 |
|
■■■
■■
■ カオスフレア・プレイレポート“霧の感謝祭”
さて、今週も先週に引き続き、カオスフレアです。前回は竜の王国アムルタートと機械生命体グレズ、そして富嶽の話でしたから、今度はネフィリムを登場させて、サイバーパンクっぽい話などやってみましょう。
というわけで、ネフィリムのＮＰＣはちょっと渋めにして、ＰＣの戦友という設定に。ちょっと悲しく切ない物語でも語ってみようかと。
…そう思っていたんですが…。
その結果がどうなったか、次のキャスト紹介をご覧いただければ、想像がつくかと…。一人は前回からの継続、もう一人は新規キャストです。
ＰＣ� 畔�浪の魔王”セブン
前回から継続参加の「愛の大魔王」。
今回のシナリオでも、鬼の支援系っぷりが光ったり唸ったりします。
ＰＣ�◆ 隼爐留ο咫疋瓮襯肇瀬Ε�
コロナ：執行者 ミーム：ネフィリム ブランチ：ＶＩＰＥＲ
ネフィリム後方処理課第三班班長。ネフィリムの非合法活動を担っている。
快楽殺人症の気あり。左利き。
武器はＭ４４１カービン相当の降魔刀。
（以上、本人のブログより自己紹介コピペ）
この紹介をきいた瞬間、セブンとＧＭ、爆笑。
カオスフレアをやり始めてから何度もオマージュとかインスパイアとか口にしたけど、これはもう、そのままです。それも、富嶽とのマルチミームにしたりなどせず「Ｍ４４１カービン相当の降魔刀」と言い切るあたりが素敵。そこに痺れるッ！ 憧れるッ！
今流行りのマルチプラットフォーム展開！ 人はついにゲームの壁を越えたのです！
オープニング��
メルトダウンのオープニング。
ＧＭ「舞台はエルダ（ネフィリムの母星）にある、とある街の酒場で…」
メルトダウン「…（舞台はバー「ヤロール」（ＮＯＶＡ最初のリプレイ“振り向けば死”に登場する酒場）にしろという無言の圧力）」
ＧＭ「酒場…で…」
メルトダウン「…（場所はヤロールの一番奥“イシュタル海”にしろという無言の圧力）」
ＧＭ「…舞台はバー“ヤロール”の“イシュタル海”で（何かに負けた）」
メルトダウン「（満足げに）では、多目的ゴーグル相当のミラーシェードをかけて、スーツ姿で登場します」
以降“振り向けば死”のパロディの連発です。ＧＭもセブンも大受け。
セブン「あ、レコードシートの“他人に渡したフレアの枚数”の欄が振り切った」
まだオープニングなんですが！！！！！１１１
オープニング��
セブンのオープニングは、前回のシナリオを引き継いだもの。感謝祭をするので、と言われてティラナス領主（前回のアルズという老騎士から、息子のカストゥルという青年に代わっています）の屋敷に呼ばれたセブン。その場で二人掛かりの拝み倒しです。
前回助けた（というか信者にした）富嶽の姫が、隣国バーラムの領主に住処を追われ、助けを求めてきたのです。仕方ないなぁ、と言いながらも力を貸すことにしたセブンが、バーラムに向かったところでシーンは終わりです。
ミドルフェイズ��
言い忘れましたが、メルトダウンの任務は「ネフィリムのコーポレイトでありながら、社に無断で私服を肥やしているかもしれないアルベーロという人物を探り、背任の証拠を掴め」というもの。
オリジンの地に降り立ったメルトダウン、特殊通信機を使って達成値を上げつつリサーチ。
メルトダウン「カッコウ、アルベーロの動きをモニターしてくださいませんか？ 報酬はいつもの口座に」
リサーチしつつアイテムを購入するあたりは、まさにＮＯＶＡですね！
一方その頃、独りでバーラム伯爵の城に乗り込んだセブン。前回でもうロールプレイのベクトルは定まってますので、それに従ってガッツリフレアを稼ぎつつ、しっかり「バーラム伯爵の背後にネフィリムがいる」ことを調べ上げます。
ミドルフェイズ��
情報交換のために会うことにした二人。といっても、メルトダウンはオリジンに降り立ったのは今回が初めてという設定。どんな演出をする気なんでしょう。
セブン「君とはどこかであった気がするな。ほら、あの…星の見えない世界で」
そう来たか！ セブンはエルダに行ったことがあるらしいです。さすが魔王。
メルトダウン「（表情一つ変えず）…覚えていませんが」（パスが「感情：忘却」だから。
「ところで、ＡＳＡＫＵＳＡの人間はみな奇妙な格好をしていますね」
そう来たかッ！！！１１１
とはいえ、情報交換自体はすんなりと終わり（この辺りはさすが。昔ずっとコンビ打ちをやってただけのことはあります）、ネフィリムが富嶽の村から戦艦“駿河”の設計図を強奪したこと、そしてメルトダウンのオープニングに登場した、戦友のマグナスという男が“駿河”の調査に入ったまま、戻っていないことを突き止めます。
クライマックスフェイズ
子飼いの部下を引き連れて、アルベーロが登場します。彼は自分の部下をティラナスのあちこちに潜伏させており、領民の命が惜しければ、駿河艦内を案内しろとセブンに要求。渋々要求を飲むセブン。
一行は駿河の心臓部へと辿りつきます。そこには怪しく輝く宝石が一つ。
アルベーロ「これだ…このバベルストーンさえあればワシは…アゥ！？」
蜂の巣になるアルベーロ。背後にゆらりと姿を現すマグナスとその部下たち。
彼らはアルベーロに命じられて駿河の調査に赴き、そして前回登場した機械生命体、グレズの生き残りに襲われて命を落としたのです。しかし、オリジンの理は彼らがそのまま眠りにつくことを許しませんでした。
非業の死を遂げたまま弔われることもなかった彼らは、黄泉帰り（リターナー）となって復活します。しかし…リターナーとなっても自分を保っていられるのは、カオスフレアだけ。フレアの加護なき者は、そのまま怪物となってしまうのです。そして…マグナスの目前にあったバベルストーンは、彼らに黒い太陽の加護を与えてしまいました。
黒き太陽、すなわちダスクフレアの加護を。
マグナス「メルトダウン、オレを殺してくれ！ このままじゃ、オレがオマエを殺してしまう！」
メルトダウン「（無言のまま降魔刀に手を掛ける）」
リターナーの特技を使い、順番を無視し、あるいはターンを止めて攻撃を放ってくるマグナス。
しかし、二人は落ち着き払って攻撃を捌きます。
セブン「《女神の祝福》＋《闇よりの加護》＋《大魔王》で支援します」
メルトダウン「では《大いなる力》＋《コンバットシューティング》でダメージ１６０です」
ＧＭ「（前回よりとんでもないコンボキターー！）じゃ、じゃあ、君の放った銃弾がマグナスの胸を貫き…」
メルトダウン「ＧＭ、私の武器は降魔刀です」
ＧＭ（名状しがたい表情で）「…では、君が袈裟掛けに斬りつけると、マグナスはばったりと崩折れる」
メルトダウン（これ以上ないほど渋い声で）「“死の舞踏（ダンス・マカブル）”…」（鮫のように笑う）
ＧＭ「（カービン銃なのに…カービン銃なのに！！１１）」
エンディング��
オリジンに夢を見ていた男は、その夢を果たすことも故郷の土を踏むこともなく、仰向けに倒れていた。
“メルトダウン”は刀をぱちりと鞘に納めると、かつて戦友だった男の「残骸」を見下ろした。そこには哀しみも哀れみも、蔑みの色もなかった。
「…あなたはエルダには夢はないと言った。夢がないのではありません。あなたが夢から目をそらしていただけです」
「そうか…」
何とかそれだけ呟いた男の両眼は、もはや何も捉えていない。いや…その眼に映るのはもしかすると…かつての故郷の情景か。
そして…男の眼は開くことのないまま、二度目の…そして本当の死を迎えた。
状況の報告を聞いた彼の上司、エリザベス・パーラメントの美しい顔が憂いに沈む。
「そうですか…惜しい人物を亡くしました」
二秒で元の冷徹な仮面（ペルソナ）に戻った社長秘書の口から、次の命令（オーダー）が紡がれる。
「“メルトダウン”、あなたはオリジンに残り、引き続き、我が社のスタッフが暴走しないよう監視を続けてください。もしかしたら、またアルベーロのような人物が現れないとも限りませんから。
あなたの働きに期待しています」
“メルトダウン”は笑み一つ漏らさず、スーツを翻した。
「…仕事ですから」
エンディング��
若き青年領主は、目の前に立つ女神に深々と頭を垂れる。
「この度は、大変ありがとうございました」
セブンは悪戯っぽく笑い、手をぱたぱたと振った。
「礼なんていいから。それより、あの御子神のお姫様と仲良くね。ボクは愛の女神…結婚の祝福ならいつでも大歓迎だから」
ひらりと白馬にまたがると、御者に馬を引かせてそのまま去ってゆく。
頭を垂れたままそれを見送るカストゥルの口の端に、自嘲気味な笑みが浮かぶ。
「申し訳ありません。私はもう、心に決めた人がいるのですよ。…もっとも彼女も貴女と同じく、人間ではありませんが、ね」
ゆっくりと顔を上げた青年の表情は冷たく、そして暗い。
「バーラム伯領が落ちた。ついに戦端が開かれる…」
彼の眼は、遥か遠く、そしてどこまでも先の見えぬ霧の向こうを見つめている…。
2005年12月14日(水)
|
|
|
