今夜も(ノ`´)ノミ┻┻ 

2007年04月28日(土) ■CLEANSKINS/きれいな肌

ネタバレ含みますので、ご注意下さい。

英国の小さな町の公営住宅に暮らす母と息子。
そこへ、薬物中毒で行方不明になっていた姉が、
イスラム教徒に改宗し、帰ってくる。

反イスラムのデモに参加する息子は、
姉に改宗の理由を激しく詰め寄り、姉は静かに理由を語る
やがて、姉と弟の話は、彼ら家族を捨てていった父親の、
そして、家族の秘密が明かされていくという話し。

作者はイギリスのアジア系英国人でイスラム教徒のシャン・カーン。
新国立劇場の為の書き下ろしということなんですが、、、

バラバラの家族が、一度、どんぞこまで落ちて再生するというのは、
日本でもイギリスでも、万国共通かもしれませんが、

家族捨てたと思われていた父親は、本当はトルコ人で、
母親が周囲の目から耐えられなくなり、夫を捨てたという大どんでん返しは、
多くの観客には、リアリティとして響かないのではと思いました。

つまり、反イスラムデモに参加する息子は、イギリス人とトルコ人のハーフ
ということなんですが、どう見ても、日本人にしか見れないんですけどっっっ。

これが、世界初演とかじゃなくて、ストーリーとして、知っている人は、
知っているんだったら、ちょっと違うかなと思うのですが、
戯曲としての面白さは、民族をトリックにしていう点で、
本国で初演なら、ともかく日本初演では、半減しちゃっているかなと思います。

もちろん、芝居の面白さは別で、これは3人の役者、
母=銀粉蝶さん、姉=中島朋子さん、弟=北村有起哉さん
の迫力の演技のおかげで、引き込まれてしまうのですが、
やっぱりラストで、母親と子供達が、同じ民族に
見えないじゃんというオチが、やっぱり頭に引っかかるのは、私だけなの??

どうせ、この人の作品をやるんなら、「祈祷室」とかの方が、いいのかなとか思うの
ですが、むしろ見たいので、なんとかして下さい。

後、グットラックハリウッドの時も思ったのですが、
ぷすぷすと、場面展開が多くて、ぶったぎりが多いのは、
戯曲、書き慣れてないのかなって思ったら、
やっぱりドラマとか書いてますね。作者は。
後、訳者も同じだったのは、基本に忠実に訳しているせいなのかな。

なんにしても、日本人としてただ一つのアイアンデティしか持たずに済むというのは、幸せなことなのか、民族として成熟してないのか、ちょっと考えてしまいました。


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