一人は乳癌の患者さん。 全身に転移していて、疼痛コントロールもなかなかうまくいかず 娘さんの10月の結婚式を楽しみにしてて 結納の日には体調不良で行かれなかったのを落胆してて それから少しずつ、体が弱っていって だんだん息が浅くなって 深夜にゆっくり亡くなった。
もう一人はあの吐血の患者さん。 意識が少し回復し始めて、 今日は血圧も呼吸も落ち着いてて じゃあ輸血を始めるか!と決めたとたん いきなり呼吸の回数が減り、 たった10分の間に息をひきとった。
二人ともまだ若くて。 それぞれ子供は私を同世代。
少しでも長く生きるために 苦しい処置をするのは賛成できないけど 何もできず何もせず、ただその時を待つのは 自分の無力さを眼前につきだされて 打ちのめされる感覚。
たかが呼吸、心拍の回数だけで 生きている、死んでいるの境界を引いてしまうのは とても恐れ多い行為なんじゃないかと思う。
自分がこうして生きていることに罪悪感すら感じる。 でも、それも間違ってる。
なんだかとても切ない。
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