息子はまたテレビの影響で、「あやとり」に凝っている。
タンスの上のクリアケースを降ろし、 随分昔に買った毛糸を取り出して「あやとり」のひもを作ってやる。
最初に、お姉ちゃんから「ほうき」を教えてもらい、作って喜び、
次にまたまたお姉ちゃんから「ゴム」を教えてもらい、作って喜ぶ。
知っているだろうか。
「すべり台」→「カメ」→「ゴム」→「飛行機」→「カブト」→「ネクタイ」で、最後にネクタイの首の部分をひっぱるとするっと抜けるってやつ。
お陰で、水疱瘡の息子は、学校にも行かず、「あやとり」ばかりしている。
「ほうき」,「ゴム」と、くれば、次は「はしご」でしょう、ということで、 「はしご」のやり方を教えてくれ、と頼まれていたが、 何度やっても思い出せない私であった。
というわけで、息子は、昨日の夜からずっと「あやとり」に夢中だった。
と、言っていた。
夫は、・・・が嫌いなのだ。 ・・・が、弱虫で他力本願だから。 >優しいとこあるし、イザという時は勇気を出すし、頼もしいと思うんだけど。。
「あやとりのひも」は3本作り、1本は私のエプロンのポケットに入れていた。 家にいる時は、ほとんどエプロンをしている私。 今朝、何の気なしにポケットから出して、おもむろに「はしご」を作ってみる。 昨日まで思い出せなかった「はしご」が、なぜかできてしまった。 >やっぱり人って一度身に付いたことってそうそう忘れないものね。
できてしまったものの、どうやって作ったのか思い出せず、 もう一度心を真っ白にして「はしご」を作る自分を、 遠くの自分が観察する。
わかった!! 完璧だ!!
早速息子をたたき起こす。 息子は上機嫌な朝を迎える。
↑昨日に続き、息子の手
本日、月曜なり。 金曜日の学校への連絡帳には、 「水疱瘡らしい。」 的なことを書いて上の子に持たせた。
今日は、 「水疱瘡なので、休ませます。」
と病院へ行って診察してもらって完璧「水疱瘡」と確信してのコメントを書いた。
「家庭学習させることがありましたらお知らせください。」
連絡帳が戻ってくる。
「毎日、漢字のテストをやっていますが、やってきません。覚えきれていません。 算数の九九は五のだんまでやっています。できるようにしておいてください。」
泣きたい気分だった。
つい先週末、もう九九はやってるの? と聞いたばかりだった。
その時、 「九九ってなに?」 と言われ、 まだやってないのか。。と思ったのだ。
九九知らないって言ったよね? 五のだんまでやってるって書いてあるよ! 五のだんまでやってるってことは、一のだんも二のだんもとっくのとーにやったんじゃないの?
「知らない、ボクが休んでる時にやったんじゃないの?」
とか言うクセに。
あんた休んだの1日だけでしょ。1日で五のだんまでやるわけないでしょ!
呆れてしまう。。どうして、この子は、こんなにバカなんだろう。。 ホンモノ、なんだろうか、と涙が出てくる。
小学校2年生なんて、学校の授業さえ聞いてりゃ、家で何もしなくたってできるだろうに。 どうしてこの子はこうなんだろう。。
夫が帰ってくる。 夫は、連絡帳の先生からのコメントを聞いて、
「ホント、やばいって。 お前、ネネの行く学校行きたとか言ってる場合じゃないぞ。 高校も行けないぞ。 中学出たらすぐ働くようだぞ。」
博士になりたいんだって。ノーベル賞取りたいらしいよ。
「お前、バカか?」
「ボクはバカじゃない!!」
「だったら漢字のテストで0点なんて取ってくるな! 0点なんて俺、とったことねえよ。 よく0点なんて取れるよ、感心するよ。
クラスで一番バカなんだろ! お前より頭の悪いやつ一人もいないんだろって言ってんだ。
いいか、一生懸命やって取れないってなら話は別だ。 お前は、何もしてねえじゃねえか!
どうせ授業ちゅーたってボケーっとして何も聞いちゃいないんだろ!
食って寝て、遊んで、テレビ見て、ゲームして、食って、寝て、 アホか!
テレビ禁止!ゲームも禁止!
人並みに勉強できるようになるまで一切禁止だ!!」
息子は悔し涙を流している。 >言われて悔しかったらやれよ
「何も勉強ばっかりしろって言ってんじゃない。 最低限やることやれよ。」>夫
とにかく九九ができなきゃ大変ということで、私は何度も何度も繰り返し、息子に言わせてみる。 ごいちがご、ごにじゅう、ごさんじゅうご、ごしにじゅう、ごごにじゅうご、 はい、「ごさん」なに?
「ごさんじゅう!」
>だめだこりゃ
息子は、周りの空気が澄んでいくのが見えたのだろう。 大好きな「あやとり」を、今ならやってもいいのではないか、と、 察知したようだった。
あ。。息子はうつむき立ちつくしている。
こりゃ、ホンモノだわ。
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