2003年01月16日(木) |
20年近く会っていない父からのメール |
小さい頃の父は、酒乱で怖かったけど、基本的には優しい父だった。 小2の時に年上の女を連れ込んできた時に、「どうしてママって呼ばない。」って言われた時くらいで、私に対して声を荒げたりすることはほとんどなかった。 小6か中1くらいの時かな、小2の終わりに田舎に預けられ、それ以降まともに会ったこともないのに、新しい女の人が一緒に、弟も一緒に、その中で一緒に風呂に入ろうと言われてビビったことがある。 いくら父親とはいえ、嫌だったもんな。断ったけどね。
10代の頃に新橋の居酒屋で働いてた時、そこのおかみさんが給料払ってくれなくて、母は父に相談し、父がその店まで内容証明だの書類を持っておかみさんとかけあったことがあった。父とは新橋の駅で待ち合わせしたのかな。その店に行く前にどこか他の店に入ったっけな。よく覚えてないんだけど。 地下の居酒屋の奥のお座敷に案内されて、おかみさんが慌ててた光景が目に浮かぶ。父はどっしりと構え、笑みさえうかべながらジリジリと裁判にも持っていけるような脅しとも言えるようなことを、優しい口調で淡々と話してみせる。こういう度胸はすごいと思うよな。この後、私がいくら言ってもお金を待ってくれって言ってたおかみさんが、すぐに払ってくれたんだ。
それ以来会った記憶がない。
その父から仕事で使用しているメールアドレス宛にメールが来た。 私はどこの誰だれです。仕事でリサーチ中に私の名前にヒットしたと。 旧姓は○○さん(母の姓)、もしくは△△(父の姓)さんではありませんか?
びっくりした。
正直、メール書けたんかい?
が第一声だった。
送ってもらったメールは仕事のメールで、他スタッフも読んでいるから次回から個人宛のこっちに送ってほしいこと。プライベートHPには父の悪口も書いてあること、仕事はこんなことやってて、まあ、それなりに元気にやってる、そんなことを書いた。
早速父親から私の署名にあった携帯に電話がかかってきた。 なんかデスマス調でぎこちない。 近々会えないかって話だった。
恥ずかしいから嫌だって言った。
私の子供の頃の父はかっこいい父だった。 だってさ、私はずっと父に似てるって言われてたんだよ。
母は綺麗で、いつも比べられては母に似れば美人だったのにね、と言われて育ったようなものなんだ。弟は目がくりっとしていてかわいしらしくて、いつも比べられて嫌な思いをした。
私が父に似てると言われる以上、父はかっこよくなければならないんだ。 父がブサイクだったら私の将来も終わりくらいな意味がある。
私は最近の父の写真は1枚も持っていない。私が小さい頃の若い頃の父の写真しか持っていない。私にとっての父はその時のままなんだ。つーか、そのままでいてほしいんだよね。これはきっと近くにいなかったからそんな風に考えてしまうんだろうけど。きっと弟からすれば何言ってんの? って感じなんだろう。
10代で会った時の父は、もちろんその当時とは違ってしまっていたけど、その年なりの貫禄があって、その貫禄はかっこよくも見えるものだ。
父親っていうのはいつまでもかっこよくいてほしい。
弟から「太っちゃってさ。」 と聞けば、太った父なんて会いたくねーな、と悪いけど思ってしまうんだ。
それは私もしかりだよ。 30歳前の私はまだ若々しかったし、細かったし、変わった自分も見せたくないしさ。
やっぱり会いたくない。
そういうわけだからさ、もしこの日記読んでたら、私は会わないからさ。 今の気持ちはそうだから、それは理解してください。
メール友達くらいなら相手してやってもいいよ。
まあそんなところだ。
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