;;;;。
こんな私なので、わざわざストーリーは知っているけど、 言語も判らない日本語版を観ようとする、 英国人の気持ちがさっぱり判りません。(;´Д`) (9月にロンドンで海外公演があるのです)
やっぱり、幽霊の国の本場だからかしらねえ?? そういや、しゃべっちゃいけないと云われている話を、 老後で、老い先短いとはいえ、 わざわざ朗読習いに行くのが判らないって、感想を読みましたが、 確かに! そうゆうのを含めて、お国柄なんだろうなということで。
あっ、でもホラーが平気というか、むしろ好きな方は、 観に行った方がいいかも。
映画館とは違う、ハデではない分、 リアルな生の恐怖を味わえます。
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