海野幸は絶対にあきらめない。
痛くても辛くても、未来に一条の光があるとわかっているから、
日常のすべてのことに、"Happy"があると知っているから、
いつもその笑顔を絶やさない。
彼女の涙は足を前へ進めるためのガソリン。
目に涙がにじんで、前が見えなくなることはない。
しかし、「海野幸」という存在は虚構の中にのみ存在する。 すべて浦沢直樹の創りだした嘘。
だが俺は、現実のヒトビトより海野幸から感じることのほうが大きいと思う。
創りだされた嘘から学ぶ。そういったことは少なくない。 小説、映画、ドラマ、絵画、音楽、マンガ。 これらはすべて(程度の差はあるが)作者の意志の反映。
作者の精神世界が投影されたこれらの創作は、 (他の人はどうだか知らないが少なくとも俺には) 良くも悪くも、ある程度の「作者のイメージ」を抱かせる。
「こんな作品を創るのはあんな人だろうな」
浦沢直樹に対するイメージは敢えて述べない。
人の足を停めるのは「絶望」ではなく「諦観」 人の足を進めるのは「希望」ではなく「意志」
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