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■ カオスフレアシナリオ“血の収穫祭”・プレイレポート
カオスフレアシナリオ“血の収穫祭”・プレイレポート
今回は、ＧＭもプレイヤーも全員初めてのゲームに挑戦。最近セカンドエディションとか多かったからなぁ。ゲーム開始前に、用語の解説だけで１時間ほど過ぎ去っていて、なんとなく昔を思い出してみたり。ＮＯＶＡとかも最初はそれはすごかった（遠い目）。
さて、今回のゲームはネットでも話題騒然（？）異界戦記カオスフレア。
スーパーＦＥＡＲ大戦ができるゲームらしい（まとめサイトより）。
まとめサイト読んだのは終わった後だけど。
ちゃんとシステムにはハンドアウトもトレーラーもあるのに用意してませんでした。すんません。
いや、自由度の高いキャラ選択をして欲しかったのです（下手な言い訳）。たぶん二回目からはフルスクラッチでしょう？ ねぇみんな。
ルーラーからの指定は「オリジン（舞台となるファンタジー世界）」から一人、「アムルタート（竜の国）」から一人という実にいい加減なもの。この指定を受けてこの世に生まれたのが、このキャストたちだ！
ＰＣ� ．Ε�ング（サンプルキャラ：竜戦士）
アムルタートの竜人の戦士。「オレより強いヤツに会いに行く」的なキャラ。
ゲーム前の会話「こいつって、随分デカい羽根生えてるけど飛べるんですか？」「んー（ルールブックをパラパラ）、飛ぶための特技があるってことは、習得してないと飛べないんじゃない？」
というわけで、名前はウィングなのに空を飛べません。
ＰＣ�◆．札屮鵝淵汽鵐廛襯�ャラ：魔王）
オリジン指定といっておきながらいきなりコラプサー（オリジンで神と崇められる種族）。どうでもいいけどこのイラスト、お腹だけ出てるのなんだか寒そうだよね。
名前の「セブン」の由来は「七番目の神様だから」だとか。
ロールプレイを見る限り、三人姉妹の二番目で、上のお姉さんとは顔が一緒で、下の妹はボディコン着て身体がデカいんだと思います（フェイトテクスチャ）。
偉大なるダイスの神のお告げにより、冒険理由は「愛」。すなわち愛の大魔王爆☆誕。
オープニングフェイズ��
ウィングはアムルタートの都、空中庭園エヌマ＝エリシュに呼び出されます。呼び出したのは竜の女王、冥皇竜イルルヤンカシュ。
「ところでオレは飛べないんだが、そこまでどうやって行けばいいんだ？」
「…き、きっと乗用の飛竜とかいるよ！」
城に出向いてみれば、イルルヤンカシュたんいささかおかんむりの様子。この女王、外見は萌え美少女ですが、実の母親をぬっ殺していたり、自分の身体を五つに切り裂いて配下の将軍を生み出したり（その割には将軍代変わりしてるけど）といささか過激なお嬢さん（推定一万歳）。
事情を聞くと、富嶽（二次大戦の頃の戦艦っぽい宇宙戦艦に乗って宇宙を旅する戦国時代の日本みたいな世界）の戦艦が空中庭園をぶっ壊しつつ地上に墜落したのだとか。
「落とし前をつけてやりなさい」との命令に、一も二もなく従うウイング。
いくら相手がツンデレといっても、ツンの段階で殺されたらデレも何もないからね！
オープニングフェイズ��
セブンは、オリジンの一角、ティラナス公爵領という場所の森の深くにある神殿に住んでいます。住んでるっていうか、まぁ神様ですからご降臨なさっておられます。
と、そこにやってくる地元の方々（＝信者）。近く収穫祭があるから、よかったら出てきてほしい、と言い出します。畑のあちこちには小麦色の穂が実り、今年は豊作で…と描写したところで爆笑するプレイヤー。
私のシナリオでは「今年は豊作」とか「小麦色の稲穂」は「オレ、今度結婚するんだ」といって恋人の写真を見せるのと同じくらいの死にフラグですからね（今回は少し事情が違ったのですが…）。
セブンが人里に降りようとすると、空から火の玉が…。
リサーチフェイズ��
富嶽は戦艦が領地そのもの。艦長はすなわち領主です。というわけで、艦長の真田という侍に会いに行くウィング。ここで誤算発生。
ＧＭはこのシーンを、ブレイド・オブ・アルカナでいう悪徳を演出するシーンと同じように考えていました。なので、真田は（今回の悪役。このゲームではダスクフレアと呼ばれます。ブレカナでいうマローダー）乗り込んできたウィングを煽りまくります。ここで半端に同情される敵ＮＰＣを演出してしまうと、クライマックスのモチベーションが保てませんからね。
ところが…このゲームは天羅万象やエンゼルギア同様、ロールプレイを評価して、フレア（気合チップやパトスチットのようなもの）を手に入れるゲーム。よって、ウィングもバリバリにアムルタートの竜人をロールプレイします。乱れ飛ぶフレア。
げぇ…っ！ 双方後に引けなくなった…っ！
慌てて登場して仲裁に入るセブン。でも真田はそのセブンまで煽りまくります。激怒する二人を後目にフェイドアウト。
リサーチフェイズ�◆�
さて、困りました。今回の悪役である富嶽の艦長、真田はこの後のシーンで機械生命体グレズに乗っ取られてダスクフレアと化し、公国の民を殺戮するはずでした。ここで「こいつは敵だ！」というモチベーションを高めてもらうのが本来の流れだったのです。だからタイトルも「血の収穫祭」だったのですが…。
ウイングは戦艦の周りをうろつきつつ、怪しい動きどころか、真田が指一本でも動かせば殺してくれようと舌なめずり。
セブンはセブンで、領民を完璧ガード。やはり、動けばオマエを殺すオーラがビンビンと。
なんか、わざわざグレズに乗っ取られたりダスクフレアになったり殺戮したりしなくても、もう殺る気満々です。
ここに至って、ＧＭは殺戮シーンのプロットを破棄することにしました。
というのも、本来そういう悪徳シーンは、「こいつ敵かな？ 味方かな？ 何するかな？」という時に発生させることで「こいつはやっぱり敵だったんだコンチクショー」と思わせるためのシーンです。
ところが今回ＰＣは「こいつは絶対に敵、放っておけば絶対なんかやる」と既に認識しています。ここでＰＣが介入できない悪徳シーンを起こしても「あ、何をやっても無駄だったんだ。絶対止められなかったんだ」という無力感を感じるだけで、モチベーションを上げるどころか下げてしまいます。もちろんそういうシナリオも手法としてはアリですが、今回はそうではありません。
対立構造が早めにはっきりしたのは、むしろロールプレイがうまくいっている証拠です。ただこれだと、本来「殺戮が嫌で逃げ出した富嶽の武士」から情報を得るはずのシーンがなくなってしまうのでちょっと変更。
「グレズに支配された艦内に居場所がなくなって逃げ出し、食料を徴発しはじめた富嶽の武士」を登場させて、情報を吐き出させることにします。
で、肩慣らしを兼ねた戦闘で、モブが相手なのをいいことに煮えロールプレイを繰り返し、ガッツリフレアを稼ぐ二人。しまいには武士たちを愛の女神パワーで調伏。全員愛の女神の熱烈な信者に。彼らはきっと富嶽／オリジンのマルチミーム（ミームというのは自分の所属する世界／文化のこと）になったことでしょう。
魔王なんだけどね。
クライマックスフェイズ
二人は富嶽の艦内に突入。サイボーグ武士と化した雑魚を蹴散らし艦橋へ。
そこにはグレズの機械に取り込まれ、メタボーグとなった真田が。
「もはや、御前の前に引き出す価値もないわ…！」
ウイングの煮えたロールプレイの後、おもむろに戦闘開始。
実はこのゲーム、開始前にいいカードがプレイヤーに配られることになっているので、高い達成値が来ることは予想済みです。真田はケーブルをにょろにょろと動かして悪役っぽく高笑い。
「食らえ波動砲！」
「ちょｗｗｗｗｗｗｗおまｗｗｗｗｗｗｗ艦の主砲の照準を艦橋に向けるってどんな構造ｗｗｗｗｗｗ」
ウイングがずんばらりんと斧で斬りかかります。
「まだ生きてる」
「ずいぶんＨＰ高いなぁ」
「ほら、戦艦の装甲の分ＨＰプラスされてるから（このゲームの装甲は、ＨＰが増える効果です）」
「だからｗｗｗｗｗｗｗｗ俺たち艦内にいるのになんで装甲が有効なんだｗｗｗｗｗｗｗｗ」
そういうルールですから。
そして第２ターン。フレアを温存したセブンの支援が光って唸ります（彼女のコロナ、メインクラスは支援系なのです）。
「女神の祝福＋闇よりの加護＋大魔王で、達成値＋６０で差分値２倍」
「なぬ！？」
ちなみにこのゲームのチャートブックには「難易度：かなり難しい 達成値２２〜２４」とか書いてあるのですが。
「ダメージ１００オーバーっ！？ まさに斬艦刀っ（ホントにあります）！」
真田、即死。
エンディングフェイズ��
修復を終えたエヌマ・エリシュに降り立つウイング。薄暗い謁見の間に、珍しく憂いを帯びた顔のイルルヤンカシュがたたずんでいる。
「不届き者は討ち果たしてございます、陛下」
「大儀であった」
その言葉とは裏腹に、女王の表情は暗い。やがて、沈黙を破って女王が呟く。
「ウイングよ、わらわは間違っておると思うか…？」
ウイングは答えない。彼にとって女王は命じる存在、君臨する存在であって、臣下に迷いや疑問を漏らす存在ではない。いや…そうであってはならないのだ。
続く無言を何と捉えたか、赤毛の竜女王はきびすを返し、ウイングの前から姿を消した…。
エンディングフェイズ��
自分の棲む小高い山の中腹から、ふもとを見下ろすセブン。彼女の目には、オリジンの人々が富嶽の戦艦から残骸を運び出していく姿が映っていた。恐らく彼らは、富嶽の人々から道具の使い方を学び、我が物としていくことだろう。
人間の適応力とは恐ろしいものだ。これまでも、そしてこれからも変わることのない彼女とは違い、人々はどんどん変わってゆく。この情景も、次に見る時にはきっと今からは想像もつかないほど変化しているに違いない。
そして…彼女は満面に笑みを浮かべた。
「これだから…人間は面白い」
ばさりと漆黒のマントを翻し、彼女は森の中へと帰っていった…。
2005年12月09日(金)
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