1999年09月09日(木) |
after a decade |
たとえば、十年後。
想像できない。自分がどうなっているのかを。
【それは俺の想像力が貧弱だからだろうか? ――否、明らかに否! だれも自分の未来を、他人も同様だが、想像することなどできはしない! それをしようとするときだれもが、そう、ノストラダムスになるだろう!】
彼はただ、そう思いたかった。 自分の未来に明るい光を感じることができずに、 前を見るのを拒んでいた。
彼の想像力は欠けていたわけではなく、むしろその逆だった。 その点において、彼は不幸だった。
そして、彼は明日の自分すら見つめなくなった。
「駆け抜けろ時代を 未来へと進め 空気を吸って」
その、ある曲の言葉は、彼に届いていただろうか?
――否、明らかに否!
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